アガチェリ(Aghačeri)は、12世紀から13世紀ごろカザフステップに存在したテュルク系遊牧民族ラシード・アッディーン集史』の説明にもあるように「森の人」の意。オグズ族の一分派で、森林地帯にあった分族に名付けられたものでもあろうか[1]

『集史』の記述

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この名称は古い時代にはなかった。この地方にオグズの部族が来た時、そのうちの一つ、森との境に宿営地(ユルト)を持つ者が「森の民」を意味する「アガチ・エリ」と名付けられた。森の近くにユルトを有するモンゴルの部族のうちの幾つかがホイン・イルゲン、すなわち森の部族という名を与えられているのがこれと似ている。平安あれ。 — ラシードゥッディーン『集史』部族篇

[2]

脚注

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  1. ^ 村上正二 1965, p. 127.
  2. ^ 金山 2022,p80

参考資料

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  • 訳注:金山あゆみ『ラシード=アッディーン『集史』「モンゴル史」部族篇訳注』(風間書房、2022年)
  • 村上正二「モンゴル帝國成立以前における遊牧民諸部族について : ラシィード・ウッ・ディーンの「部族篇」をめぐって」『東洋史研究』第23巻第4号、東洋史研究會、1965年3月、478-507頁、CRID 1390290699810644096doi:10.14989/152678hdl:2433/152678ISSN 0386-9059 
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