キンカンは、株式会社金冠堂が製造販売元の液体外用薬第2類医薬品である。

キンカン55ml

概要

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キンカンは、アンモニア水l-メントール等を有効成分とする。「虫さされ、肩こりに、キンカン」のキャッチフレーズで知られ、虫刺されの薬として認知されているが、発売当初は火傷の効能がメインであった。キンカンの発明者である山﨑榮二が自ら腕に熱湯をかけ、そこにすかさずキンカンを塗るという実演販売で日本全国を回り、販売促進に努めた。山﨑の身体を張った販促活動の甲斐もあって1930年昭和5年)に発売されてから長年、一般家庭に広く浸透している大衆薬の1つになっている。

キンカンの効能は火傷の他に「肩こり、腰痛神経痛リウマチ打ち身しもやけ水虫虫刺され切り傷」といったように幅広いものがあり、かつては万能外用薬という名前を冠していた。しかし、1976年(昭和51年)の厚生省の指導による再評価によって多くの効能が削られ、再評価後は「虫さされ、かゆみ止め、肩のこり、腰の痛み、神経痛、うちみ、捻挫」に限定された。時期は不明だが、「神経痛」の項目も削られ、2022年令和4年)8月現在では「虫さされ、かゆみ、肩こり、腰痛、打撲、捻挫」だけになっている。

この薬を塗ると清涼感があるのは、アンモニアの吸熱やメントール気化による冷却によるものであり、この2つの物質によって独特の刺激臭も形成されている。また、アンモニアが含まれているため、傷口やかぶれ、粘膜部には使用してはいけない。

2009年平成21年)6月薬事法改正により第2類医薬品となったが、テレビCMの親子編(出演:グッチ裕三)の途中から「使用上の注意をよく読んで正しくお使い下さい」の表示テロップがなくなった。しかし、ラジオCMでは「使用上の注意をよく読んでお使い下さい」というナレーションが放送される場合がある。2022年(令和4年)のテレビCMでは、表示テロップが復活している。「まみれ編」では、「ピンポン」の音が出ている。

2013年(平成25年)4月台湾での発売を開始した。パッケージは日本仕様に準じるが、「キンカン」の上に漢字表記の「金冠」が追加される[1]

2020年(令和2年)5月28日金冠堂は公式Twitterにて、ミュージシャンであるオーイシマサヨシが広報宣伝課長に就任したことを発表し[2]、同時にYouTubeに公式広報チャンネルを開設[3]。翌年も続投し、4月からは広告宣伝次長に昇進した[4]

製品の種類

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2022年(令和4年)8月現在、キンカンは下記の製品に分類されている。

  • キンカン(15mL,55mL,120mL) - 金冠堂が旧社名ロゴを用いていた当時は、50mlも存在していた。15mLは2010年3月に「キンカンmini」の発売5周年を記念した「キンカンmini」1本入りとして「キンカン プリスターパック」として発売され、キャップの色は通常の「キンカン」と同じく白である。翌年の2011年3月に「キンカン」のサイズバリエーション品としてリニューアルされ、通年製品化した。
  • ぷちキンカン(15mL) - 2013年2月発売。女性向けにパッケージやラベルデザインを変更した製品で、中身はキンカンそのものであり、キャップの色はピンクである。2015年2月にボトルに装着して使用するピンクのシリコンケースが同梱されリニューアルした。

競合製品

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脚注

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外部リンク

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