シグナス NG-11
従来、OA-11として知られていたNG-11は、ノースロップ・グラマンの無人宇宙補給機シグナスの12回目のフライトであり、NASAとオービタルATKの間商業補給サービス契約下の11回目の国際宇宙ステーションへのフライト[5][6]。このミッションは2019年4月17日 20:46:03 UTCに打ち上げられた[1]。これは延長されたCRS-1(フェーズ1)契約の最後のミッションであり、以降のミッションはCRS-2契約に基づいて行われる[7]。シグナス NG-11は、新しいアンタレス・ロケットの特徴として重要なハードウェアを打ち上げ前24時間にシグナスに搭載する初めてのミッションでもあった[8]。
ドラゴンC108がハーモニーにドッキングしている間、宇宙船ロジャー・チャフィーを把持するカナダアーム2 | |
名称 | OA-11 (2016–2018) |
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任務種別 | 国際宇宙ステーションへの補給 |
運用者 | ノースロップ・グラマン |
COSPAR ID | 2019-022A |
SATCAT № | 44188 |
任務期間 | 232日 18時間 42分 |
特性 | |
宇宙機 | 宇宙船ロジャー・チャフィー |
宇宙機種別 | 拡張型シグナス |
製造者 |
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任務開始 | |
打ち上げ日 | 2019年4月17日 20:46:07 UTC[1] |
ロケット | アンタレス 230 |
打上げ場所 | ワロップス LP-0A |
打ち上げ請負者 | ノースロップ・グラマン |
任務終了 | |
廃棄種別 | 軌道離脱 |
減衰日 | 2019年12月6日 15:28 UTC |
軌道特性 | |
参照座標 | 地球周回軌道 |
体制 | 低軌道 |
傾斜角 | 51.66° |
ISSのドッキング(捕捉) | |
ドッキング | ユニティ 天底側 |
RMSの捕捉 | 2019年4月19日 09:28 UTC[1] |
ドッキング(捕捉)日 | 2019年4月19日 11:31 UTC |
分離日 | 2019年8月6日 13:30 UTC[2] |
RMS切り離し | 2019年8月6日 16:15 UTC[3] |
係留時間 | 109日 1時間 59分 |
輸送 | |
重量 | 3,436 kg (7,575 lb)[4] |
加圧 | 3,162 kg (6,971 lb) |
非加圧 | 239 kg (527 lb) |
NASAのミッションパッチ |
COSPAR ID | 2019-022A |
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オービタルATK(現在のノースロップ・グラマン・イノベーション・システムズ)とNASAは共同で、ISSへの商業貨物補給サービスを行うための新しい宇宙輸送システムを開発した。商業軌道輸送サービス(COTS)計画のもと、オービタルATKが中型打ち上げ機のアンタレスと、パートナー企業のタレス・アレーニア・スペースが提供する与圧貨物モジュールと、オービタルGEOStar衛星バスを基にしたサービスモジュールを使用した先進的な宇宙船シグナスの設計、取得、建造および組み立てを行った[9]。ノースロップ・グラマンは2018年6月にオービタルATKを買収し、社名をノースロップ・グラマン・イノベーション・システムズと改めた[10]。
同時に、ネパールの人工衛星NepaliSat-1およびスリランカの人工衛星Raavana 1もシグナスNG-10ミッションの一部の展開可能ペイロードとして打ち上げられた[11]。
来歴
編集NG-11は、商業補給サービスフェーズ2(CRS-2)契約が発効するまでの間、NASAが必要とするISSへの補給を可能とする延長計画の一部である[12]。このミッションはバージニア州ワロップス島から2019年4月17日の20:46:07 UTCに打ち上げられた[1][13]。
宇宙船
編集シグナス宇宙船の製造と組立てはバージニア州ダレスで行われた。シグナスのサービスモジュールと与圧貨物モジュールの結合は打ち上げ施設で行われ、ミッションの運用はバージニア州ダレスとテキサス州ヒューストンの管制センターから行われた[9]。このミッションは拡大型のシグナスPCM(与圧貨物モジュール)の8回目のフライトだった[14]。
このシグナス宇宙船は、アポロ1号に向けた訓練中に命を落としたロジャー・チャフィーにちなんで宇宙船ロジャー・チャフィーと名付けられた[15]。
貨物の内訳
編集貨物の総重量:3,436 kg (7,575 lb)、与圧貨物3,162 kg (6,971 lb)および非与圧貨物229 kg (505 lb)[4]
- 乗員補給品:987 kg (2,176 lb)
- 科学研究機材:1,569 kg (3,459 lb)
- 船外活動装備:24 kg (53 lb)
- 宇宙船資材:628 kg (1,385 lb)
- コンピューター資材:4.5 kg (9.9 lb)
- ノースロップ・グラマン関連装備:35 kg (77 lb)
NG-11ミッション中に展開された小型衛星:
- エアロキューブ(AeroCube)10A(JimSat)および 10B(DougSat):エアロスペース・コーポレーション[16]
- エテルニタス(Aeternitas)、ケレス(Ceres)およびリベルタス(Libertas):バージニア・キューブサット・コンステレーション、NASAのELaNa-26ミッションの一部として打ち上げられ、それぞれオールド・ドミニオン大学、バージニア工科大学、バージニア大学が開発した[17][18]。
- エントリーサット(EntrySat)[17]
- IOD-1 GEMS(In-Orbit Demonstration - Global Environmental Monitoring Satellite、全球環境監視衛星の軌道での実証)[17]
- KRAKsat:ポーランドのAGH科学技術大学およびヤギェウォ大学が製作[17][19]。
- SASSI2(Student Aerothermal Spectrometer Satellite of Illinois and Indiana、イリノイとインディアナの学生による空気熱分光計衛星)[20]
- シーカー(Seeker):宇宙船の検査のためのNASAの自由飛行するキューブサット[17]
- スプーキー1(SpooQy 1)[17]
- スウィアトウィド(Światowid):SatRevolutionによるキューブサット[17]
- 12系列のシンサット(ThinSat)合計60機、学校の生徒と大学生によって組み立てられた実験的な小型衛星[20][21]
- ウグイス(Uguisu)、ラアヴァナ1(Raavana 1)およびネパリサット-1(NepaliSat-1)、それぞれ日本、スリランカおよびネパールの生徒がBIRDS-3計画の一環として開発した1Uキューブサット[17]
サーマル・アミン・スクラバーとして知られる新しいハードウェアは、ISS上での最初の探査ECLSS技術デモンストレーションであり、2019年4月に起動され、ISSないの空気から追加のCO2を除去する。
脚注
編集- ^ a b c d Richardson, Derek (19 April 2019). “NG-11 Cygnus Begins 3-month ISS Stay”. Spaceflight Insider 4 November 2019閲覧。
- ^ Todd, David (12 August 2019). “Cygnus NG-11 departs ISS dropping off satellites as it goes”. Seradata. 4 November 2019閲覧。
- ^ Clark, Stephen (6 August 2019). “Cygnus supply ship departs space station, begins extended mission”. Spaceflight Now 4 November 2019閲覧。
- ^ a b “Northrop Grumman CRS-11 Mission Overview”. NASA. 21 April 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。15 June 2019閲覧。 この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
- ^ “Launch Schedule”. Spaceflight Now. 12 February 2015閲覧。
- ^ “International Space Station Flight Schedule”. Students for the Exploration and Development of Space (15 May 2013). 2023年7月30日閲覧。
- ^ Gebhardt, Chris (1 June 2018). “Orbital ATK looks ahead to CRS2 Cygnus flights, Antares on the commercial market”. NASASpaceFlight.com 2 June 2018閲覧。
- ^ Foust, Jeff (16 April 2019). “Latest Cygnus mission to ISS includes new features”. SpaceNews 23 September 2019閲覧。
- ^ a b “Cygnus Fact Sheet”. Orbital ATK (24 March 2015). 26 September 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。14 August 2015閲覧。
- ^ Erwin, Sandra (5 June 2018). “Acquisition of Orbital ATK approved, company renamed Northrop Grumman Innovation Systems”. SpaceNews 23 July 2018閲覧。
- ^ Paudel, Nayak (18 April 2019). “Nepal's first ever satellite launched into space”. The Kathmandu Post 18 April 2019閲覧。
- ^ Leone, Dan (20 August 2015). “NASA Considering More Cargo Orders from Orbital ATK, SpaceX”. SpaceNews 17 April 2019閲覧。
- ^ Martz, Michael (17 April 2019). “Rocket launches from Wallops Island with student-inspired satellites from Richmond-area schools”. Richmond Times-Dispatch 19 April 2019閲覧。
- ^ Leone, Dan (17 August 2015). “NASA Orders Two More ISS Cargo Missions From Orbital ATK”. SpaceNews. 17 August 2015閲覧。
- ^ “S.S. Roger Chaffee”. Northrop Grumman. 17 April 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。17 April 2019閲覧。
- ^ Krebs, Gunter. “AeroCube 10A and 10B”. Gunter's Space Page. 2023年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h Clark, Stephen (19 April 2019). “Cygnus supply ship delivers 3.8-ton cargo load to International Space Station”. Spaceflight Now 5 November 2019閲覧。
- ^ “Upcoming ElaNa CubeSat Launches”. NASA (3 July 2016). 13 March 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。12 March 2019閲覧。 この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
- ^ “KRAKsat”. 5 November 2019閲覧。
- ^ a b Clark, Stephen (18 April 2019). “Antares rocket boosts Cygnus supply ship toward International Space Station”. Spaceflight Now 5 November 2019閲覧。
- ^ Krebs, Gunter. “ThinSat 1A, ..., 1L”. Gunter's Space Page. 2023年7月30日閲覧。