ホドイモ(塊芋[2]学名: Apios fortunei )、またはホドは、マメ科ホドイモ属の植物。中国大陸南部から日本列島全域にかけての一帯が原産地であり、日本では山野、特に日当たりのいい林の中に自生する。別名や地方名で、フド、ミホト、ホトドコロ、カマホト、ツルイモなどともよばれる[2]中国名は、土圞兒(別名:九子羊)[1]

ホドイモ
花序
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: ホドイモ属 Apios
: ホドイモ A. fortunei
学名
Apios fortunei Maxim. (1873)[1]
和名
ホドイモ
ホド

分布・生育地

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日本では、北海道、本州、四国、九州に分布する[2]。山野に自生し、根にできるイモが精力剤になるということから人気があり、自生ものは減少している[2]

特徴

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多年草であり、つる性で、高さは2メートル (m) 以上にまで伸びる[3]は他の植物に巻き付き、地下には紡錘形の塊茎を作る[2]。長さ4 - 9ミリメートル (mm) 、幅2 - 6 mmの卵形の小葉が3 - 5枚集まった羽状複葉をもつ[3]。葉の表面には圧毛があるが、淡緑色の裏面はほとんど無毛[3]

花期は、夏(7 - 8月)である[3]。葉の付け根から花柄を伸ばして蝶形のをつける[2]。花は淡黄緑色の蝶形花で、旗弁が広い。翼弁はごく小さく、先端は淡紫色を帯びる[3]。また竜骨弁は内側に曲がる[3]

人間の利用

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主に、地下の塊茎をそのまま加熱して食用する。採取時期は11 - 12月ごろに塊茎を掘り採るほか、春の新芽も食べられる[2]。春の若芽は茹でて水にさらしてアクを抜き、おひたし和え物にする[2]。塊茎(イモ)は蒸して食べるほか、煮物にしたり、スライスして天ぷらにする[2]。イモの数は数個で、同属のアメリカホドより少ないが大きくなる[4]。一部で栽培されるが、ほとんどは野生のものを採集して利用する[5]

現在東北地方を中心に「ホド」という名で作物として主に栽培されているのは、明治時代中期に日本に導入された同属近縁種のアメリカホドである[4]。アメリカホドは、野生化したものが日本各地に自生しており、青森県の南部地方では、これを「ホド」とよんで栽培している[2]

脚注

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Apios fortunei Maxim. ホドイモ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月24日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j 高野昭人監修 世界文化社編 2006, p. 118.
  3. ^ a b c d e f 北村四郎・村田源 1961, p. 117
  4. ^ a b 農山漁村文化協会 2010, p. 374
  5. ^ 星川清親 1985, p. 654.

参考文献

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  • 北村四郎、村田源『原色日本植物図鑑 草本編』 II(改訂52刷)、保育社、1961年、117頁。ISBN 9784-586-30016-7 
  • 高野昭人監修 世界文化社編『おいしく食べる 山菜・野草』世界文化社〈別冊家庭画報〉、2006年4月20日、118頁。ISBN 4-418-06111-8 
  • 農山漁村文化協会 編『地域食材大百科』 第1巻 (穀類・いも・豆類・種実)(第1刷)、農山漁村文化協会、2010年3月10日、374頁。ISBN 978-4-54009261-9 
  • 星川清親『新編食用作物』(訂正第5版)養賢堂、1985年5月10日、654頁。 
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