ミズアオイ科
ミズアオイ科(ミズアオイか、Pontederiaceae)は単子葉植物の科で、水草、9属33種ほどからなる。世界の熱帯から一部温帯に分布する。日本にはミズアオイとコナギが自生するが[2]、最も有名なのは南米原産のホテイアオイ(ホテイソウ)で、世界の熱帯・亜熱帯の河川・湖沼に広く野生化し、問題となっている。
ミズアオイ科 | ||||||||||||||||||
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ホテイアオイ
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分類(APGIII) | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Pontederiaceae Kunth | ||||||||||||||||||
タイプ属 | ||||||||||||||||||
Pontederia L. [1] | ||||||||||||||||||
属 | ||||||||||||||||||
本文参照 |
性質
編集葉は葉柄(ホテイアオイなどでは膨らんで空気を含み水に浮く)があり、葉身は平行脈で幅広い。花は両性だが異型花柱性(雄蕊と雌蕊の長さが花ごとに異なり自花受粉を防ぐ)のものが多い。左右相称で穂状または円錐花序につく。花被片は6枚、青または黄色に色づき目立つものが多く、1日でしぼむ。子房上位、果実は蒴果で多数の種子を含み3裂する。 APG植物分類体系ではツユクサ目に分類されているが、新エングラー体系およびクロンキスト体系では、ユリ目に属していた。
利用
編集ホテイアオイ、ナガバミズアオイなどはスイレン鉢等での園芸用に用いられる。[3]
ミズアオイ、コナギは水田雑草として知られるが、古くは「水葱」として食用にした。古くは万葉集や大日本古文書、宇治拾遺、催馬楽にも記述があり、古代においては栽培されていた。[4]
ヘテランテラ ゾステリフォリア、 ゾステレラ デュビア、 ヒドロトリックス ガードネリー、 エイクホルニア アズレア、 エイクホルニア ディバーシフォリアなどはアクアリウムに用いられる。[3]
属
編集9属が知られてきたが、ポンテデリア属とアメリカコナギ属の2属しかないとする説もある。[5]
- Pontederia ポンテデリア属 - ナガバミズアオイ
- Eichhornia ホテイアオイ属 - ホテイアオイ エイクホルニア アズレア エイクホルニア ディバーシフォリア ポンテデリア属に含める説もある
- Monochoria ミズアオイ属 - ミズアオイ、コナギ ポンテデリア属に含める説もある
- Reussia レウスシア ロトンディフォリア ポンテデリア属に含める説もある
- Heteranthera アメリカコナギ属 - アメリカコナギ ヘテランテラ ゾステリフォリア ヒメホテイアオイ
- Eurystemon アメリカコナギ属に含める説もある
- Hydrothrix ヒドロトリックス ガードネリー アメリカコナギ属に含める説もある[6]
- Scholleropsis アメリカコナギ属に含める説もある[6]
- Zosterella ゾステレラ デュビア アメリカコナギ属に含める説もある
脚注
編集- ^ Pontederiaceae Kunth Tropicos
- ^ 『ネイチャーガイド 日本の水草』文一総合出版、2014年。
- ^ a b 『世界の水草 728種図鑑』エムピージェー、2005年、72-75頁。
- ^ 冨岡典子, 柳進, 穴沢達彦, 木根正一, 久保由香子, & 中川忠彦 (2006). “古代野菜の再生利用に関する研究 その 1 古代におけるミズアオイ (ナギ)・コナギの利用.”. 平成 18 年度日本調理科学会大会: 151.
- ^ “Pontederiaceae Kunth”. Kew garden. 2022年6月9日閲覧。
- ^ a b de Oliveira Pellegrini, Marco Octávio. (2017). “Two new synonyms in Heteranthera (Pontederiaceae, Commelinales)”. Nordic Journal of Botany 35 (1): 124-128.
外部リンク
編集- Pontederiaceae in L. Watson and M.J. Dallwitz (1992 onwards).
- oNLINE植物アルバム ミズアオイ科