モナズ石
鉱物の一種
モナズ石(モナズせき、Monazite-(Ce)、モナザイト)は、鉱物(リン酸塩鉱物)の一種。ペグマタイト、花崗岩、片麻岩、砂岩などに含まれる。通常、小さな孤立した結晶として発生する。モナズ石はしばしば砂鉱床で見つかる。インドの鉱床は特にモナズ石に富む。
モナズ石 | |
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分類 | リン酸塩鉱物 |
化学式 | CePO4 |
結晶系 | 単斜晶系 |
へき開 | 一方向に良好 |
モース硬度 | 5 |
光沢 | ガラス光沢~脂肪光沢 |
色 | 黄色~赤褐色、白色 |
条痕 | 白色~淡褐色 |
比重 | 5.1 |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
ふつうのモナズ石は、希土類元素のうちセリウムを最も多く含むので、英名は Monazite-(Ce)、化学組成は CePO4 と表す。ネオジムを最も多く含むとネオジムモナズ石(Monazite-(Nd)、(Nd,La,Ce)PO4)となる。
実際にはモナズ石は、元素組成によって少なくとも5種類が存在する。
- (セリウム)モナズ石(Monazite-(Ce)) : (Ce,La,Nd,Th)PO4
- ガドリニウムモナズ石(Monazite-(Gd)、2022年承認)[1] : GdPO4
- ランタンモナズ石(Monazite-(La)) : (La,Ce,Nd)PO4
- ネオジムモナズ石(Monazite-(Nd)) :(Nd,La,Ce)PO4
- サマリウムモナズ石(Monazite-(Sm)、2001年承認)[2] : Sm(PO4)
括弧内の元素は鉱物内の相対的含有率の順に並んでいる。ランタンはランタンモナズ石の中では最も量が多い希土類元素である。モナズ石に含まれる希土類元素はイオン半径が小さいが、イオン半径が大きいイットリウム及びイッテルビウムのリン酸塩はゼノタイムとなる。現在では、リンの他にヒ素、ケイ素を主成分としたモナズ石スーパーグループ[3]のモナズ石グループに位置付けられる。
トリウムやウランを含むことが多く、弱い放射能を持つ。トリウム鉱石としても利用される。トリウムとウランのアルファ崩壊のために、モナザイトはかなりの量のヘリウムを含んでおり、加熱するとヘリウムを抽出することができる。
モナザイトの語源は、ギリシア語の μονάζειν (孤立する)であり、結晶が孤立して存在するところから来ている。
モナズ石スーパーグループ
編集- ケララ石(Cheralite, 旧称:Brabantite) : CaTh(PO4)2(2007年再定義、改称)
- Cheralite-(Ce) : (Ce,Ca,Th)(P,Si)O4(今日ではカルシウムに富むセリウムモナズ石とされる)
- ハットン石(Huttonite) : ThSiO4
- ルーズベルト石(Rooseveltite) : BiAsO4
- セリウムガスパリ石(Gasparite-(Ce)) : (Ce,La,Nd)AsO4
- ランタンガスパリ石(Gasparite-(La)) : LaAsO4
モナズ石グループ
編集- モナズ石(Monazite-(Ce)) : CePO4
- ガドリニウムモナズ石(Monazite-(Gd)) : GdPO4
- ネオジムモナズ石(Monazite-(Nd)) : (Nd,La,Ce)PO4
- ランタンモナズ石(Monazite-(La)) : (La,Ce,Nd)PO4
- サマリウムモナズ石(Monazite-(Sm)) : SmPO4
参考文献
編集- 松原聰『フィールドベスト図鑑15 日本の鉱物』学習研究社、2003年、ISBN 4-05-402013-5。
- 松原聰・宮脇律郎『国立科学博物館叢書5 日本産鉱物型録』東海大学出版会、2006年、ISBN 978-4-486-03157-4。
- 国立天文台編『理科年表 平成19年』丸善、2006年、ISBN 4-621-07763-5。
関連項目
編集脚注
編集- ^ Monazite-(Gd), mindat.org
- ^ Monazite-(Sm), mindat.org
- ^ Monazite Supergroup, mindat.org
外部リンク
編集- Monazite(mindat.org)
- Monazite-(Ce) Mineral Data(webmineral.com)
- Monazite
- Monaziteグループ(地球資源論研究室)