井手雅人
人物
編集佐賀県佐賀市出身。豊島師範学校本科第一部卒業。戦後に小学校教員を務めたのち、1948年に新東宝に入社。長谷川伸に師事して小説を書き、『地の塩』が1953年の第30回直木賞候補になる。
1954年に新東宝を退社し、フリーの脚本家として活動。脚本家としては、単独執筆の『証人の椅子』『ダイナマイトどんどん』『鬼畜』などがキネマ旬報ベストテンなどで評価されているほか、共同脚本の一員として黒澤明監督作品『赤ひげ』『デルス・ウザーラ』『影武者』『乱』などに関わる。
1985年から1989年まで日本シナリオ作家協会常務理事を務めた[1]。
脚本作品
編集映画
編集- さすらいの航路(1951年、監督:中川信夫) - 岸松雄と共同脚本
- 暁の急襲(1951年、監督:春原政久) - 館岡謙之助と共同脚本
- 恋の蘭燈(1951年、監督:佐伯清) - 佐伯清と共同脚本
- 娘十九はまだ純情よ(1952年、監督:毛利正樹)
- サラリーマン喧嘩三代記(1952年、監督:井上梅次) - 井上梅次と共同脚本
- 新馬鹿花合戦(1953年、監督:渡辺邦男) - 松浦健郎と共同脚本
- 絵本猿飛佐助(1953年、監督:森一生)
- 憲兵(1953年、監督:野村浩将)
- 近藤勇 池田屋騒動(1953年、監督:池田菁穂)
- 人形佐七捕物帖 通り魔(1953年、監督:毛利正樹)
- 白鳥の騎士(1953年、監督:組田影造)
- 霧の第三桟橋(1953年、監督:内川清一郎)
- 沓掛時次郎(1954年、監督:佐伯清) - 菊島隆三と共同脚本
- ソ満国境2号作戦 消えた中隊(1955年、監督:三村明) - 原作担当、脚本は菊島隆三・黒澤明
- 獄門帳(1955年、監督:大曾根辰夫)
- 浅草の鬼(1955年、監督:松林宗恵) - 瀬川昌治と共同脚本
- 暴力街(1955年、監督:小林恒夫) - 瀬川昌治と共同脚本
- 君美しく(1955年、監督:中村登) - 瀬川昌治と共同脚本
- 流転(1956年、監督:大曾根辰夫)
- 無法者の島(1956年、監督:枝川弘)
- 鶴八鶴次郎(1956年、監督:大曾根辰夫)
- 顔(1957年、監督:大曾根辰夫) - 瀬川昌治と共同脚本
- 野武士と女(1957年、監督:酒井辰雄)
- 三十六人の乗客(1957年、監督:杉江敏男) - 瀬川昌治と共同脚本
- 大忠臣蔵(1957年、監督:大曾根辰夫)
- 一本刀土俵入(1957年、監督:マキノ雅弘)
- 直八子供旅(1958年、監督:佐々木康)
- 太閤記(1958年、監督:大曾根辰夫)
- 消された刑事(1958年、監督:村山三男) - 原作担当、脚本は下飯坂菊馬
- 点と線(1958年、監督:小林恒夫)
- 埠頭の縄張り(1959年、監督:佐伯清)
- 総会屋錦城 勝負師とその娘(1959年、監督:島耕二)
- 非情都市(1960年、監督:鈴木英夫)
- 暁の翼(1960年、監督:富本壮吉) - 下飯坂菊馬と共同脚本
- 酒と女と槍(1960年、監督:内田吐夢)
- 拳銃野郎に御用心(1960年、監督:瀬川昌治)
- 妻は告白する(1961年、監督:増村保造)
- B・G物語 二十才の設計(1961年、監督:丸山誠治) - 田波靖男と共同脚本
- 野盗風の中を走る(1961年、監督:稲垣浩) - 稲垣浩と共同脚本
- 乾杯!ごきげん野郎(1961年、監督:瀬川昌治)
- 男の歌(1962年、監督:高橋治) - 大河寿雄と共同脚本
- どぶろくの辰(1962年、監督:稲垣浩) - 八住利雄と共同脚本
- 花と竜(1962年、監督:舛田利雄)
- 人斬り市場(1963年、監督:西山正輝)
- 独立機関銃隊未だ射撃中(1963年、監督:谷口千吉)
- 無茶な奴(1964年、監督:島耕二)
- がらくた(1964年、監督:稲垣浩) - 三村伸太郎・稲垣浩と共同脚本
- 五瓣の椿(1964年、監督:野村芳太郎)
- 赤ひげ(1965年、監督:黒澤明) - 小国英雄・菊島隆三・黒澤明と共同脚本
- 証人の椅子(1965年、監督:山本薩夫)
- 望郷と掟(1966年、監督:野村芳太郎)
- 暴れ豪右衛門(1966年、監督:稲垣浩) - 稲垣浩と共同脚本
- 女たちの庭(1967年、監督:野村芳太郎) - 永井素夫と共同脚本
- 喜劇 競馬必勝法(1967年、監督:瀬川昌治) - 瀬川昌治と共同脚本
- 黒部の太陽(1968年、監督:熊井啓) - 熊井啓と共同脚本
- 第50回全国高校野球選手権大会 青春(1968年、監督:市川崑) - 白坂依志夫・伊藤清・谷川俊太郎と共同脚本
- 片足のエース(1971年、監督:池広一夫)
- 喜劇 頑張らなくっちゃ!(1971年、監督:瀬川昌治) - 下飯坂菊馬と共同脚本、原作も担当
- デルス・ウザーラ(1975年、監督:黒澤明) - 黒澤明、ユーリー・ナギービンと共同脚本 ※ノンクレジット
- アサンテ サーナ(1975年、監督:谷口千吉)
- アラスカ物語(1977年、監督:堀川弘通)
- 鬼畜(1978年、監督:野村芳太郎)
- ダイナマイトどんどん(1978年、監督:岡本喜八)
- 影武者(1980年、監督:黒澤明) - 黒澤明と共同脚本
- わるいやつら(1980年、監督:野村芳太郎)
- 震える舌(1980年、監督:野村芳太郎)
- 海峡(1982年、監督:森谷司郎) - 森谷司郎と共同脚本
- きつね(1983年、監督:仲倉重郎)
- 乱(1985年、監督:黒澤明) - 黒澤明・小國英雄と共同脚本
- 白い野望(1986年、監督:出目昌伸)
- 次郎物語(1987年、監督:森川時久)
- 女殺油地獄(1992年、監督:五社英雄)
テレビドラマ
編集- ダイヤル110番 第282話 (1963年2月10日、日本テレビ)
- 田舎医者(1965年、日本テレビ)
- 渥美清の泣いてたまるか 第13話(1966年、TBS)
- われら弁護士 第6話(1968年、日本テレビ)
- 検事霧島三郎(1969年、日本テレビ)
- 鬼平犯科帳(NET)
- 第1シリーズ 第3・6・8・11・27・30・32・48話(1969年-1970年)
- 第2シリーズ 第13・26話(1971年-1972年)
- 大いなる旅路(1972年、日本テレビ)
- 剣客商売 第6・14・15・17・22話(1973年、フジテレビ)
- おしどり右京捕物車 第7話(1974年、テレビ朝日)
- 子連れ狼(日本テレビ)
- 第二部 第3・5・6話(1974年)
- 第三部 第2話(1976年)
- 鬼平犯科帳 第4・7・10・16・20・21話(1975年、NET)
- 鬼平犯科帳(テレビ朝日)
- 第1シリーズ 第1・5・8・9・10・19話(1980年)
- 第2シリーズ 第2・9話(1981年)
- * 第3シリーズ 第4・17・19話(1982年)
- 妻は告白する(1983年)
著書
編集- 井出雅人『人とシナリオ』(1991年、シナリオ作家協会)
脚注
編集外部リンク
編集- 井手雅人 - allcinema
- 井手雅人 - 日本映画データベース
- Masato Ide - IMDb