伝香寺
奈良市の仏教寺院
伝香寺(でんこうじ)は、奈良県奈良市にある律宗の寺院。山号はなし。本尊は釈迦如来。花びらが一枚ずつ散ってゆく「散り椿」は、東大寺開山堂の「糊こぼし」・白毫寺の「五色椿」と並び「奈良三名椿」に数えられる。
伝香寺 | |
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所在地 | 奈良県奈良市小川町24 |
位置 | 北緯34度40分50.2秒 東経135度49分32.7秒 / 北緯34.680611度 東経135.825750度座標: 北緯34度40分50.2秒 東経135度49分32.7秒 / 北緯34.680611度 東経135.825750度 |
山号 | なし |
宗派 | 律宗 |
本尊 | 釈迦如来 |
創建年 | 伝・宝亀2年(771年) |
開山 | 伝・思託 |
中興年 | 天正13年(1585年) |
中興 | 芳秀宗英尼 |
札所等 |
大和北部八十八ヶ所霊場第10番 大和地蔵十福霊場第1番 |
文化財 | 本堂、木造地蔵菩薩立像(重要文化財) |
法人番号 | 1150005000293 |
歴史
編集伝承によれば、鑑真和上の弟子である思託(したく)律師により宝亀2年(771年)に開創され、当初の寺号を実円寺と称したという。
天正13年(1585年)に戦国武将の筒井順慶の母・芳秀宗英尼が順慶の菩提を弔うために正親町天皇の勅許を得、唐招提寺の泉奘長老を招いて伝香寺と名を改めて寺を再興し、以後筒井氏の菩提寺となった。現存する本堂はその時のものである[1][2]。
境内
編集文化財
編集重要文化財
編集- 本堂
- 木造地蔵菩薩立像・像内納入品
- (以下、像内納入品明細)
- 木造薬師如来坐像 1躯、種子「ア」 1紙、碧瑠璃舎利壺 1口、絹編袋 1口(以上頭部内)
- 紙本墨書般若心経 1紙、宋版細字法華経(一部七巻) 1帖、紙本墨書解深密経 1巻、紙本墨書願文 3通、紙本墨書結縁交名 1通(以上腹部内)
- 木造十一面観音立像 1躯(以上左腿部内) - 鎌倉時代に一部に流行した裸形着装像で、別名・はだか地蔵尊とも呼ばれる。裸形の木像の上に、普段は布製の法衣が着せられている。像内納入品のガラス瓶、小仏像等も一括して重要文化財に指定されている。納入品の願文の年紀から安貞2年(1228年)の作と判明し、仏師は善円と推定される[3]。春日四所明神の本地仏である。
奈良県指定有形文化財
編集奈良市指定有形文化財
編集伝香寺旧蔵の文化財
編集前後の札所
編集- 大和北部八十八ヶ所霊場
- 9 元興寺極楽坊 - 10 伝香寺 - 11 圓證寺
- 大和地蔵十福霊場
- 1 伝香寺 - 2 元興寺極楽坊
アクセス
編集脚注
編集- ^ 『日本名刹大事典』、p.632
- ^ 伝香寺の歴史(学校法人伝香寺学園サイト)
- ^ (倉田、1973)、pp.42 - 43, 83 - 84, 110
- ^ 平成22年度文化庁購入文化財一一覧(「購入文化財の概要」を参照)
参考文献
編集- 『日本歴史地名大系 京都市の地名』平凡社、1979年
- 圭室文雄『日本名刹大事典』雄山閣、1992年
- 倉田文作「像内納入品」『日本の美術』86、1973年