佐々木高明
日本の民族学者
佐々木 高明(ささき こうめい、1929年11月17日 - 2013年4月4日)は、日本の民族学者。国立民族学博物館名誉教授・元館長。総合研究大学院大学名誉教授。前財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構理事長。文学博士(京都大学、1970年)。大阪府生まれ。照葉樹林文化論の主要な提唱者の一人。
略歴
編集開業医の家に生まれる。
- 1952年、京都大学の図書館で働きながら立命館大学文学部地理学科(夜間)卒業。
- 1959年
- 3月 京都大学大学院文学研究科地理学専攻博士課程単位取得満期退学
- 4月 京都大学教養部助手
- 1962年4月 立命館大学文学部講師
- 1965年4月 立命館大学文学部助教授
- 1970年7月 京都大学より文学博士。論文の題は「焼畑農業の比較地理学的研究」[1]。
- 1971年4月 奈良女子大学文学部助教授
- 1972年5月 奈良女子大学文学部教授
- 1973年4月 国立民族学博物館創設準備室次長
- 1974年6月 国立民族学博物館教授
- 1989年4月 総合研究大学院大学教授併任
- 1991年4月 国立民族学博物館副館長
- 1993年4月 国立民族学博物館館長
- 1997年
- 3月 国立民族学博物館退官
- 4月 国立民族学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構理事長
- 2003年3月 財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構理事長退任
- 2013年4月4日 急性骨髄性白血病のため死去[2]。83歳没。
叙勲歴
編集受賞歴
編集著書
編集- 『インド高原の未開人 パーリア族調査の記録』古今書院 1968
- 『熱帯の焼畑 その文化地理学的比較研究』古今書院 1970
- 『稲作以前』 日本放送出版協会 1971(NHKブックス)のち洋泉社歴史新書y『増補新版稲作以前 教科書がふれなかった日本の農耕文化の起源』へ改題
- 『日本の焼畑 その地域的比較研究』古今書院 1972
- 『照葉樹林文化の道 ブータン・雲南から日本へ』日本放送出版協会 1982(NHKブックス)
- 『縄文文化と日本人 日本基層文化の形成と継承』小学館 1986 のち講談社学術文庫
- 『東・南アジア農耕論 焼畑と稲作』弘文堂 1989
- 『日本の歴史 1 日本史誕生』集英社 1991
- 『日本文化の基層を探る:ナラ林文化と照葉樹林文化』(「北からの文化:ナラ林文化とその特色」)日本放送出版協会 1993(NHKブックス)(今和次郎賞受賞)
- 『日本文化の多重構造−アジア的視野から日本文化を再考する』小学館、1997(第13回NIRA政策研究・東畑記念賞受賞)
- 『地域と農耕と文化:その空間像の探求』大明堂 1998
- 『照葉樹林帯の食文化 日本文化のルーツを探る』作陽学園出版部 れんが書房新社 1999
- 『多文化の時代を生きる 日本文化の可能性』小学館 2000
- 『南からの日本文化』日本放送出版協会 2003(NHKブックス)
- 『山の神と日本人 山の神の信仰から探る日本の基層文化』洋泉社 2006
- 『照葉樹林文化とは何か 東アジアの森が生み出した文明』中公新書 2007
- 『歴史探求講座 日本人のルーツを探る 第3分冊 風土が証すもの』(「アイヌ民族の歴史と文化:その特色と文化振興への道」)
- 『日本文化の多様性 稲作以前を再考する』小学館 2009
- 『日本文化の源流を探る』海青社 2013(遺稿集)
共編著
編集- 『南島の古代文化』国分直一共編 毎日新聞社 1973
- 『続照葉樹林文化(東アジア文化の源流)』上山春平、中尾佐助共著 中公新書 1976
- 『日本農耕文化の源流』日本放送出版協会 1983(日本文化の原像を求めて)
- 『雲南の照葉樹のもとで 国立民族学博物館中国西南部少数民族文化学術調査団報告』日本放送出版協会 1984
- 『生と死の人類学』石川栄吉、岩田慶治共編 講談社 1985
- 『畑作文化の誕生 縄文農耕論へのアプローチ』松山利夫共編 日本放送出版協会 1988
- 『日本文化の源流 北からの道・南からの道』大林太良共編 小学館 1991
- 『照葉樹林文化と日本』中尾佐助共編 くもん出版 1992 (フィールド・ワークの記録)
- 『日本文化の起源 民族学と遺伝学の対話』森島啓子共編 講談社 1993
- 『農耕の技術と文化』集英社 1993
- 『月刊文化財』(「アイヌ文化と沖縄文化:日本文化との比較の視座から」)
- 『アイヌ文化を伝承する 萱野茂アイヌ文化講座2』(萱野茂他共著)
脚注
編集- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ 「照葉樹林文化論」縄文研究の佐々木高明氏死去 読売新聞 - ウェイバックマシン(2013年4月12日アーカイブ分)
- ^ “第11回~第20回南方熊楠賞受賞者”. 南方熊楠顕彰館. 2022年8月16日閲覧。