前沢牛
岩手県奥州市のブランド牛肉
前沢牛(まえさわぎゅう)は、岩手県奥州市前沢(旧胆沢郡前沢町)で肥育された黒毛和種の和牛が、一定の規格を満たした場合に呼称を許されるブランド牛肉であり、岩手ふるさと農業協同組合(JA岩手ふるさと)の登録商標である。
三大和牛の一つとされる。
定義
編集- 生産者
- 生産者は、岩手県奥州市前沢に住所を有する者、または、同地区に所在地のある法人に限る(これを「生産者」とする)。
- 品種
- 牛が黒毛和種であること。
- 子牛
- 牛の出生地が確認できること。全国和牛登録協会発行の子牛登記証、または、これに準ずる証明書等が必要。
- 肥育期間
- 「生産者」が1年以上飼養すること。
- 肥育地
- 出生から屠畜までの期間内において、前沢区内の飼養期間が最長であり、かつ最終飼養地であること。
- トレーサビリティ
- 「牛肉トレーサビリティ法」を遵守し、牛の情報を記録し、いつでも確認できる状況にしておくこと。
- 流通
- 岩手ふるさと農業協同組合を経由して販売すること。
以上のような定義を満たした牛から採られた枝肉が、以下のような格付けを満たすと「前沢牛」との呼称が許される。
歩留等級 | ||||
---|---|---|---|---|
A | B | C | ||
肉 質 等 級 |
5 | 前沢牛 | ||
4 | ||||
3 | ||||
2 | ||||
1 |
歴史
編集岩手県では古くから牛の飼育が盛んであったが、主に農業の労働力を補う家畜という要素が強く、生産規模も零細農家が多かった。しかし、1970年代から徐々に肉牛としての生産が活発化し、1980年代には全国肉用牛枝肉共励会にて名誉賞を獲得した。
系統
編集- 種雄牛に「菊谷」「恒徳」といった但馬牛を用いる。
脚注
編集