大月駅
大月駅(おおつきえき)は、山梨県大月市大月一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・富士山麓電気鉄道の駅である[1]。
大月駅 | |
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JR駅舎(2024年10月) | |
おおつき Ōtsuki | |
所在地 | 山梨県大月市大月一丁目1-1 |
所属事業者 |
JR東日本の中央本線と、富士山麓電気鉄道の富士急行線(大月線)が乗り入れており、富士急行線は当駅を起点としている。また、両路線を直通する列車はJRのホームに発着する。駅番号はJR東日本がJC 32、富士山麓電気鉄道がFJ01。
歴史
編集- 1902年(明治35年)10月1日:官設鉄道中央本線 鳥沢 - 当駅間開通と同時に開業[2][3]。旅客および貨物の取り扱いを開始[3]。
- 1903年(明治36年)1月17日:駅前に富士馬車鉄道(後の富士電気軌道)が乗り入れ。
- 1928年(昭和3年)1月1日:富士電気軌道が大月 - 富士吉田間を富士山麓電気鉄道(現・富士急行)に譲渡。
- 1929年(昭和4年)6月19日:富士山麓電気鉄道当駅 - 富士吉田間開通。旧・富士電気軌道の当駅 - 富士吉田間廃止。
- 1984年(昭和59年)2月1日:国鉄の貨物取り扱いを廃止[3]。
- 1986年(昭和61年)
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、中央本線は東日本旅客鉄道(JR東日本)の所属となる[3][5]。
- 1990年(平成2年)3月10日:中央線快速電車の一部列車が当駅から富士急行線に乗り入れ開始。
- 1997年(平成9年)
- 1999年(平成11年)4月8日:天皇・皇后およびルクセンブルク大公の山梨県訪問に伴う1号御料車編成のお召し列車が、当駅から原宿駅間に運転される。EF58 61牽引[7]。
- 2001年(平成13年)11月18日:JR東日本でICカード「Suica」の利用が可能となる。
- 2002年(平成14年)10月1日:開業100周年。大月駅・猿橋駅開業100周年イベント開催。立川・大月間に展望形電車「四季彩」を使用した「快速大月駅開業100周年号」を運転。
- 2012年(平成24年)6月15日:大月駅周辺整備事業による大月駅前広場が供用開始。
- 2015年(平成27年)
- 2020年(令和2年)3月31日:JR東日本⇔富士急行の乗換改札口に自動改札機を導入[10]。
- 2022年(令和4年)4月1日:富士急行の鉄道事業分割に伴い、富士急行線は富士山麓電気鉄道の所属となる[11]。
駅構造
編集JR東日本
編集JR 大月駅 | |
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改札口(2022年2月) | |
おおつき Ōtsuki | |
◄JC 31 猿橋 (2.5 km) (6.1 km) 初狩 CO 33► | |
所在地 | 山梨県大月市大月一丁目1-1 |
駅番号 | JC32 |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | ■■中央本線 |
キロ程 |
77.5 km(新宿起点) 東京から87.8 km |
電報略号 | オキ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線[1] |
乗車人員 -統計年度- |
5,155人/日(降車客含まず) -2023年- |
開業年月日 | 1902年(明治35年)10月1日 |
備考 |
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合わせて2面3線のホームを有する地上駅。互いのホームは跨線橋(エレベーター併設)で連絡している。駅舎は丸太造りの平屋建て、山小屋風の建築物で1928年(昭和3年)11月に完成したものである。関東の駅百選に選ばれている。一部の特急「あずさ」が停車するため、ホームの有効長は12両編成分ある。
直営駅(駅長配置)であり、管理駅として上野原駅 - 笹子駅間の各駅を管理している。また、大月営業統括センター所在駅であり、上野原駅 - 山梨市駅を統括している。駅舎内にはみどりの窓口・自動券売機(指定席券売機も含む)・自動改札機が設置されている。なお、2008年(平成20年)7月19日に4番線・5番線ホームの階段を東京側に降りたところに新しく自由席特急券売機が設置された。しかし現在は、中央線特急列車が全車指定席になったことに伴い、指定席券売機が設置されている。
東京駅からの快速電車は、JR線内としては当駅が運行の終端となり朝夕を中心に運行されているが、2024年(令和6年)3月ダイヤ改正では当駅終着・始発の快速電車が日中の時間帯に増発された。また、朝晩の一部には当駅で前4両を切り離し、富士急行線河口湖駅まで直通するものもあり、後ろ6両(12両編成の電車は8両)は当駅止まりで折り返し高尾行きの列車となる。JR - 富士急行線直通列車は、JR線ホームを発着する。富士急行線連絡改札口が存在し、自動改札機が設置されている。ただし、富士急行線連絡口ではJR線の乗越精算はできない。
JR中央線は、2020年代前半(2021年度以降の向こう5年以内)をめどに東京駅 - 当駅間のオレンジ帯で運行する列車に、2階建てグリーン車を2両連結させ12両での運転を行う。既に当駅のJRホームは12両編成の停車に対応しているため、今後はグリーン車Suicaシステム対応の券売機設置や信号設備などの各種改良工事が実施される[12][13]。2024年10月13日より快速電車における12両編成の運転が開始された[14]。
発車メロディは、3番線が「twilight」、4・5番線が「mellow time」であり、いずれも櫻井音楽工房である。
のりば
編集番線 | 事業者 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
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3 | JR東日本 | 中央本線 | 下り | 甲府・小淵沢・松本方面 | 一部列車は4番線 |
4 | 富士山麓電気鉄道 | ■富士急行線 | - | 富士山・富士急ハイランド・河口湖方面 (JR中央本線新宿方面からの直通) |
一部列車は3番線 |
JR東日本 | 中央本線 | 上り | 高尾・八王子・立川・新宿方面 | 一部列車は3番線 | |
5 | 一部列車は3・4番線 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 夜間滞泊が設定されている。
富士山麓電気鉄道
編集富士山麓電気鉄道 大月駅 | |
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出入口(2016年5月) | |
おおつき Otsuki | |
(0.6 km) 上大月 FJ02► | |
所在地 | 山梨県大月市大月一丁目1-1 |
駅番号 | FJ01 |
所属事業者 | 富士山麓電気鉄道 |
所属路線 | ■富士急行線(正式には大月線)[* 1] |
キロ程 | 0.0 km(大月起点) |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面2線 |
乗降人員 -統計年度- |
2,826[注 1]人/日 -2022年- |
開業年月日 | 1903年(明治36年)1月17日 |
備考 |
|
JRの単式ホームの西側から延びる島式ホーム1面2線を有する地上駅。自動券売機も設けられている。このホームは「人」の字のような形である。JR線との間の空地はかつて貨物列車用の側線があった場所で、現在は駐車場として利用されている。駅舎はJRの単式ホームから富士急行線ホームが分かれる付け根に設けられており、JRとの連絡改札口があり、それに付随して自動券売機も設置されている。連絡改札口の窓口は、特急などの予約済み整理券引き換え窓口を兼ねており、土休日午前中などはJR改札内から行列ができることもある。
富士急行線でICカードを導入していなかった当時は、連絡改札口にJR入出場用の簡易Suica改札機があるのみであったが、Suica導入後は富士急行線の入出場に対応した簡易Suica改札機に更新されたのち、2020年3月31日より自動改札機に置き換えられた[10]。単独の駅出入口にはSuica導入以来、簡易Suica改札機を設置している。
のりば
編集番線 | 事業者 | 路線 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 富士山麓電気鉄道 | ■富士急行線 | 富士山・富士急ハイランド・河口湖方面 | 中央本線からの直通列車は4番線 |
2 |
大月駅周辺整備事業
編集駅舎の改築を含めた周辺整備事業が2007年度(平成19年度)より開始された。以前から整備構想は持ち上がっていたが、市の財政難などにより頓挫していた。今回は国のまちづくり交付金を得て事業が行われた。橋上駅舎化、南北自由通路の設置、北口の新設、南口の拡張などが行われる予定であったが、財政上の観点から市全体の事業の優先順位が見直された結果、南北自由通路や橋上駅舎などの事業が一時凍結、最終的に執行が停止された。南口駅前広場の整備については、山梨県が同時に実施している県道大月停車場線拡幅事業と一体的に整備が進み、2012年6月15日に大月駅前広場が供用を開始、同年8月4日に竣工式が行われた[15]。
利用状況
編集JR東日本
編集2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は5,155人である[JR 1]。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
乗車人員推移 | ||
---|---|---|
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
2000年(平成12年) | 5,825 | [JR 2] |
2001年(平成13年) | 5,744 | [JR 3] |
2002年(平成14年) | 5,731 | [JR 4] |
2003年(平成15年) | 5,520 | [JR 5] |
2004年(平成16年) | 5,472 | [JR 6] |
2005年(平成17年) | 5,378 | [JR 7] |
2006年(平成18年) | 5,420 | [JR 8] |
2007年(平成19年) | 5,385 | [JR 9] |
2008年(平成20年) | 5,352 | [JR 10] |
2009年(平成21年) | 5,193 | [JR 11] |
2010年(平成22年) | 5,241 | [JR 12] |
2011年(平成23年) | 5,153 | [JR 13] |
2012年(平成24年) | 5,418 | [JR 14] |
2013年(平成25年) | 5,478 | [JR 15] |
2014年(平成26年) | 5,409 | [JR 16] |
2015年(平成27年) | 5,528 | [JR 17] |
2016年(平成28年) | 5,417 | [JR 18] |
2017年(平成29年) | 5,377 | [JR 19] |
2018年(平成30年) | 5,371 | [JR 20] |
2019年(令和元年) | 5,158 | [JR 21] |
2020年(令和 | 2年)2,796 | [JR 22] |
2021年(令和 | 3年)3,379 | [JR 23] |
2022年(令和 | 4年)4,130 | [JR 24] |
2023年(令和 | 5年)5,155 | [JR 1] |
富士山麓電気鉄道
編集2022年度(令和4年度)の1日平均乗降人員は2,826人である[富士急行 1][注 1](ICカード利用による人員を含まない)。
2004年度(平成16年度)以降の推移は以下のとおりである。いずれも、当該年度の日数で除した値を記載する。なお、2015年(平成27年)3月の富士急行のICカード導入以降、同社の人員にはICカード利用者を含まない。
乗降人員推移[注 1] | ||
---|---|---|
年度 | 1日平均 乗降人員 |
出典 |
2004年(平成16年) | 2,542 | [富士急行 2] |
2005年(平成17年) | 2,583 | |
2006年(平成18年) | 2,769 | |
2007年(平成19年) | 2,884 | |
2008年(平成20年) | 2,929 | |
2009年(平成21年) | 2,929 | [富士急行 3] |
2010年(平成22年) | 2,774 | |
2011年(平成23年) | 2,775 | |
2012年(平成24年) | 3,763 | |
2013年(平成25年) | 4,091 | |
2014年(平成26年) | 4,185 | |
2015年(平成27年) | 3,467 | |
2016年(平成28年) | 3,417 | [富士急行 4] |
2017年(平成29年) | 3,268 | [富士急行 5] |
2018年(平成30年) | 3,262 | [富士急行 6] |
2019年(令和元年) | 3,134 | [富士急行 1] |
2020年(令和 | 2年)1,745 | |
2021年(令和 | 3年)2,144 | |
2022年(令和 4年) | 2,826 |
駅周辺
編集バス路線
編集駅前広場にある「大月駅」停留所より、富士急バス大月営業所が運行する路線バスが発着している。路線バスののりばは西方面と東方面に向かうバスで分けられている。この他に路線バスの降車用バス停や送迎バスの乗降場もある[15]。
のりば | 運行事業者 | 路線・行先 | 備考 |
---|---|---|---|
2 | 富士急バス |
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4 |
|
|
その他
編集隣の駅
編集脚注
編集記事本文
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c 『週刊 JR全駅・全車両基地』 46号 甲府駅・奥多摩駅・勝沼ぶどう郷駅ほか79駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年7月7日、20頁。
- ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、22頁
- ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、180-181頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、156頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ a b 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、27頁
- ^ a b c (監修)「鉄道の日」関東実行委員会『駅の旅物語 関東の駅百選』(初版)人文社、2000年10月14日、214-215,226頁。ISBN 4795912807。
- ^ 交友社『鉄道ファン』2007年1月号より。
- ^ 『富士急行線「Suica」サービスの開始について 〜平成27年3月14日(土)より、首都圏から富士山エリアへ、1枚のICカードでお越しいただけます。〜』(PDF)(プレスリリース)富士急行、2014年12月19日。オリジナルの2017年10月27日時点におけるアーカイブ 。2020年3月31日閲覧。
- ^ 『中央線大月駅のバリアフリー化工事が完成しました』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道八王子支社、2015年3月10日。オリジナルの2020年5月21日時点におけるアーカイブ 。2020年5月21日閲覧。
- ^ a b 『富士急行線大月駅 JR線連絡改札口に自動改札機を導入します』(PDF)(プレスリリース)富士急行、2020年3月30日。オリジナルの2020年7月1日時点におけるアーカイブ 。2020年3月31日閲覧。
- ^ 『会社分割による鉄道事業の分社化に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)富士急行、2021年4月28日。オリジナルの2021年4月29日時点におけるアーカイブ 。2021年4月29日閲覧。
- ^ 『中央快速線等へのグリーン車サービスの導入について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2015年2月4日。オリジナルの2019年9月24日時点におけるアーカイブ 。2020年11月29日閲覧。
- ^ “JR東日本、中央線のグリーン車計画を延期”. 産経新聞. (2017年3月24日). オリジナルの2017年3月24日時点におけるアーカイブ。 2020年11月29日閲覧。
- ^ 中央線快速・青梅線でグリーン車サービスを開始します ~快適な移動空間の提供を通じ、輸送サービスの質的変革を目指します~ 2024年9月10日 JR東日本
- ^ a b 大月市 大月駅周辺整備事業
利用状況
編集JR東日本
編集- ^ a b 各駅の乗車人員(2023年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2000年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2001年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2002年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2003年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2004年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2005年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2006年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2007年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2008年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2009年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2010年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2011年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2012年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2013年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2014年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2015年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2016年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2017年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2018年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2019年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2020年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2021年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2022年度) - JR東日本
富士山麓電気鉄道
編集- ^ a b “大月市統計書 令和3年版” (PDF). 大月市. p. 68 (2023年3月). 2023年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月28日閲覧。
- ^ “大月市統計書 平成21年版” (PDF). 大月市. p. 75 (2010年4月). 2019年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月21日閲覧。
- ^ “大月市統計書 平成26年版” (PDF). 大月市. p. 75 (2016年3月). 2019年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月21日閲覧。
- ^ “大月市統計書 平成29年版” (PDF). 大月市. p. 74 (2019年3月). 2019年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月21日閲覧。
- ^ “大月市統計書 平成30年版” (PDF). 大月市. p. 77 (2021年3月). 2021年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月24日閲覧。
- ^ “大月市統計書 令和元年版” (PDF). 大月市. p. 77 (2021年3月). 2021年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月24日閲覧。
参考文献
編集関連項目
編集外部リンク
編集- 駅の情報(大月駅):JR東日本
- 富士山麓電気鉄道 大月駅
- 大月駅前広場「供用開始」のご案内 (PDF)