小塚昌彦
小塚 昌彦(こづか まさひこ、1929年 - )は日本のタイプデザインディレクター、書体設計家。東京都出身。毎日新聞書体の改刻に従事し、小塚明朝・小塚ゴシックの制作を指揮した。戦後日本の活字書体の形態、電胎活字、ベントン活字、写真植字、デジタルフォントのすべてについて関わってきた経験を有する。
略歴
編集1929年、東京に生まれる。太平洋戦争中は学徒動員により機械工員として働く。戦後に帰京。
1947年、毎日新聞社に入社。金属活字の鋳造を担当し、その後ベントン母型彫刻機用の原図制作でチーフを務めるなど、主に手書きによる活字書体の開発に携わる。1970年以降、毎日新聞CTS導入後はデジタルフォントの設計開発を担当する。1979年 愛知県立芸術大学の非常勤講師に就任(1997年まで)。1984年に毎日新聞社を定年退職する。
1985年、モリサワのタイプデザインディレクターに就任し、リュウミンや新ゴなど、主要書体の開発に従事する。
1992年、アドビ システムズ(現アドビ)の日本語タイプディレクターに就任、日本語デジタルフォントの開発に従事。1997年に小塚明朝、2001年に小塚ゴシックを発表。2001年12月、アドビとの契約が終了。
2003年、蝋型電胎法の再現を試みる「本木昌造・活字復元プロジェクト」に参加。印刷博物館 開館三周年記念企画展「活字文明開化——本木昌造が開いた未来」図録(凸版印刷株式会社 印刷博物館、2003年)84ページ「諏訪神社収蔵種字による活字母型制作の技術再現プロジェクト」を執筆。
制作に携わった書体
編集著書
編集- 『ぼくのつくった書体の話 : 活字と写植、そして小塚書体のデザイン』(2013年12月、グラフィック社)ISBN 978-4766125627
論文
編集参考資料
編集- 下川正晴「ひと 小塚昌彦さん 活字書体作り半世紀、「小塚明朝」を創作」 『毎日新聞』2002年2月17日東京朝刊、2面、2ページ
- 「毎日新聞の文字が大きくなります(その2) 大きな文字、目にやさしく」 『毎日新聞』2007年10月12日東京朝刊、特集面、16ページ
- 雪朱里『文字をつくる 9人の書体デザイナー』(誠文堂新光社、2010年6月) ISBN 4416810385(著者がインタビューした書体デザイナーの1人として登場)
外部リンク
編集- もじマガ 文字の巨人 書体設計家 小塚昌彦さん - 字游工房
- 佐藤敬之輔賞 - NPO法人 日本タイポグラフィ協会 - 第6回個人受賞(2007年3月1日発表)
- Adobe の各製品にバンドルされている小塚フォントの一覧 -Macintosh, Windows- - PDFファイル。2014年3月24日閲覧
- 小塚昌彦 × 鈴木 功 × 西塚涼子 タイプデザイナー・トーク 「ぼくたちのつくった書体の話」 - 青山ブックセンター。2014年3月24日閲覧