平成5年台風第13号
平成5年台風第13号(へいせい5ねんたいふうだい13ごう、国際名:ヤンシー/Yancy)は、1993年(平成5年)9月3日に鹿児島県薩摩半島南部に上陸し、強風・大雨による大きな被害を出した台風である。日本に過去上陸した台風の中では、第2室戸台風、伊勢湾台風に次いで統計開始以降3番目に上陸時の中心気圧が低かった。
台風第13号(Yancy、ヤンシー) | |
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カテゴリー4の スーパー・タイフーン (SSHWS) | |
台風第13号 | |
発生期間 |
1993年8月30日 9:00 ~9月4日 21:00 |
寿命 | 5日12時間 |
最低気圧 | 925 hPa |
最大風速 (日気象庁解析) | 50 m/s (95 knot) |
最大風速 (米海軍解析) | 130 knot |
被害総額 | 1,755億円 |
死傷者数 | 死者・行方不明者48名、負傷者396名[1] |
被害地域 | 日本 |
プロジェクト : 気象と気候/災害 |
概要
編集8月31日に沖ノ鳥島近海(北緯20.2度・東経134.2度)で発生した台風13号は西寄りに進みながら発達し、9月1日には進路を北寄りに変え、9月2日には中心気圧925hPa、最大風速50m/sの大型で非常に強い勢力となって北上を続けた。その後13号は沖縄の久米島付近を通過し、最低海面気圧928.1 hPaが記録され、ニュースなどでは「戦後最大級」と報道される。また久米島では、最大瞬間風速53.9m/s、最大風速36.5m/sを観測したが、その瞬間に風速計が破壊され、非公式にはさらに強い風が観測されている。台風は勢力を保ちつつ九州に接近し、翌3日16時前に中心気圧930 hPa、最大風速50m/sという記録的な勢力で薩摩半島南部に上陸した。この勢力は、1959年に日本の台風史上最悪の被害を出した伊勢湾台風(929 hPa)に近く、1951年の統計開始以降では、上陸時の中心気圧が3番目に低い台風となっている。ただし、風速25m以上の暴風域は、伊勢湾台風に比べるとかなり小さかった。台風の進路がやや東に寄ったため九州の大部分は可航半円に入り、台風の勢力程は強い風は吹かなかったが、それでも最大瞬間風速50m/s以上を観測している。また、台風の上陸地点に近かった鹿児島県枕崎市では939.7hPaの最低海面気圧を観測した。13号は、上陸後は急速に勢力を弱めながら、四国・中国地方を通って愛媛県八幡浜市付近、広島県福山市付近にそれぞれ上陸した後に日本海へ抜け、4日21時に温帯低気圧に変わった[1]。
順位 | 名称 | 国際名 | 中心気圧(hPa) | 上陸日時 | 上陸地点 |
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1 | 第2室戸台風 (昭和36年台風第18号) |
Nancy | 925 | 1961年(昭和36年)9月16日 9時 | 室戸岬西方 |
2 | 伊勢湾台風 (昭和34年台風第15号) |
Vera | 929 | 1959年(昭和34年)9月26日 18時 | 潮岬西方 |
3 | 平成5年台風第13号 | Yancy | 930 | 1993年(平成5年)9月3日 16時 | 薩摩半島南部 |
4 | ルース台風 (昭和26年台風第15号) |
Ruth | 935 | 1951年(昭和26年)10月14日 19時 | 串木野市付近 |
5 | 令和4年台風第14号 | Nanmadol | 940 | 2022年(令和4年)9月18日 19時 | 鹿児島市付近 |
平成3年台風第19号 | Mireille | 1991年(平成3年)9月27日 16時 | 佐世保市南 | ||
昭和46年台風第23号 | Trix | 1971年(昭和46年)8月29日 23時 | 佐多岬 | ||
昭和40年台風第23号 | Shirley | 1965年(昭和40年)9月10日 8時 | 安芸市付近 | ||
昭和40年台風第15号 | Jean | 1965年(昭和40年)8月6日 4時 | 牛深市付近 | ||
昭和39年台風第20号 | Wilda | 1964年(昭和39年)9月24日 17時 | 佐多岬 | ||
昭和30年台風第22号 | Louise | 1955年(昭和30年)9月29日 22時 | 薩摩半島 | ||
昭和29年台風第5号 | Grace | 1954年(昭和29年)8月18日 2時 | 鹿児島県西部 | ||
(参考) | 室戸台風 | 911.6 | 1934年(昭和9年)9月21日 | 室戸岬西方 | |
枕崎台風 (昭和20年台風第16号) |
Ida | 916.3 | 1945年(昭和20年)9月17日 | 枕崎町付近 |
被害
編集鹿児島県では被害が特に大きく、集中豪雨により地盤が弱っているところに台風の大雨が降り、先の8月1日・8月6日の豪雨と合わせて、犠牲者71名、全壊437棟、半壊208棟の被害を受けた。また道路・鉄道の主要な交通網が土石流の発生により寸断した。
記録
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g h “平成5年 台風第13号”. 気象庁. 2018年7月12日閲覧。
- ^ “デジタル台風:台風被害リスト”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年5月21日閲覧。
- ^ a b c “最低海面気圧、最大風速、最大瞬間風速観測表(平成5年9月1日~9月5日)”. 気象庁. 2018年7月12日閲覧。