慶全線

韓国鉄道公社の鉄道路線

慶全本線(キョンジョンほんせん)は、大韓民国慶尚南道密陽市にある三浪津駅と光州広域市光山区にある光州松汀駅とを結ぶ、韓国鉄道公社(KORAIL)が運営する鉄道路線である。広域電鉄線として建設中の釜田馬山複線電鉄(仮称)も路線名が確定するまでは本項に併記する。

慶全線
青い線が慶全線
青い線が慶全線
青い線が慶全線
各種表記
ハングル 경전선
漢字 慶全線
発音 キョンジョンソン
日本語読み: けいぜんせん
英語 Gyeongjeon Line
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路線データ

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  • 路線距離:278.7km
    • 三浪津駅 - 光州松汀駅間277.7km
    • (北松汀三角線)1.0km
  • 駅数:51(両端含む、また信号場・信号所は2)
  • 電化区間:三浪津駅 - 順天駅、光州線分岐 - 光州松汀駅(三角線区間含む、交流25,000V 60Hz
  • 複線区間:洛東江駅 - 順天駅 (154.8km)

概要

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韓国南部の、朝鮮半島先端にほぼ沿う形で線路が敷かれているが、海岸沿いに走る区間はほとんどない。優等列車であるセマウル号(2014年以降はITX-セマウル)も、ソウル方面の密陽駅京釜線)から馬山駅を経由し晋州駅へ至る区間を除けば設定されておらず、ローカル線の趣きが強い。

起点側は美田線と合わせてデルタ線となっており、ソウル方面からの列車は美田線、釜田方面からの列車は慶全線を経由する。

釜山広域市側では釜田駅が発着駅で、釜田線伽倻線・京釜線を経由して慶全線へ乗り入れる。かつては釜山駅釜山鎮駅を発着駅にしていたが、2004年KTX開業を前に発着駅が釜田駅へ切り替えられた。また、京釜線ソウル方面との間ではソウルと晋州・順天を結ぶ直通列車や、ソウル(一部は幸信発着) - 馬山・晋州間のKTXも運行される。西端の全羅南道方面は、湖南線木浦駅発着が上下各4本、北松汀・湖南線経由で龍山駅との直通列車が同1本となっている。

三浪津駅から馬山駅までは1日20往復程度運行されているが、晋州駅までは1日12往復、さらに全羅南道と慶尚南道に跨る晋州駅から順天駅までの区間は1日6往復しか運行されておらず、順天以西の全羅南道内は1日4往復で日中6 - 7時間運行がないなど、区間によって運行頻度に差がある。2006年11月1日のダイヤ改正で運行系統が順天駅を境に東西に分割され、全区間を直通する列車もダイヤ改正毎に廃止と復活を繰り返す状態が続いている。

現在、釜山(釜田駅)から慶尚南道の南岸地域へ同線を使って移動する場合、線路が内陸の密陽市三浪津駅)を一旦経由することから、バス等他の交通機関と比べて利便性が良くない状態となっている。そのため馬山駅 - 沙上駅 - 釜田駅に至る路線(釜田馬山複線電鉄)の建設が進められている。新線開通後はこちらが慶全線本線となり、既存の三浪津駅 - 進礼駅間は釜山新港線、進礼駅 - 昌原中央駅間は慶全線支線に分類される予定である。

歴史

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慶全線はもともと、大韓帝国時代から日本統治時代にかけ、民間鉄道会社と朝鮮総督府鉄道が別々の路線として開業させたのが始まりである。三浪津駅から馬山浦駅(後の馬山港駅)までは大韓帝国時代に日本陸軍が軍事上の必要により馬山浦支線として敷設した[1]。後に、それらの路線を朝鮮総督府が買収・線区換えするなどして一本の路線に組み直す形で整備していったが、全羅南道慶尚南道の間を結ぶ区間は建設が遅れ、全線が繋がったのは韓国独立後の1968年のことである。

1969年、光州市(現在の光州広域市)の都市整備に伴い、それまで市街地付近にあった光州駅がそれより北西の現在地に移転した。それに伴い光州広域市周辺では1969年から2000年8月10日までの間、同市の北側を迂回するルートが取られていたが、KTXの開業に先立って、新しい都市計画の一環で南側をショートカットするルートに切り替えられ、旧線の一部は光州線として独立させた。また、電化にあわせ、三浪津 - 晋州間の複線化、路線付け替え工事も順次行われており、2012年に全区間の使用が開始された。現在は釜田駅経由で馬山 - 太和江を直通する広域電鉄路線の整備が進められており、2020年の開業を目指している。 また、2016年7月14日に晋州 - 光陽間が複線化され、66.8kmから 51.5kmに短縮された[2]。同区間は2021年まで電化が完成する予定である[3]
一方、それまで改良が長年進んでいなかった光州-順天区間も、韓国国会による2019年度予算案の通過によって電化改良の開始が確定された。[4]

特に木浦宝城線の(電化区間としての)開通と合わせるために、順天-宝城区間の改良工事を光州松汀駅方面よりもいち早く進めて、2023年まで完成する予定である。

  • 2010年
  • 2012年
    • 12月5日、電化・KTX運行区間が晋州まで延長・移設された。
  • 2016年
    • 4月29日 - 複線化に伴う移設・廃駅区間について国土交通部が駅間距離の告示[5]
      また、同日に2010年に廃線となった洛東江駅 - 翰林亭駅間の旧線を再利用したレールバイクを含む金海洛東江レールパークが金海市生林面馬沙里プッコクマウル一帯にオープン[6][7][8]
    • 7月14日 - 晋州駅 - 光陽駅間が複線新ルートに移設、柳樹駅・多率寺駅・良甫駅・玉谷駅・骨若駅廃止[5][9]
  • 2021年
  • 2023年まで - 順天駅 - 宝城駅区間の電化改良が完了する予定。(これをもって朝鮮半島南海岸に沿う形で、釜山から木浦までの(光州方面へ分岐する路線を除く)全区間が電化改良路線となる)
    • 6月23日 晋州駅 - 光陽駅間の電化工事完成。
  • 2025年まで - 西部区間のうち宝城から北方向へ分岐する路線(宝城-光州松汀)までが電化改良路線になる見込み(「第3次国家鉄道網構築計画」により)[11]

駅一覧

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  • ●:全列車停車、▲:一部列車停車、|:全列車通過
駅名 駅間キロ (km) 累計キロ (km)
等級
駅種別 K
T
X
I
T
X
|







接続路線 所在地
日本語 ハングル 英語
三浪津駅 삼랑진역 Samnangjin 0.0 0.0 2級 普通駅     韓国鉄道公社京釜本線 慶尚南道 密陽市
洛東江駅 낙동강역 Nakdonggang 1.7 1.7 無配置簡易駅 | | | 韓国鉄道公社:美田線
翰林亭駅 한림정역 Hallimjeong 8.1 9.8 3級 普通駅 | |   金海市
進永駅 진영역 Jinyeong 4.3 14.1 3級 普通駅  
進礼駅 진례역 Jillye 3.9 18.0 3級 普通駅 | | 韓国鉄道公社:釜山新港線
昌原中央駅 창원중앙역 Changwonjungang 10.2 28.2 3級 普通駅 韓国鉄道公社:慶全電鉄線 昌原市 義昌区
龍岡信号所 용강신호소 Yonggang 7.0 35.2 信号場 | | | 韓国鉄道公社:徳山線
昌原駅 창원역 Changwon 3.3 38.5 2級 普通駅 韓国鉄道公社:鎮海線徳山線慶全電鉄線
馬山駅 마산역 Masan 3.6 42.1 1級 普通駅 韓国鉄道公社:慶全電鉄線 馬山会原区
中里駅 중리역 Jung-ri 6.6 48.7 無配置簡易駅 | |  
咸安駅 함안역 Haman 8.9 57.6 3級 普通駅 |   咸安郡
郡北駅 군북역 Gunbuk 7.0 64.6 無配置簡易駅 | |  
班城駅 반성역 Banseong 13.5 78.1 3級 普通駅 | |   晋州市
晋州駅 진주역 Jinju 13.3 91.4 2級 普通駅  
浣紗駅 완사역 Wansa 13.1 104.5 3級 普通駅


  泗川市
北川駅 북천역 Bukcheon 9.4 113.9 3級 普通駅   河東郡
横川駅 횡천역 Hoengcheon 8.1 122.0 無配置簡易駅  
河東駅 하동역 Hadong 5.4 127.4 3級 普通駅  
津上駅 진상역 Jinsang 6.8 134.2 無配置簡易駅   全羅南道 光陽市
光陽駅 광양역 Gwangyang 14.3 148.5 2級 普通駅 韓国鉄道公社:光陽製鉄線
平和信号場 평화신호장 Pyeonghwa 3.7 152.2 信号場 | 韓国鉄道公社:全慶三角線 順天市
順天駅 순천역 Suncheon 4.3 156.5 1級 普通駅 韓国鉄道公社:全羅本線
元倉駅 원창역 Wonchang 11.8 168.3 無配置簡易駅 |  
九龍駅 구룡역 Guryong 4.7 173.0 無配置簡易駅 |  
筏橋駅 벌교역 Beolgyo 6.9 179.9 3級 普通駅   宝城郡
鳥城駅 조성역 Joseong 10.7 190.6 無配置簡易駅  
礼堂駅 예당역 Yedang 5.3 195.9 3級 普通駅  
得粮駅 득량역 Deungnyang 4.3 200.2 3級 普通駅  
宝城駅 보성역 Boseong 9.1 209.3 3級 普通駅 韓国鉄道公社:木浦宝城線(建設中)
広谷駅 광곡역 Gwanggok 4.9 214.2 無配置簡易駅 |  
鳴鳳駅 명봉역 Myeongbong 3.9 218.1 無配置簡易駅  
梨陽駅 이양역 Iyang 12.8 230.9 無配置簡易駅   和順郡
綾州駅 능주역 Neungju 12.2 243.1 3級 普通駅  
和順駅 화순역 Hwasun 8.9 252.0 3級 普通駅 韓国鉄道公社:和順線
南平駅 남평역 Nampyeong 9.2 261.2 無配置簡易駅 |   羅州市
孝泉駅 효천역 Hyocheon 5.4 266.6 3級 普通駅   光州広域市 南区
西光州駅 서광주역 Seogwangju 4.1 270.7 3級 普通駅   西区
東松汀信号場 동송정신호장 Dongsongjeong 4.3 275.0 信号場 |   光山区
(光州線分岐) (광주선분기)   0.6 275.6 分岐点 | 韓国鉄道公社:光州線
北松汀分岐 (북송정분기)   0.8 276.4 分岐点 | 韓国鉄道公社:北松汀三角線
光州松汀駅 광주송정역 Gwangjusongjeong 1.3 277.7 2級 普通駅 韓国鉄道公社:湖南本線、KTX湖南高速線
光州都市鉄道1号線 (117)

廃駅

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広域電鉄区間の駅一覧

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  • 2020年
    • 3月 - 工事の97%が完成した時点で軟弱地盤である洛東江の真下を通るトンネルに水と泥砂が入り、付近の沙上区でも工事関連の大規模な地盤沈下が発生。これにより開通が予定の2021年2月より先延ばしする可能性が高くなる[16]
    • 6月 - 3月の事故の原因を調査する関係者1名が現場で死亡[16]
駅名 駅間キロ
(km)
累計キロ
(km)
接続路線 所在地
日本語 ハングル 英語
釜田駅 부전역 Bujeon 0.0 0.0 韓国鉄道公社:東海線
釜山交通公社1号線
釜山広域市 釜山鎮区
沙上駅 사상역 Sasang 5.1 5.1 釜山交通公社:2号線5号線
釜山-金海軽電鉄
沙上区
江西錦湖駅 강서금호역 Gangseogeumho 釜山-金海軽電鉄(西釜山流通地区駅) 江西区
エコデルタシティ駅 에코델타시티역 Eco Delta City
釜山慶南競馬公園駅 부산경남경마공원역 Busan Gyeongnam Racecourse Park
七山信号場 칠산신호장 Chilsan Signal box 韓国鉄道公社:釜山新港線 慶尚南道 金海市
長有駅 장유역 Jangyu
進礼信号場 진례신호장 Jillye Signal box
新月駅 신월역 Sinwol
昌原中央駅 창원중앙역 Changwonjungang 34.5 韓国鉄道公社:慶全線 昌原市 義昌区
昌原駅 창원역 Changwon 47.8 韓国鉄道公社:慶全線
馬山駅 마산역 Masan 51.4 韓国鉄道公社:慶全線 馬山会原区

関連項目

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出典

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  1. ^ 韓国経営 加藤政之助 1905年
  2. ^ (朝鮮語)(韓国鉄道施設公団)제목진주∼광양 철도건설사업 2016년 개통을 위해 순항중!
  3. ^ (朝鮮語)(聯合ニュース)鉄道公団、慶全線「晋州-光陽」区間の電化を推進
  4. ^ (朝鮮語)慶全線の「光州-順天」、88年ぶりに電鉄化「始動」 Newsis 2018.12.8
  5. ^ a b (朝鮮語)国土交通部による路線距離告示(第2016-225号)官報第18750号2016年4月29日(金) Archived 2017年3月5日, at the Wayback Machine.
  6. ^ (Asia Gateway)廃線の鉄道レール「レールバイク」に変身
  7. ^ (朝鮮語)"낙동강 따라 달려보자" 김해 낙동강레일파크 개장
  8. ^ (朝鮮語)(Youtube)'레일 파크'로 부활한 낙동강 기찻길 [경남]
  9. ^ (朝鮮語)(国際新聞)진주-광양간 경전선 복선화 완료 14일 개통
  10. ^ 韓国湖南で降水量最大498ミリ…光陽で土砂崩れなど被害続出”. 中央日報 (2021年7月6日). 2022年6月8日閲覧。
  11. ^ (朝鮮語)第3次国家鉄道網構築計画の事業紹介 2018.7.12
  12. ^ (朝鮮語)부전~마산 복선전철에 '에코델타시티역' 2015年4月3日 釜山日報
  13. ^ (朝鮮語)부전-마산복선전철 진례 '신월역' 설치 확정 2017年8月15日 国際新聞
  14. ^ (朝鮮語)부전-마산복선전철 김해 신월역 본격 추진 2018年5月18日 国民日報
  15. ^ (朝鮮語)부산~마산 복선전철 김해 신월역사 착공 2020년 11월 역사 완공 예정…복선전철은 2020년 6월 전망 2018年8月16日 国際新聞
  16. ^ a b 손형주 (2020年6月22日). “부전∼마산 복선전철 침하 조사 중 또 사고…내년 2월 개통 차질” (朝鮮語). 연합뉴스. 2020年8月30日閲覧。
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