民暴の帝王』(みんぼうのていおう)は、1993年6月12日公開の日本映画である。

民暴の帝王
監督 和泉聖治
脚本 高田宏治
原作 溝口敦『民暴の帝王・蠍』(光文社刊)
製作
出演者
音楽 小林靖宏
撮影 東原三郎
制作会社 東映
製作会社
配給 東映
公開 1993年6月12日
上映時間 111分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

概要

編集

前年の『修羅の伝説』製作時に東映本社営業部は「小林旭ではお客がこない」と難色を示したが[1]岡田茂東映社長から「旭は財産やから、来年の企画を何か考えろ」と鶴の一声があり、『修羅の伝説』と同じく、小林旭主演、和泉聖治監督で製作された[1]。『キネマ旬報』1994年2月下旬号によれば、他のヤクザ映画『極東黒社会』・『修羅場の人間学』と同様に興行は失敗し、東映はヤクザ映画の製作を根本的に見直すことになった[2]。半面、ビデオは高収益で5万本売れたといわれる[3]

キャスト

編集

スタッフ

編集
  • 監督:和泉聖治
  • 企画:佐藤雅夫
  • 製作:俊藤浩滋高岩淡
  • プロデューサー:厨子稔雄、妹尾啓太
  • 脚本:高田宏治
  • 原作:溝口敦
  • 撮影:東原三郎
  • 美術:吉田孝、野尻均、赤塚訓
  • 照明:増田悦章
  • 音楽:coba
  • 音楽プロデューサー:石川光
  • 録音:芝氏章、玉木濬夫
  • 助監督:南光
  • スチール:中山健司
  • 配給:東映

作品の評価

編集

批評家評

編集

『AVジャーナル』は「政治スキャンダルを描くが、団体と登場人物が複雑すぎてさばき切れず、多くの人物が右往左往する。観客が東映ヤクザ映画に求めるものは普通の人が知らないヤクザの世界、ドスの効いたアクションと濡れ場のはずだ。短いアクションが4ヵ所、ばっちり濡れる濡れ場が1ヵ所、七瀬なつみの熱のこもった性演だけでは欲求不満になる。この不景気に求められているものは、ネチネチした政治家とヤクザの取り引きではなく、スカッーとしたアクションではないか。特殊な観客に限る場合を除き、政治と宗教は商品になりにくい」などと評した[4]

ソフト状況

編集

東映ビデオより1994年2月11日、レンタルビデオ発売[4]。111分、価格16000円[4]セルビデオの発売は不明。

出典

編集
  1. ^ a b 俊藤浩滋山根貞男『任侠映画伝』講談社、1999年、275-279頁。ISBN 4-06-209594-7 
  2. ^ 「1993年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1994年平成6年)2月下旬号、キネマ旬報社、1994年、154 - 156頁。 
  3. ^ “東映アクション映画配給業務、子会社に移管―興行不振でリスク分散。”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): p. 11. (1993年6月30日) 
  4. ^ a b c 日野康一「VIDEO PROGRAMS TOP SELECTION 民暴の帝王」『AVジャーナル』1994年1月号、文化通信社、61頁。 

外部リンク

編集
  NODES
Note 1