稲葉明雄
経歴
編集大阪府出身。早稲田大学仏文科中退。宇野利泰に師事し、翻訳家となる。英語圏のミステリ小説やSF小説の名訳者として名高いが、1969年の覆面座談会事件では一部のSF作家たちから恨みを買った。
親友の小林信彦が小説『唐獅子株式会社』を執筆した際には、作中人物の大阪弁の監修を担当している。
1999年、脳出血のため、東村山市の自宅で死去。65歳没。
翻訳
編集稲葉由紀名義
編集- 『検事燭をかかぐ』(E・S・ガードナー、早川書房) 1960
- 『ろくでなし』(ロバート・ブロック、早川書房) 1961
- 『あでやかな標的』(ベン・ベンスン、創元推理文庫) 1962
- 『女豹 サンセット77』(ロイ・ハギンズ、早川書房) 1962
- 『人間の手がまだ触れない』(ロバート・シェクリイ、早川書房) 1962、のち文庫
- 『犬の好きな男・ビンゴ教授の嗅薬・出入り稼業・待っている / メグレ対怪盗』(チャンドラー / シムノン、東都書房、世界推理小説大系20) 1963
- 『チャンドラー傑作集 第1』(レイモンド・チャンドラー、創元推理文庫) 1963
- 『金庫と老婆』(パトリック・クェンティン、早川書房) 1963
- 『乾杯、女探偵!』(カーター・ブラウン、早川書房) 1963、のち文庫
- 『赤い収穫』(ハメット、東都書房、世界推理小説大系) 1964
コーネル・ウールリッチ / ウィリアム・アイリッシュ
編集- 『ぎろちん』(コーネル・ウールリッチ、早川書房) 1961
- 『暁の死線』(ウィリアム・アイリッシュ、東都書房、世界推理小説大系) 1963、のち創元推理文庫
- 『自殺室』(コーネル・ウールリッチ、早川書房) 1963、のち改題『ホテル探偵ストライカー』(集英社文庫)
稲葉明雄名義
編集- 『コニャックの味』(ブレッド・ハリディ、早川書房) 1964
- 『チャンドラー傑作集』第2 - 第4(レイモンド・チャンドラー、創元推理文庫) 1965 - 1970
- 『蠅』(ランジュラン、早川書房、異色作家短篇集16) 1965、のち文庫
- 『拠点』(A. E. ヴァン・ヴォクト、早川書房) 1965
- 『キャンディ』(テリィ・サザーン,ホッフェンバーグ、早川書房) 1965
- 『発狂した宇宙』(フレドリック・ブラウン、早川書房) 1966、のち文庫
- 『ザ・スパイ』(ジョン・バカン、角川文庫) 1967
- 『黒が最高 怒号するカシアス・クレイ』(ジャック・オールセン、早川書房) 1967
- 『ベルリンの葬送』(レン・デイトン、早川書房) 1967、のち文庫
- 『10億ドルの頭脳』(レン・デイトン、早川書房) 1968、のち文庫
- 『贋作展覧会』(トーマ・ナルスジャック、北村良三共訳、早川書房) 1969
- 『火星人ゴーホーム』(ブラウン、早川書房、世界SF全集16) 1969、のち文庫
- 『優雅な死に場所』(レン・デイトン、早川書房) 1969、のち文庫
- 『怪船マジック・クリスチャン号』(テリイ・サザーン、早川書房、ブラック・ユーモア選集) 1970
- 『ハメット傑作集』1 - 2 (ハメット、創元推理文庫) 1972 - 1976
- 『地球人のお荷物』(ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン、伊藤典夫共訳、早川SF文庫) 1972
- 『露出狂』(ヘンリー・サットン、二見書房) 1973
- 『百万年後の世界』(デヴィッド・グリンネル、早川文庫) 1974
- 『愛と憎しみと』(ヘンリー・サットン、二見書房) 1974
- 『飛べ、銀色の空へ』(リチャード・バック、草思社) 1974
- 『鏡よ、鏡』(スタンリイ・エリン、早川書房) 1974、のち文庫
- 『マーロウ最後の事件』(レイモンド・チャンドラー、晶文社) 1975
- 『赤毛のサウスポー』(ポール・R・ロスワイラー、集英社) 1977年、のち文庫
- 『タイム・パトロール』(ポール・アンダースン、深町真理子共訳、早川文庫) 1977
- 『怪盗レトン』(ジョルジュ・シムノン、角川文庫) 1978
- 『ブレイクアウト 刑務所から大リーグへ』(ロン・ルフロア、講談社) 1978
- 『二年目のジンクス 赤毛のサウスポー』(ポール・R・ロスワイラー、集英社) 1979、のち文庫
- 『大西洋を乗っ取れ』(アーネスト・レーマン、集英社) 1980、のち文庫
- 『未完の女 リリアン・ヘルマン自伝』(リリアン・ヘルマン、本間千枝子共訳、平凡社) 1981、のち平凡社ライブラリー
- 『暗殺協定XPD』(レン・デイトン、集英社) 1982、のち改題文庫化『裏切りのXPD』
- 『ハメット』(ジョー・ゴアス、角川文庫) 1985
- 『くたばれスネイクス!』(ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン、早川文庫) 1987
- 『サリーはわが恋人』(アイザック・アシモフ、早川文庫) 1988
- 『心の鏡』(ダニエル・キイス、小尾芙佐共訳、早川書房) 1993
- 『コンティネンタル・オプ』(ハメット、集英社文庫) 1997
- 『フィリップ・マーロウ』(チャンドラー、集英社文庫) 1997
コーネル・ウールリッチ / ウィリアム・アイリッシュ
編集- 『私が死んだ夜』(コーネル・ウールリッチ、早川書房) 1965
- 『もう探偵はごめん』(コーネル・ウールリッチ、早川書房) 1971
- 『黒いアリバイ / 抜け穴』(ウールリッチ、講談社、世界推理小説大系9) 1972、のち創元推理文庫
- 『九一三号室の謎 / 幻の女』 (ウールリッチ / アイリッシュ、早川書房、世界ミステリ全集4) 1973
- 『さらばニューヨーク』 (ウィリアム・アイリッシュ、晶文社) 1976
- 『黒衣の花嫁』(コーネル・ウールリッチ、早川文庫) 1983
- 『夜の闇の中へ』(コーネル・ウールリッチ、ハヤカワ The mysterious press) 1988、のちハヤカワ文庫
- 『非常階段』(コーネル・ウールリッチ、白亜書房、コーネル・ウールリッチ傑作短篇集 別巻) 2003
ブライアン・フリーマントル
編集- 『消されかけた男』(フリーマントル、新潮文庫) 1979
- 『明日を望んだ男』(フリーマントル、新潮文庫) 1980
- 『再び消されかけた男』(フリーマントル、新潮文庫) 1981
- 『呼びだされた男』(フリーマントル、新潮文庫) 1982
- 『罠にかけられた男』(フリーマントル、新潮文庫) 1986
- 『亡命者はモスクワをめざす』(フリーマントル、新潮文庫) 1988
- 『暗殺者を愛した女』(フリーマントル、新潮文庫) 1989
- 『狙撃』(フリーマントル、新潮文庫) 1993
脚注
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参考文献
編集- 日外アソシエーツ人物情報(早大中退の旨あり)