紀ノ国屋
紀ノ国屋(きのくにや、英: KINOKUNIYA)は、東京都新宿区に本社を置く株式会社紀ノ國屋[2]が運営する高級スーパーマーケットチェーンの屋号(「国」が社名は旧字体、屋号は新字体)[1]。運営会社の株式会社紀ノ國屋は、2010年4月1日付で東日本旅客鉄道(JR東日本)の完全子会社となった。
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒162-0842 東京都新宿区市谷砂土原町三丁目5番地 偕成ビル5階[1] 北緯35度41分47.4秒 東経139度44分8.2秒 / 北緯35.696500度 東経139.735611度座標: 北緯35度41分47.4秒 東経139度44分8.2秒 / 北緯35.696500度 東経139.735611度 |
本店所在地 |
〒107-0061 東京都港区北青山三丁目11番7号 Aoビル地下1階[2] 北緯35度39分49.6秒 東経139度42分38.9秒 / 北緯35.663778度 東経139.710806度 |
設立 |
1948年(昭和23年) 1910年(明治43年)創業 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 1010401087320 |
事業内容 | スーパーマーケット・食料品専門店の運営、食品製造・卸売販売[1] |
代表者 | 代表取締役社長 富田勝己[1] |
資本金 | 5,000万円[1] |
純利益 | 1億265万7,000円(2020年3月期)[3] |
純資産 |
11億4452万1,000円 (2020年3月31日現在)[3] |
総資産 |
95億1809万3,000円 (2020年3月31日現在)[3] |
従業員数 | 1,502名(2023年4月1日現在)[1] |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | 東日本旅客鉄道株式会社 100% |
関係する人物 | 増井徳男(創業者)[4] |
外部リンク |
www |
特記事項:2010年4月1日付で東日本旅客鉄道の完全子会社化。 |
概要
編集高級果物店からスーパーマーケットへ
編集1910年(明治43年)、東京市内で高級果物店として創業。家業を手伝っていた増井徳男は、太平洋戦争中の物資統制令で高級果物を売れなくなったことから青山の果物店を閉店し、戦後の1949年に果物・野菜店として再建[4]。その後にアメリカのスーパーマーケットを範として[4]、青山の店を対面販売の果物店から業態転換し、1953年11月にセルフサービス方式のスーパーマーケット「紀ノ國屋」として開業した[4](現在の北青山3丁目11-7[4])。同社および全国スーパーマーケット協会では、これを「日本初のセルフサービス方式のスーパーマーケット」として位置付けている[4][5][6][7]。
株式会社紀ノ國屋創業者の増井徳男は、このセルフサービス方式のスーパーマーケットという新業態を広めるため、有志とともに「日本セルフ・サービス協会」を設立し、初代会長に就任した。これがスーパーマーケットの大手業界団体である全国スーパーマーケット協会の母体となった[5][6]。
その後もチーズの空輸、ジュースの自動販売機の設置、高級アイスクリームの販売など、常に時代に先駆けた商品展開を行ってきた。紀ノ国屋オリジナル商品も積極的に展開している。
JR東日本グループ入り
編集2010年3月までは運営会社は1社ではなく、以下の3社であった。
- 株式会社紀ノ國屋(旧字体の「國」)- 本社:東京都港区北青山、13店舗運営
- 株式会社紀ノ国屋(新字体の「国」)- 本店:東京都世田谷区等々力、等々力店1店舗と1工場運営
- 株式会社紀ノ国屋フードセンター - 本社:東京都三鷹市下連雀、三鷹店など3店舗と1工場運営
2010年4月1日付でグループ3社が合併し、株式会社紀ノ國屋(新)となった上で、JR東日本が全株式を取得して完全子会社となった[8]。JR東日本は、「KINOKUNIYA entrée(アントレ)」というブランドで自社グループの駅ビル、駅ナカ店舗に紀ノ國屋店舗網を拡大する計画である[9]。なお、JR東日本グループの駅ビルであっても、成城石井(ローソン傘下)やザ・ガーデン自由が丘(そごう・西武傘下)など、競合他社の高級スーパーマーケットが入店している場合もある[10][11]。
2020年3月、近畿地方に同年4月に進出し、ジェイアール京都伊勢丹(JR西日本と三越伊勢丹の合弁)に首都圏以外では初の出店となる[12]、関西エリア1号店をオープンすると報じられた。以降3年間で京阪神地区で10店舗前後の展開を目指すとしている[13]。
沿革
編集- 1910年(明治43年) - 高級果物店として創業。
- 1948年(昭和23年)1月 - 株式会社紀ノ國屋(本社:東京都港区)を設立。
- 1949年(昭和24年)- 戦時中に閉店した青山(現在の北青山)の高級果物店を果物・野菜店として再建[4]。
- 1953年(昭和28年)11月 - 青山の店を対面販売の果物店から転換し、セルフサービス方式のスーパーマーケット「紀伊國屋」(現:青山店)を開業[4]。
- 1973年(昭和48年)8月 - 株式会社紀ノ国屋フードセンターを設立。
- 1975年(昭和50年)8月 - 株式会社紀ノ国屋(本社:東京都世田谷区)を設立。
- 2003年(平成15年) - 再開発事業のため、インターナショナル(青山店)の土地を株式会社ダイショウ・ティーディーエーへ売却。
- 2004年(平成16年)4月 - インターナショナル(青山店)が閉店し、南青山の仮店舗に移転[14]。
- 2006年(平成18年)7月 - 株式会社紀ノ國屋と株式会社髙島屋が包括業務提携。新宿店をはじめとする高島屋の地下食料品売場への出店検討を明らかにする[15]。
- 2008年(平成20年)11月 - インターナショナル(青山店)が、旧店舗跡地に建設された商業施設「Aoビル」地下1階で営業再開[16]。
- 2010年(平成22年)4月 - 株式会社紀ノ國屋、株式会社紀ノ国屋、株式会社紀ノ国屋フードセンターの3社が合併した上で、全株式を創業家などからJR東日本が買収して完全子会社化[8]。
- 2020年(令和2年)5月 - 京都府京都市のジェイアール京都伊勢丹内に関西エリア1号店をオープン[17]。
- 2021年(令和3年)11月 - 愛知県名古屋市の名鉄百貨店内に東海エリア1号店をオープン[18]。
本社・事業所
編集店舗
編集詳細は公式サイト「紀ノ国屋店舗情報」を参照。
紀ノ国屋
編集旗艦ブランド。
- インターナショナル(青山店、東京都港区北青山3-11-7 Aoビル地下1階)- 登記上の本店所在地でもある。
- 国立店(東京都国立市中 1-16-1)
- 等々力店 (東京都世田谷区等々力7-18-1)
- 吉祥寺店(東京都武蔵野市吉祥寺本町3-7-3)
- 鎌倉店(神奈川県鎌倉市御成町15-3)
KINOKUNIYA
編集Daily Table KINOKUNIYA
編集店内厨房を設けたコンパクト店舗。
- アトレ吉祥寺店(ザ・ガーデン自由が丘吉祥寺店跡地)
- 西荻窪駅店(Dila西荻窪跡地)
- ビーンズ阿佐ヶ谷店(ビーンズ阿佐ヶ谷ビーンズくるく1階)
- シャポー市川店(千葉県内初出店の店舗)[19]
- アトレヴィ三鷹店
- ラスカ平塚店
- SOCOLA用賀店
- シャポー船橋店
- 流山おおたかの森S・C FLAPS 店
- 光が丘IMA店
- SOCOLA武蔵小杉クロス店
- CIAL横浜店
KINOKUNIYA entrée
編集小型店舗(駅ナカなど)。
- エキュート立川店
- 武蔵小杉駅店
- 羽田空港店
- EQUiA北千住店
- エキュート上野店
- ルミネ新宿店
- 恵比寿駅店
- 日本橋高島屋S.C.店
- 新宿高島屋店
- ニッケコルトンプラザ店
- エチカ表参道店
- グランスタ店
- グランスタ丸の内店
- 金沢店
Gourmand Market KINOKUNIYA
編集Kinokuniya Wine&Grocery Store
編集- 羽田エアポートガーデン店
KINOKUNIYA Bakery
編集- アトレヴィ三鷹店
- 中野駅店
KINOKUNIYA Sutto
編集無人決済店舗。
- 目白駅店
閉店した店舗
編集- 東京都
- 神奈川県
- その他
- 軽井沢店 - 紀ノ国屋リゾート(夏期のみ季節営業)
テレビ番組
編集- 日経スペシャル カンブリア宮殿 他とは違うスーパー 紀ノ国屋の独自戦略(2021年12月2日、テレビ東京)[22]。
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k 会社概要 株式会社紀ノ國屋、2023年10月2日閲覧。
- ^ a b c 株式会社紀ノ國屋の情報 国税庁法人番号公表サイト、2023年10月2日閲覧。
- ^ a b c 第45期決算公告、2020年(令和2年)7月7日付「官報」(号外第141号)104頁。
- ^ a b c d e f g h 増井徳男(ますい・とくお) 港区ゆかりの人物データベース、港区立図書館、2023年10月2日閲覧。
- ^ a b 協会概要 一般社団法人 全国スーパーマーケット協会、2023年3月、2023年10月2日閲覧。
- ^ a b 協会沿革 一般社団法人 全国スーパーマーケット協会、2023年3月、2023年10月2日閲覧。
- ^ 研究報告書 これからの都市生活を考えていくための新世代コミュニティの研究 p.17、公益財団法人ハイライフ研究所、2011年3月。
- ^ a b “東日本旅客鉄道株式会社による株式会社紀ノ國屋グループの株式取得について” (PDF). 東日本旅客鉄道 (2010年1月26日). 2010年1月26日閲覧。
- ^ “JR東日本がスーパー「紀ノ国屋」を買収 流通事業に本格参入”. MSN産経ニュース (産経新聞). (2010年1月26日) 2010年1月26日閲覧。
- ^ “店舗情報”. 株式会社成城石井. 2020年3月19日閲覧。
- ^ “店舗情報”. 株式会社シェルガーデン. 2020年3月19日閲覧。
- ^ “スーパー紀ノ国屋の「いちご雑貨」にキュン、実店舗は大阪&京都”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2023年1月18日) 2023年1月18日閲覧。
- ^ “高級スーパー紀ノ国屋が関西進出 敵は大阪のおばちゃん?”. 日刊ゲンダイ(2020年3月19日作成). 2020年3月19日閲覧。
- ^ 紀ノ国屋インター、仮店舗オープンは4月14日 - シブヤ経済新聞 2004年03月24日
- ^ 紀ノ國屋と髙島屋 包括的業務提携に基本合意 株式会社髙島屋プレスリリース、2006年7月25日
- ^ 紀ノ国屋インターナショナル、創業地での営業を4年ぶりに再開 シブヤ経済新聞、2008年11月06日
- ^ 創業110周年の紀ノ国屋が関西初上陸!ジェイアール京都伊勢丹に5/25オープン 京都の地元情報誌 Leaf KYOTO、株式会社リーフ・パブリケーションズ、2020年5月25日
- ^ 名古屋初出店!名鉄百貨店本店[メンズ館]地下1階に「KINOKUNIYA 名古屋名鉄百貨店」11月18日(木)開業 株式会社紀ノ国屋、2021年11月10日
- ^ 紀ノ国屋/シャポー市川に「デイリーテーブル」千葉エリア初出店 - 流通ニュース、2019年6月24日
- ^ 【閉店】紀ノ国屋 渋谷店 食べログ、2023年10月2日閲覧。
- ^ 紀ノ国屋青葉台店〔close〕 - 基礎情報と周辺店舗《AJSM》 日本全国スーパーマーケット情報、2016年4月12日、2023年10月2日閲覧。
- ^ 他とは違うスーパー 紀ノ国屋の独自戦略 - テレビ東京 2021年12月2日
関連項目
編集外部リンク
編集- 株式会社紀ノ國屋 - 企業サイト
- 紀ノ国屋オンラインショップ
- 株式会社紀ノ國屋 (Kinokuniya.SuperMarket) - Facebook
- 紀ノ国屋/KINOKUNIYA (@kinokuniya_super) - Instagram
- KINOKUNIYA紀ノ国屋 - YouTubeチャンネル