頭木 弘樹(かしらぎ ひろき)は、日本の作家翻訳家アンソロジスト、文学紹介者。

経歴・概要

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筑波大学卒業。大学3年の20歳のときに難病(潰瘍性大腸炎)を発病し、13年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、2011年に『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社)を編訳し、10万部以上のヒットとなる[1][2]。以後、カフカやゲーテの翻訳、ドストエフスキーの翻案、当事者研究、落語、昔話、音楽、山田太一など、さまざまなジャンルの本を執筆している。アンソロジーの選者も多数、務めている。

沖縄県の離島・宮古島在住だが、2024年1月現在は東京に長期滞在中。

著書

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  • 『「逮捕+終り」 ──『訴訟』より』(創樹社) 1999 - 翻訳・評論
  • 『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社) 2011、のち新潮文庫 2014
  • 『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』(飛鳥新社) 2014、のち改題『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ ──文豪の名言対決』(草思社文庫) 2018
  • 『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』(平松昭子マンガ、監修、飛鳥新社) 2015 - テレビドラマ『カフカの東京絶望日記』の原案
  • 『絶望読書 ──苦悩の時期、私を救った本』(飛鳥新社) 2016、のち河出文庫 2018
  • 『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』(春秋社) 2016
  • 『絶望図書館 ──立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語』(アンソロジー選者、ちくま文庫) 2017
  • 『NHKラジオ深夜便 絶望名言』(NHK〈ラジオ深夜便〉制作班共著、飛鳥新社) 2018、のち文庫 2023 - 同番組コーナーの書籍
  • 『絶望書店 ──夢をあきらめた9人が出会った物語』(アンソロジー選者、河出書房新社) 2019
  • トラウマ文学館 ──ひどすぎるけど無視できない12の物語』(アンソロジー選者、ちくま文庫) 2019
  • 『ミステリー・カット版 カラマーゾフの兄弟』(春秋社) 2019 - ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』におけるミステリー部分の抄訳
  • 『NHKラジオ深夜便 絶望名言2』(NHK〈ラジオ深夜便〉制作班共著、飛鳥新社) 2019 - 同番組コーナーの書籍化
  • 落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫) 2020 - 月刊『望星』連載の書籍化
  • 『食べることと出すこと』(医学書院、シリーズ ケアをひらく) 2020 - Webマガジン『かんかん!』連載に加筆・書籍化
  • 『病と障害と、傍らにあった本。』(齋藤陽道, 岩崎航, 三角みづ紀, 田代一倫, 和島香太郎, 坂口恭平, 鈴木大介, 與那覇潤, 森まゆみ, 丸山正樹, 川口有美子共著、里山社) 2020
  • 『ひきこもり図書館 ──部屋から出られない人のための12の物語』(アンソロジー選者、毎日新聞出版) 2021
  • 『366日 文学の名言』(品川亮共著、三才ブックス) 2021
  • 『こどもに聞かせる一日一話 「母の友」特選童話集』(共著、福音館書店) 2022
  • 『うんこ文学 ──漏らす悲しみを知っている人のための17の物語』(アンソロジー選者、ちくま文庫) 2023
  • 『自分疲れ ──ココロとカラダのあいだ』(創元社シリーズ あいだで考える) 2023
  • 『絶望名言』(NHK〈ラジオ深夜便〉制作班、根田知世己、川野一宇共著、飛鳥新社)2023 - 同番組コーナーの文庫化
  • 『翻訳者による海外文学ブックガイド2 BOOKMARK』(共著、CCCメディアハウス) 2023
  • 『読書バリアフリー ──見つけよう! 自分にあった読書のカタチ』(インタビュー掲載、国土社) 2023
  • 『ふぞろいの林檎たちV / 男たちの旅路〈オートバイ〉 山田太一未発表シナリオ集』(編集・解説、国書刊行会) 2023
  • 『当事者対決! 心と体でケンカする』(横道誠共著、世界思想社) 2023
  • 『鬱の本』(共著、点滅社) 2023
  • 『口の立つやつが勝つってことでいいのか』(青土社) 2024 - 初エッセイ集
  • 『ケアする対話 ──この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ』(横道 誠、斎藤環、小川公代、村上靖彦共著 、金剛出版)2024
  • 『イライラ文学館 ──不安や怒りで爆発しそうなときのための9つの物語』(アンソロジー選者、毎日新聞出版)2024
  • 『決定版カフカ短編集』(編集・解説、新潮文庫) 2024
  • 『カフカ断片集 ──海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ』(編訳・解説、新潮文庫) 2024
  • 『こどもに聞かせる一日一話2 「母の友」特選童話集』(共著、福音館書店) 2024
  • 『終りに見た街/男たちの旅路 スペシャル〈戦場は遙かになりて〉 山田太一戦争シナリオ集』(編集・解説、国書刊行会) 2024
  • 『10代からの文章レッスン ──みんなどうやって書いてるの?』(共著、河出書房新社)2024
  • 『365日の絶望歌詞集 ──明けない夜に読む』(監修、祥伝社)2024
  • 『カフカ俳句』(編訳・解説、中央公論新社)2024
上記大半は電子書籍も刊

雑誌

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  • 『草獅子 vol.1 - 文学のたのしみを身近に 特集:カフカ』(双子のライオン堂) 2016[3]
  • 『母の友』(福音館書店) 2016年11月号- 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2017年3月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2017年11月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2018年11月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2019年11月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2020年10月号 - エッセイ「『絶望』と昔話」
  • 『母の友』2020年11月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2021年1月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2021年11月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2022年7月号 - 怪談
  • 『母の友』2022年11月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2023年5月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2023年11月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『母の友』2024年11月号 - 宮古島の民話の再話
  • 『ユリイカ』2022年1月号 特集=柳家小三治 - 「小三治を読む」
  • 『ユリイカ』2024年4月号 特集=山田太一 - 岡室美奈子、長谷正人との対談、山田太一主要作品解題など
  • 『現代思想』2024年1月臨時増刊号 総特集*カフカ 没後一〇〇年 - 川島隆との対談
  • 『現代思想』2024年9月号 特集=読むことの現在 - 市川沙央との対談
  • 『文學界』2022年3月号 - 鼎談 頭木弘樹×斎藤環×横道誠 「当事者批評」のはじまり【“ケア”をめぐって】
  • 『群像』2024年5月号 - エッセイ「やさしい手と痛い手」
  • 『群像』2024年9月号 - 「こころをからだで読む」

連載

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  • 月刊『望星』(発行・東海教育研究所 発売・東海大学出版部)で「落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ」を連載(2015年5月号 - 2018年4月号)[4]
  • Webマガジン『かんかん!』(医学書院)で「食べることと出すこと」を連載(2017年6月 - 2019年4月)[5]
  • Webマガジン『ONTOMO』(音楽之友社)で「トラウマ音楽館」を連載(2018年9月 - 2019年4月)[6]
  • 月刊『みすず』(みすず書房)で「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」を隔月で3年間連載(2020年8月号 - 2023年8月号)[7]
  • WEBみすず(みすず書房)で、引き続き「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」を隔月連載(2023年10月 - )
  • Webマガジン『SCRAP BOOK』(晶文社)で「六人部屋の十三年間」を連載(2021年1月 - )[8]
  • 月刊『訪問看護と介護』(医学書院)で、「往復郵「便」」を連載(榊原千秋との往復書簡、2021年4月号 - 2022年11-12月号)
  • 『日本経済新聞』の「プロムナード」欄でエッセイを半年連載(2021年7月 - 12月)[9]
  • 『文學界』で「ビブリオ・オープンダイアローグ』を4回連載(石田月美、畑中麻紀、横道誠と共に、2023年1月号 - 4月号)
  • 『しんぶん赤旗』で、読書エッセイ「ほのあかり文学館」の連載を隔月で開始し、毎月に(2024年5月 - )
  • スタジオジブリの小冊子『熱風』で、「山田太一といっしょに山田太一ドラマをすべて見る」を毎月連載(山田太一全作品インタビュー、2024年5月号 - )
  • 文學界』で、「痛いところにみえるもの」を毎月連載(2024年9月号 - )

テレビ

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  • NHK『100分de名著』「カフカ『変身』 第4回 弱さが教えてくれること」に出演(2012年)[10]

ラジオ

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  • NHK『ラジオ深夜便』内のコーナー『絶望名言』 - 毎月第4日曜日の深夜28時台(月曜日の午前4時台)、2016年 -

過去のラジオ番組(ゲスト出演含む)

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  • NHK『ラジオ深夜便』内のコーナー『ないとエッセー』(2015年12月7日 - 10日)
  • NHK『ラジオ深夜便』内のコーナー『絶望名言ミニ』(2018年 - 2020年)
  • コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA『PrimeSeat/OTTAVA Liberta』(OTTAVA株式会社、2016年3月31日、プレゼンター:林田直樹)[11]
  • Blue-Radio.com『林田直樹のカフェ・フィガロ』(株式会社ブルーレディオドットコム、2016年6月12日・19日[12]、2017年12月24日・2018年1月7日[13])
  • NHKの特別番組『絶望名言 〜歳の瀬 倒れたままでいいじゃない〜』(2017年12月29日)[14][15]。同日の『ラジオ深夜便』の『ミッドナイトオペラ』(題して『絶望オペラ』)にもゲスト出演した[16]
  • TBSラジオ荻上チキ・Session-22』(2020年9月11日)[17][18]

外部リンク

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脚注

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  NODES
Note 1