香港総督(ホンコンそうとく、: Governor of Hong Kong: 香港總督/香港总督、略称港督)は、イギリス政府により任命されて植民地時代香港を統治し、香港政庁の首長である。日本の占領時には、日本政府任命による総督が居た。

香港総督旗 (1959年-1997年)

概要

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香港総督の礼服

香港総督の役割は英皇制誥(イギリス国王開封勅許状、英:Hong Kong Letters Patent、1843年)および皇室訓令(英:Hong Kong Royal Instruction、同年)によって定義された。イギリス国王の名代として大きな権限を持ち、香港における軍司令官を兼ねた。行政諮問機関である行政局および立法機関である立法局の議員は1991年に最初の立法局直接選挙が行われるまで、全て総督により指名された。1997年の香港返還後は、行政権の大部分は香港特別行政区行政長官に、また軍事権は中国人民解放軍駐香港部隊司令官に引き継がれている。

歴代の香港総督の多くはイギリス植民地省の官僚が務めたが、1971年に就任したマクレホース卿以降は外交官出身者が多くなり、最後の香港総督であるパッテン保守党幹事長も務めた政治家である。

香港の道路など公共施設には、イギリスから中華人民共和国に主権が返還、委譲された現在も、歴代総督の名前が多く用いられている。

総督の広東語名

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香港で非漢字圏の人名は、一般に音の似ている字を当てはめて音訳する。歴代の香港総督の多くには、それとは別に中国人風の広東語名が付けられた。例えば、第28代総督クリストファー・パッテン(のち一代貴族パッテン卿)は、香港総督として着任するまでは柏藤(パッテンの音訳)と表記されていたが、着任後は彭定康と表記されるようになった。多くの場合、総督の苗字名前の原音から近いイメージの音になり、なおかつ字義に悪いニュアンスが含まれないなど人名としてふさわしい字を注意深く選んで、2ないし3文字程度の一見中国人風の名前が名付けられた。中英間の関係を少しでも融和させようという意図の下に行われていた。

歴代香港総督の一覧

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任期 肖像 総督 就任 退任
1

香港行政官

  チャールズ・エリオット

查理·義律 Sir Charles Elliot

1841年1月26日 1841年8月
2

香港行政官

  サー・ヘンリー・ポッティンジャー

砵甸乍 Sir Henry POTTINGER

1841年8月 1843年6月25日
1 1843年6月26日 1844年5月7日
2   サー・ジョン・フランシス・デイビス

戴維斯爵士 Sir John Francis DAVIS

1844年5月8日 1848年3月21日
3   サー・サミュエル・ジョージ・ボナム

文咸 Sir Samuel George BONHAM

1848年3月21日 1854年4月13日
4   サー・ジョン・バウリング

寶靈 Sir John BOWRING

1854年4月13日 1859年9月9日
5   ハーキュリーズ・ジョージ・ロバート・ロビンソン

夏喬士·羅便臣 Sir Hercules ROBINSON, later Lord Rosmead

1859年9月9日 1865年3月11日
6   サー・リチャード・グレイブズ・マクドネル

麥當奴 Sir Richard Graves MACDONNELL

1866年3月11日 1872年4月16日
7   サー・アーサー・エドワード・ケネディ

堅尼地 Sir Arthur Edward KENNEDY

1872年4月16日 1877年4月22日
8   サー・ジョン・ポープ・ヘネシー

軒尼詩 Sir John Pope HENNESSY

1877年4月22日 1883年3月30日
9   サー・ジョージ・ファーガソン・ボーウェン

寶雲 Sir George Ferguson BOWEN

1883年3月30日 1887年10月6日
10   サー・ジョージ・ウィリアム・デ・ヴー

德輔 Sir George William DES VOEUX

1887年10月6日 1891年12月10日
11   サー・ウィリアム・ロビンソン

威廉·羅便臣 Sir William ROBINSON

1891年12月10日 1898年11月25日
12 サー・ヘンリー・アーサー・ブレイク

卜力 Sir Henry Arthur BLAKE

1898年11月25日 1903年7月29日
13   サー・マシュー・ネイザン

彌敦 Sir Matthew NATHAN

1904年7月29日 1907年4月20日
14   フレデリック・ルガード

盧吉 Sir Frederick LUGARD, later 1st Baron LUGARD

1907年7月29日 1912年3月16日
15   サー・フランシス・ヘンリー・メイ

梅含理 Sir Francis Henry MAY

1912年7月24日 1919年9月30日
16   サー・レジナルド・エドワード・スタブス

司徒拔 Sir Reginald Edward STUBBS

1919年9月30日 1925年11月1日
17   サー・セシル・クレメンティ

金文泰 Sir Cecil CLEMENTI

1925年11月1日 1930年5月9日
18   サー・ウィリアム・ピール

貝璐 Sir William PEEL

1930年5月9日 1935年12月12日
19   サー・アンドリュー・カルデコット

郝德傑 Sir Andrew CALDECOTT

1935年12月12日 1937年10月28日
20   サー・ジョフリー・アレクサンダー・スタフォード・ノースコート

羅富國 Sir Geoffry Alexander Stafford NORTHCOTE

1937年10月28日 1941年9月10日
21 マーク・ヤング

楊慕琦 Sir Mark Aitchison YOUNG

1941年9月10日 1941年12月25日
日本占領時期の香港
軍政庁長官   酒井隆

Lt. Gen. Takashi Sakai

1941年12月25日 1942年2月20日
  新見政一

Gen. Masaichi Niimi

1

占領地総督

  磯谷廉介

Lieutenant General Rensuke Isogai

1942年2月20日 1944年12月24日
2

占領地総督

  田中久一

Lieutenant General Hisakazu Tanaka

1945年2月1日 1945年8月15日
終戦後
殖民地臨時首長   サー・フランクリン・チャールズ・ジムソン

詹遜 Franklin Charles Gimson,
later Sir Franklin Charles Gimson

1945年8月15日 1945年9月1日
軍政府総督   サー・セシル・H・J・ハーコート

夏慤 Sir Cecil Halliday Jepson Harcourt

1945年9月1日 1946年4月30日
21

復任

マーク・エイチソン・ヤング

楊慕琦 Sir Mark Aitchison YOUNG

1946年5月1日 1947年7月25日
22 サー・アレキサンダー・ウィリアム・ジョージ・ヘルダー・グランサム

葛量洪 Sir Alexander William George Herder GRANTHAM

1947年7月25日 1958年1月23日
23 サー・ロバート・ブラウン・ブラック

柏立基 Sir Robert Brown BLACK

1958年1月23日 1964年4月14日
24 サー・デイビッド・クライブ・クロスビー・トレンチ

戴麟趾 Sir David Clive Crosble TRENCH

1964年4月14日 1971年11月19日
25 クロフォード・マレー・マクレホース

麥理浩 Sir Murray MacLEHOSE, later Baron MacLehose of Beoch

1971年11月19日 1982年5月20日
26 サー・エドワード・ユード

尤德 Sir Edward YOUDE

1982年5月20日 1986年12月5日

(在任中死亡)

代理 サー・デイビッド・エイカーズ=ジョーンズ

鍾逸傑 Sir David AKERS-JONES

1986年12月6日 1987年4月9日
27   デイビッド・クライブ・ウィルソン

衛奕信 Sir David WILSON, later Baron Wilson of Tillyorn

1987年4月9日 1992年7月9日
28   クリストファー・フランシス・パッテン

彭定康 Rt. Hon. Christopher Francis PATTEN,
later Baron Patten of Barnes

1992年7月9日 1997年6月30日
1997年7月1日,香港特別行政区成立。香港特別行政区行政長官を参照。

関連項目

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  NODES
mac 3
os 4