鴟尾
瓦葺屋根の大棟の両端につけられる飾りの一種
鴟尾(しび)とは、瓦葺屋根の大棟の両端につけられる飾りの一種である。訓読みではとびのおと読む。沓(くつ)に似ていることから沓形(くつがた)とも呼ばれる。鴟吻(しふん)とも。
概要
編集寺院・仏殿、大極殿などによく用いられる。後漢以降、中国では大棟の両端を強く反り上げる建築様式が見られ、これが中国などの大陸で変化して3世紀から5世紀頃に鴟尾となったと考えられている。唐時代末には鴟尾は魚の形、鯱(海に住み、よく雨を降らすインドの空想の魚)の形等へと変化していった。瓦の伝来に伴い、飛鳥時代に大陸から日本へ伝えられたと考えられている[1]。火除けのまじないにしたといわれている。材質は瓦、石、青銅など。 現存する石製の鴟尾は、群馬県前橋市の山王廃寺の2例と鳥取県伯耆町の1例のみ。
「鴟尾」が屋根の最上部に設置されるのは火除けのまじないとして用いられた。 魚が水面から飛び上がり尾を水面上に出した姿を具象化したもので、屋根の上面が水面を表し、 水面下にあるもの(建物)は燃えないとの言い伝えから火除けとして用いられたと考えられている。[要出典]
鳥取県伯耆町では同町で発見された石製鴟尾を町のシンボルとしている。
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高井田廃寺跡(鳥坂寺跡)出土
大阪府柏原市。東京国立博物館展示。 -
西琳寺跡出土
大阪府羽曳野市。羽曳野市陵南の森歴史資料室展示。 -
高丘3号窯出土
兵庫県明石市。明石市立文化博物館展示。 -
堂の谷瓦窯跡出土(複製)
和歌山県田辺市。和歌山県立紀伊風土記の丘企画展示時に撮影。 -
等ヶ坪廃寺跡出土(復元)
鳥取県鳥取市。山陰型鴟尾。鳥取県立博物館展示。
脚注
編集関連項目
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