黒咲 一人(くろさき かずと、1948年 - )は、日本漫画家佐賀県出身。「放浪の漫画家」[1]として知られる。

略歴

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中学を卒業後、集団就職名古屋の鉄工所に就職。その傍ら、プロをめざしてボクシングジムに通った。漫画を描き始めたのは「元手がなくてもできる」という理由からだという[1]

投稿した漫画が採用されたことをきっかけに上京し、19歳で単行本デビュー。ボクシング漫画『傷だらけの挑戦』だった。ただ、本はほとんど売れなかったという[1]。しかし、このままでは終われんと一念発起、漫画に集中できるだけのカネを貯めようと川崎の工事現場で働き、それをネタにした漫画を『週刊少年ジャンプ』に持ち込み、そのままジャンプ編集部に居候のようなかたちで転がり込んだ[1]

1979年、『週刊ヤングジャンプ』が創刊され、飯場ホームレスの男性がけんかの代理業で稼ぐ『無頼風』を連載。毎週、本宮ひろ志と人気トップを争うなど、連載は3年間続いた[1]

しかし、2003年には仕事が途絶え、漫画家を一旦廃業。すべての原稿を処分し[2]、「遺書と、万が一の場合の埋葬費10万円をバックに忍ばせて」[1]四国遍路の旅に出る。

2004年1月、88の札所を回り終える。7月からは旅の体験を「55歳の地図 実録!リストラ漫画家遍路旅」として『週刊漫画ゴラク』に連載。その後、単行本化・電子書籍化もされた。

2013年9月、自転車で日本列島縦断の旅に出る。高知県高知市種崎千松公園で野宿中の翌年5月、高知新聞の取材を受け、5月16日付けの「金曜フリースペース」で報じられる。記事の最後は「この腕が動かなくなるまで描き続けますよ。誰も見たことがない、自分しか描けない漫画を」という本人の言葉で締め括られている[1]

2020年4月現在、高知県土佐清水市にある民宿で働いていることが確認されている[3]

作品

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単行本

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  • ファイター幻(1977年、集英社、全4巻)
  • 風のがくらんらん(1983年、ジェッツコミックス、白泉社、全1巻)
  • 吹けよ!疾風(1985年、全2巻)
  • ハスラー・ザ・キッド(全5巻)
  • 無頼風(全7巻)
  • 宇宙遊撃隊 りぼるばあ(1988年、ぶんか社、全1巻)
  • ザ・ボクサー(全2巻)
  • 激駿ドンガメオー(1992年、全2巻)
  • 黄土の奔流(1992年、ヤングジャンプ・コミックス、全1巻)※生島治郎の冒険小説『黄土の奔流』のコミック化
  • がくらん無頼(全2巻)
  • 風の隼(全1巻)
  • 野球無頼(全1巻)
  • 55歳の地図(2005年、週刊漫画ゴラク、日本文芸社、全1巻)

電子書籍

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  • 55歳の地図 Again(全1巻) - 特製ネームブック
  • 55歳の地図 Again~虹の峠から~(全1巻)- 特製ネームブック

読切

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  • YABU(1990年、ヤングジャンプ30 1990.9.10増刊、集英社)

脚注

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  1. ^ a b c d e f g “放浪漫画家 遍路を描く 黒咲一人さん”. 高知新聞. (2014年5月16日) 
  2. ^ Jコミで扉を開けた男“漫画屋”赤松健――その現在、過去、未来(後編)”. ITmedia eBook USER (2010年12月9日). 2021年4月20日閲覧。
  3. ^ 四国遍路の旅 高知編16日目「民宿大岐の浜から三原村農家民宿くろうさぎ」”. 2021年4月20日閲覧。

師匠

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