darktable
darktable (ダークテーブル) は、フリーかつオープンソースの写真管理・RAW画像編集ソフトウェアである。Adobe PhotoshopやGIMPなどのビットマップ画像編集ソフトウェアとは異なり、RAW画像の編集に特化している。Linux・FreeBSD・Solaris・macOS・Windowsなどに対応しており、GNU GPL v3+の下で公開されている[5]。
darktable バージョン3.6.0のスクリーンショット | |
作者 | ヨハネス・ハニカ[1] |
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初版 | 2009年[2] |
最新版 | 5.0.0[3] - 2024年12月21日 [±] |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 | C言語、GTK |
対応OS | Linux、FreeBSD、Solaris、macOS、Windows |
プラットフォーム | x86-64、AArch64 |
対応言語 | 26言語[4] |
サポート状況 | 開発中 |
種別 | 写真管理・RAW画像編集 |
ライセンス | GNU GPL v3+[5] |
公式サイト |
www |
特徴
編集darktableには他のRAW画像編集ソフトウェアと同様に、非破壊編集という概念が存在する。編集を行った結果を直ちには反映せず、最終的なレンダリングを行うまで元の画像のデータを保持する。darktableは、組み込みのICCプロファイル、GPUアクセラレーション (OpenGLベース)、一般的な画像ファイルフォーマットに対応している。
マスク
編集darktable バージョン1.4の主な新機能は、描画されたマスクのサポートで、画像の指定された領域にエフェクトを適用することができる。利用可能なマスクは、ブラシ・円・楕円・ベジェ曲線・グラデーションである。これらはサイズの変更が可能となっており、スムーズなブレンドのためにフェードアウト半径が利用可能で、不透明度の調整ができる。任意の個数のマスクを作成することが可能で、ダークルームUIの左側にある「マスクマネージャ」に集めることができる[6]。
色空間
編集darktableには、sRGB・Adobe RGB・XYZ・リニアRGBのICCプロファイルが組み込まれている[7]。
ファイルフォーマット
編集RAW画像・JPEG・HDR画像・PFMなどの画像ファイルを、ストレージやカメラから読み込むことができる。書き出しについては、ストレージ・Google フォト・Facebook・Flickr・電子メール・シンプルなHTMLベースのウェブギャラリーに対応している。書き出すことのできるファイルフォーマットは、JPEG・PNG・TIFF・PPM・PFM・OpenEXRである[8]。
スクリプト
編集darktableはLua バージョン5.2で書かれたスクリプトが利用できる。指定されたイベントに反応して、darktableが実行する処理を定義することができる。スクリプティングの例としては、ダークルームの外で追加の処理を行うために、ファイルの書き出し中に外部のアプリケーションを起動するなどがある[9]。
マルチモードヒストグラム
編集ユーザインタフェース
編集darktableには「ライトテーブル」と「ダークルーム」の2つの主要なモードが存在する。これらの名称は写真編集技術の発展の歴史を示している[11]。その他のモードとしては「テザリング」・「マップビュー」などがある。darktableを起動したときには、デフォルトでライトテーブルモードが開き、画像コレクションの一覧が表示される。画面を有効活用するために、全てのモードの全てのパネルは最小化が可能となっている[12]。
- ライトテーブル
- 左側のパネルは画像の読み込みを行い、Exif情報の表示をして、画像のフィルタリングを行うためのパネルである。評価ボタンと分類ボタンは上部にあり、右側のパネルには「メタデータエディタ」や「タグエディタ」などの様々なモジュールが存在する。画像の書き出しを行うモジュールは右下に存在する[13]。
- ダークルーム
- ダークルームモードでは、中央に画像が表示され、その周囲にパネルが配置される構造となっている。殆どのツールは右側に表示される。左側のパネルには、現在の画像・編集履歴・カラーピッカー・Exif情報のパン可能なプレビューが表示される。下部のパネルには他の画像も含むリストが表示され、上部のパネルを利用することでソートとフィルタリングを行うことができる。また、上部パネルから環境設定にアクセスすることができる。環境設定を行うことで、独自のキーボードショートカットを設定することができる[14]。
- テザリング
- テザリングモードでは、gPhotoに対応しているカメラとテザリングを行うことができる[15]。
- マップビュー
- マップビューでは、オンラインのGISから地図を表示することが可能で、ドラッグ・アンド・ドロップで画像にジオタグを付けることができる。また、既にジオタグが付けられている画像を読み込むと、地図上に画像が表示される[16]。
プラグイン
編集開発
編集Google Summer of Code
編集2011年、darktableの開発チームはGoogle Summer of Codeに参加した[18]。主な目標はlibgladeに依存している状況の解消を行い、モジュール化を進めることであった。キーボードショートカットを扱うための入力システムも改良され、その成果がdarktable バージョン0.9に組み込まれた[19]。
配布
編集darktableはGNU GPL v3+の下で配布されているフリーソフトウェアである[20]。現在のバージョンは、Linux・FreeBSD・Solaris・macOS・Windowsで動作する[21]。Arch Linux・Debian・Fedora・Gentoo Linux・openSUSE・Ubuntuなどの主要なLinuxディストリビューションでは、デフォルトのリポジトリに含まれており、インストールを行うことができる[21]。
リポジトリ
編集脚注
編集注釈
編集- ^ バージョン1.4から対応。
出典
編集- ^ “contact”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Release 0.3”. darktable.org (2009年10月23日). 2018年7月30日閲覧。
- ^ "Release 5.0.0"; 閲覧日: 2024年12月21日; 出版日: 2024年12月21日.
- ^ “LINGUAS”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ a b “about”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ Nathan Willis (2014年1月1日). “Darktable 1.4”. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Color management”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ a b “features”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Scripting with Lua”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Histogram”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “第474回 UbuntuとdarktableではじめるRAW現像入門”. 技術評論社 (2017年6月7日). 2018年7月30日閲覧。
- ^ “A RAW Feast on the Linux Darktable (Photo Editor)”. Linux Foundation (2012年4月25日). 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Lighttable”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Darkroom”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Tethering”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Map”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Modules”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Who’s New in Google Summer of Code: Part 7”. Google Open Source Blog (2011年7月15日). 2018年7月30日閲覧。
- ^ “Glade Removal Complete, Moving on to Keyboard Accelerators”. darktable.org (2011年6月6日). 2018年7月30日閲覧。
- ^ “LICENSE”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。
- ^ a b “install”. darktable.org. 2018年7月30日閲覧。