あつかう

日本語

語源

古典日本語「あつかふ」

発音

• (東京式) あつかう [àtsúkáú] (平板型 – [0])
• (東京式) あつか​う [àtsúkáꜜù] (中高型 – [3])
• IPA^(?): [a̠t͡sɨᵝka̠ɯ̟ᵝ]
• (京阪式) あつかう

動詞

あつかう【扱う】

1. 機械・道具などを手で持ったり動かしたりして使う。
   • そんな土だらけの汚い手でガーゼを扱ったら、傷がすぐ化膿します。（永井隆『長崎の鐘』）
2. 業務の範囲として処理する。
   • 夏場、東京 魚河岸で扱うまぐろは一日約一千尾という。（北大路魯山人『鮪を食う話』）
3. 取り上げて問題にする。
   • 源氏物語は、男女の恋愛ばかりを扱っているように思われているだろうけれど、我々は此（この）物語から、人間が大きな苦しみに耐え通してゆく姿と、人間として向上してゆく過程を学ばなければならぬ。（折口信夫『反省の文学源氏物語』）
4. 人をもてなす。応対する。
   • この旅館は主として阪東三十三ヶ所お大師詣での団体を扱うのであるが、この団体は六十ぐらいの婆サンが主で、導師につれられて、旅館で酒宴をひらいてランチキ騒ぎをやるのである。（坂口安吾『釣り師の心境』）
   • 時折り彼は彼女をどう扱ってよいか解らなかった。（岡本かの子『決闘場』）
5. （「AをBとして扱う」の形で）ある状態や立場にあるものと捉える。処遇する。
   • つまり彼らは私を親友として扱ってくれているのである。（坂口安吾『巷談師』）
   • これは昔たいへん貴重なものとして扱われた鉱石なんだ。（海野十三『時計屋敷の秘密』）

活用

活用と結合例

あつか-う 動詞活用表（日本語の活用）

ワ行五段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
あつか	わ お	い っ	う	う	え	え

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	あつかわない	未然形 + ない
意志・勧誘	あつかおう	未然形音便 + う
丁寧	あつかいます	連用形 + ます
過去・完了・状態	あつかった	連用形音便 + た
言い切り	あつかう	終止形のみ
名詞化	あつかうこと	連体形 + こと
仮定条件	あつかえば	仮定形 + ば
命令	あつかえ	命令形のみ

関連語

• あつかい（名詞形）

複合語

• 取り扱う、持ち扱う、もて扱う