さ

さ 教科書体

書き順

日本語

• 平仮名。
• 五十音図: さ行 あ段
• いろは順: 37番目
• 字源: 左の草体より。
• かたかな　サ。

助詞

終助詞

1. 主張を強調する。反駁を表す。
   • 僕にだってやれるさ
2. （沖縄の方言）事態の軽い強調を表す。〜のだ。よ。
   • ついさっき起きてきたさ
3. 気楽に構えたり、投げやりな気持ちをこめたりする
   • まあ、気にしないさ
4. （「と」や「って」などに後続して）直接経験していないことを紹介する。伝聞を表す
   • 昔々、おじいさんがおったとさ
5. （やや古）疑問詞疑問文で、疑問の語気を表す
   • どうしたのさ
6. 文節の切れ目に入れて、語調を整えたり、話が続くことを示したりする。ほぼ同用法の助詞「ね」に比べて相手に確認する意が弱い。
   • そこでさ、僕がさ、言ったんだよ

格助詞

1. 東北方言などで、動作や作用の向けられる方向・場所・相手を示す。「様」が変化したもので、「に」に相当。
   • おら東京さ行ぐだ

感動詞

さあの形もとる

1. 人を誘うことを表す
   • さ、行こう。
2. 驚いたり、困っていることを表す
   • さ、どうしよう

接頭辞 

1. 【小、狭】 語調を整える。実質的な意味はないが、時に美化して言う。
   • さゆり（小百合）
   • さぎり（狭霧）
   • さごろも（狭衣）
   • さやま（狭山）
2. 田植えの時期に関係のあることを表す。
   • さみだれ（五月雨）
   • さおとめ（五月女、早乙女）
   • さなえ（早苗）
3. 【早】早い時期のものを表す。
   • さわらび（早蕨）
4. 強調する
   • さまよう（彷徨う）
5. 時間を表す語について、その先のものを表す
   • さ来年

接尾辞

1. （形容詞・形容動詞の語幹に加えて）程度、そうであることを示す名詞を作る。
   • 楽しさ
   • 静かさ
   • 暖かさ
   • 金欲しさの犯行

参照

• み

漢字

Wiktionary:漢字索引 音訓 さ#サ参照

文字コード

• Unicode
  • 16進: 3055 さ
  • 10進: 12373 さ

古典日本語

代名詞

さ

1. そいつ。

関連語

• さが

副詞

さ【然】

1. そう。そのように。

関連語

• さある
• さり
• さるべき

接頭辞

さ【小・狭】

1. （名詞・動詞・形容詞に付いて）語調を整え、語意を強める。
   • さよ（さ夜）
   • さみだる（さ乱る）
   • さどほし（さ遠し）
   • さぬ（さ寝）
   • さくもる（さ曇る）
   • さまねし（さまねし）
   • さはしる（さ走る）
   • さおどる（さ踊る）

用法

上代日本語においては、接頭辞「さ」を無意志性の主語に、接頭辞「い」を意志性の主語に用いた。

接尾辞

さ

1. （形容詞・形容動詞の語幹に加えて）程度、そうであることを示す名詞を作る。
   • 恋しさ
   • 寂しさ
2. （和歌の末句の形容詞の語幹に付き、上の「の（が）」と呼応して）全体を体言化し、感動の意を表す。
   • 秋風にたなびく雲の絶え間よりもれ出づる月の影のさやけさ（左京大夫顕輔、『小倉百人一首』79番）
3. （動詞の終止形に付いて）その動作の行われつつある時・場合の意を表す名詞を作る。
   • 行くさ
   • 来さ
4. （名詞または動詞の連体形に付いて）方向を表す名詞を作る。
   • 縦さ
   • 入るさ

---