日本語

編集

語源

編集

古典日本語なし

形容詞

編集

ないい /い(用法は下記参照)】

  1. 存在否定されること、またはその状態
  2. 持たない、保有していない、付属していない、など。
  3. (やや硬い)人がいない。家族親族などがいない。
    • 天下にまたとない人物
    • 親兄弟もなく妻も子もない天涯孤独の身。
    • 桜の花も散り、花見をするない
  4. (やや硬い)すでに死去しこの世にいない、死んだ
  5. 滅んだ消滅した、現存しない。
    • そのチームは今やない
    • 建物は取り壊され跡形もない
  6. 見当たらない、用意されていない、など。
    • ボールペンがないんだけど、どこかに持ってった?
    • おい、お茶がないぞ。早く持って来い。
  7. (動作性の名詞に関して)得られていない、受けていない、など。
  8. 資源物量性質感情などが乏しい。(有無より多寡が問題となっているため「あまりない」「さほどない」「なさすぎる」といった表現が可能)
  9. 数量などが達していない、届いていない、(それよりは)少ない。
    • 長いものでも2メートルまではない。あと1週間ない。100キロもの距離ない
  10. 程度が及ばない、値しない、可能性としてありえない、考えられない、
    • この出来ばえで入賞ないね。せいぜい佳作レベルだ。
    • 恋人ならいいけど、この人と結婚ないかな。
    • 「どのがいいと思いますか」「A案とC案はないな。B案でいこうか」
    • 納豆にもマヨネーズかける?」「さすがにそれはない
  11. とんでもない、ひどい、常軌を逸している、筋違いだ、無茶だ、理不尽だ。
    • そりゃないよ。そんな言い方はないでしょ。
    • 家の前を通っただけで泥棒呼ばわりはないでしょうが。
    • いくら金に困ってたからって銀行強盗ないだろ。
  12. これ以上のものはない。
    • 楽しいと言ったらない/楽しいったらない。(=この上なく楽しい、とても楽しい)
    • こんなにひどい話はない。(=これはきわめてひどい話だ。cf. そんなにひどい話ではない。)
    • ショーほど素敵商売ない。(=ショービジネスは最も素敵な商売だ)
  13. (「したことがない」などの形で)経験がない、過去発生事例がない。
  14. (「することがない」などの形で)可能性がない。
  15. (「することはない」などの形で)必要がない、義務がない。
    • わざわざ予約することもないだろう。
    • そんなことでわんわん泣くことはないじゃないの。
  16. (補助形容詞として)形容詞又は形容動詞の指し示す状態について打消す。
    • 「ちっとも早くない」「彼は人に寛容ない

用法

編集
丁寧形はありませんを用いる。ないですも可能だが、口語的。
「亡い」は一般に故人であることを示す場合に用いる。ただし修辞的な表現では他の意味で用いることもある。
愛の亡い日々。国亡き民。
「亡し」は漢文訓読では「無し」と同義。
くしてりとし、むなしくしててりと為し、やくにしてたいと為す。かたきかな、つね有ること。(論語 七之二五

派生語

編集

翻訳

編集

助動詞

編集

ない

  1. 動作状態などの打ち消しの意を作る。
  2. 語義1より、反語的用法として、勧誘の意を作る。
    • 「今度食事に行かない?」

用法

編集
  1. 接続
    1. 動詞:未然形接続
    2. 形容詞形容動詞:連用形接続
    3. 助動詞
      1. 動詞形活用のもの(「せる」「させる」「しめる」「れる」「られる」「たがる」):未然形接続
      2. その他の助動詞(「たい」「らしい」「」「そうだ」「べきだ」「ようだ」):連用形接続
      3. 過去の助動詞「(音便化したを含む)」には後続して接続しない。
  2. 動詞あるにはつかない。代わりに形容詞ないを用いる。
    • ただし、「ある」は文語の打消しの助動詞には接続し、現代語でも成句的に用いられ、一般に「ない」と言い換えられない(あらずあらぬ等)。

活用

編集
未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用型
なかろ なく
なかっ
ない ない なけれ 形容詞型

語源

編集

上代東国方言「なふ」か。

類義語

編集

派生語

編集

翻訳

編集

古典日本語

編集

名詞

編集

ない

  1. 地震なえ
  NODES
os 1