日本語

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名詞

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(いそう)

  1. (物理学) 波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量
    • 1934年、寺田寅彦「疑問と空想」[1]
      それで第一声の前半の反響がほぼその第一声の後半と重なり合って鳥の耳に到着する勘定である。従って鳥の地上高度によって第一声前半の反響とその後半とがいろいろの位相で重なり合って来る。
    • 1945-1946年、海野十三「火星探険」[2]
      こうして二時間ばかりを、本艇は何事もなく至極平穏に送ったのであった。その間に、火星の表面は、すこしばかり西へ位相を変えた。
    • 2014年、中川貴「励磁音響効果に関する基礎的研究」[3]
      実際に図 3(a)に示したように,励磁電流と励磁音響波の位相は一致しておらず,距離に応じた位相ずれを検出できれば,Z 方向の特定ができそうに思われる.
  2. (物理学、化学の旧用語)化学的組成や物理的状態が基本的に同一である物質の形態。現代ではという。
  3. (言語学)同一の言語体系において、使用局面が異なることにより区別・構成される特定の下位体系。女性語符牒など。言語使用域レジスタージャンル
  4. (位相空間論) 連続性、連結性、収束などの概念定義するために集合導入される数理的構造。ある集合に与えられる開集合位相構造
  5. 或る世界社会での位置
    • 1937年、戸坂潤「戦争ジャーナリスト論」[4]
      戦争は社会秩序の或る特殊の象面や位相であって、社会秩序以外のものではない。
    • 1978年、秦豊、第84回参議院国会[5]
      それから、あえて言えば行政組織、機構の柔軟化、現代化、あるいは国と地方の間の機能分担等々、あるいは国と民間、国と個人とさまざまな位相が乱れていますね。
    • 2013年、太田昭宏、第183回衆議院国会[6]
      しかし、これは市場の話でありますので、意識してどの角度でそうした証券化をしていくのかということは、またちょっと位相の異なる問題だというふうに思っています。

語源

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  • 物理学用語"phase"(フェーズ)の訳語として案出された語。
  • 言語学は、言語学者菊沢季生が語義2の翻訳語を適用したもの。
  • 数学は、topologyの訳語。

複合語

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翻訳

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語義1

語義2

語義3

語義4


  1. 青空文庫、2000年10月3日公開、2003年10月30日修正(底本:「寺田寅彦随筆集 第五巻」小宮豊隆編、岩波文庫、岩波書店、1993(平成5)年10月15日第61刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2361_13802.html
  2. 青空文庫、2005年2月21日作成(底本:「海野十三全集 第11巻 四次元漂流」三一書房、1988(昭和63)年12月15日第1版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000160/files/3049_17914.html
  3. 中川 貴, 励磁音響効果に関する基礎的研究, ホソカワ粉体工学振興財団年報, 2014, 22 巻, p. 47-55, 公開日 2017/07/05, Online ISSN 2189-4663, https://doi.org/10.14356/hptf.12106 CC BY 2.1JPで公開
  4. 青空文庫(2012年8月24日作成)(底本:「戸坂潤全集 第五巻」勁草書房、1968年12月10日第3刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000281/files/55351_48549.html 2019年3月2日参照。
  5. 「第84回参議院国会 内閣委員会 第15号(昭和53年6月1日)」国会会議録検索システム http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/084/1020/08406011020015c.html 2019年3月2日参照。
  6. 「第183回衆議院国会 国土交通委員会 第13号(平成25年5月22日)」国会会議録検索システム http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/183/0099/18305220099013a.html 2019年3月2日参照。
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