夫

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漢字

夫

象形。もと「大」と同形で、大人の形^{[字源 1]}。意味のない装飾的な横棒を加えて「夫」の字体となる。甲骨文字では「大」と「夫」の両字は厳密な使い分けがされていなかった^{[字源 2]}が、のちに用法に従って区別するようになった。「成人男子」を意味する漢語｛夫 /*p(r)a/｝を表す字。
- 『説文解字』では簪を挿した人の姿と解釈されているが、これは誤った分析である。簪は「幵」と書かれ、単なる横棒で表現されることは無い。

甲骨文字	金文	小篆	流伝の古文字

殷	西周	《説文》（漢）	《六書通》（明）

↑ 裘錫圭『文字学概要』商務印書館、1988年、3、122頁。
張世超、孫凌安、金国泰、馬如森『金文形義通解』中文出版社、1996年、2502-2505頁。
黄徳寛主編『古文字譜系疏証』商務印書館、2007年、1638-1640頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、2頁。
陳剣「釈“瓜”」『出土文献与古文字研究』第9輯復旦大学出土文献与古文字研究中心編、上海古籍出版社、2020年、95頁。
↑ 羅振玉『増訂殷虚書契考釈』東方学会、1927年、巻下30頁。
于省吾主編『甲骨文字詁林』中華書局、1996年、215-217頁。

音	漢音: フ表内呉音: フ表内慣用音: フウ表内
訓	訓読み: おっと表内

（～ふ）（少なくともかつては主に）男性が従事する特定の職業。現在は性差別につながるとして、用いられなくなっている。
- （例）鉱夫、水夫、清掃夫、潜水夫、点灯夫
- （対）～婦

ローマ字表記
- 普通話
  - ピンイン: fū (fu1); fú (fu2)
  - ウェード式: fu¹
- 広東語
  - イェール式: fu1
- 閩南語
  - POJ: hu, ang
- 客家語
  - 白話字: fû
- 呉語
  - ピンイン: fu1, vu1
- 中古音: bju, pju
- 上古音: *ba {*[b](r)a}, *pa {*p(r)a}

夫	U+592B, 夫 CJK 統合漢字-592B

文字コード (文字集合規格)
-	Unicode: U+592B
日	JIS X 0213/0208: 1面41区55点 [第1水準] (`Shift_JIS=0x9576`, `EUC-JP=0xC9D7`, `ISO-2022-JP=0x4957`) MJ文字図形: MJ009456
中	GB18030: `0xB7F2`
台	Big5: `0xA4D2` CNS 11643: 1面 `0x4533`
韓	KS X 1001: `0x5C7D`

漢点字	六点漢字
⡁⢞	⠨⠽⠊