心

漢字

心

部首: 心心 + 0 画
総画: 4画4

異体字 : 㣺（部首の変形）, 忄（部首の変形）, 腎（の代用字）

筆順 :

字源

象形。心臓を象る^{[字源 1]}。「こころ」を意味する漢語｛心 /*səm/｝を表す字。

金文	甲骨文字	金文	簡帛文字	小篆	流伝の古文字

殷		西周	戦国時代	《説文》（漢）	《六書通》（明）

↑ 于省吾「釈心」『甲骨文字釈林』中華書局、1979年、361-367頁。
張世超、孫凌安、金国泰、馬如森『金文形義通解』中文出版社、1996年、2519-2520頁。
季旭昇撰『説文新証』芸文印書館、2014年、787頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、27頁。

意義

常に動いて血液を送り出す臓器。心臓。
考える又は思うこと。精神。心理。
真ん中。中心。

日本語

教育漢字 (第2学年)

音	漢音: シン表内呉音: シン表内
訓	訓読み: こころ表内

名詞

こころ。
（シン）心臓。
- 心不全。心血管。

熟語

手書きの字形について

第3画の終筆ははねても止めてもよい。^[1]

代用字

「腎」の代用字として用いられることがある。

肝腎→肝心

中国語

心 *

ローマ字表記
- 普通話
  - ピンイン: xīn (xin1)
  - ウェード式: hsin¹
  - 注音符号: ㄒㄧㄣ
- 広東語
  - イェール式: sam1
- 閩南語
  - POJ: sim
- 閩東語
  - 平話字: sĭng
- 閩北語
  - KCR: séng
- 客家語
  - 白話字: sîm
- 呉語
  - ピンイン: sin1
- 贛語: xin1
- 晋語: xing1
- 湘語: sin1
- 中古音: sim
- 上古音:
  - 白一平-サガール: *səm
  - 鄭張: *slɯm

語源

シナ・チベット祖語 *s(j)am-s「こころ」
- チベット語 སེམས （考える）、リンブー語 sam （たましい）、レプチャ語 ᰠᰩᰮ sóm （呼吸する）等と同根。^{[語源 1]}

↑ Paul Benedict, Sino-Tibetan: a Conspectus, Cambridge University Press, p. 184.
Weldon South Coblin, A Sinologists Handlist of Sino-Tibetan Lexical Comparisons, Steyler Verlag, 1986, p. 93.
James Matisoff, Handbook of Proto-Tibeto-Burman, University of California Press, 2003, pp. 311, 532.
Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 538.

名詞

心（こころ）。
(解剖学) 心臓。
(天文学) 古代中国天文学における天球分割法二十八宿の一つ、心宿。さそり座のα星であるアンタレス他二星。

熟語

朝鮮語

心 *

ハングル: 심
音訓読み: 마음 심
- 文化観光部2000年式: sim
- マッキューン＝ライシャワー式: sim
- イェール式: sim

名詞

芯。
(食品, 粥に入れる) 団子。
（傷口に詰め込む）ガーゼ。
(植物学) 木（き）の髄。

熟語

寒心 (한심 (hansim))

ベトナム語

心 *

ローマ字表記
- Quốc ngữ: tâm

名詞

心（こころ）。
中心。

文字情報

心	U+5FC3, 心 CJK 統合漢字-5FC3

← 忂
[U+5FC2]

CJK統合漢字

忄 →
[U+5FC4]

文字コード (文字集合規格)
-	Unicode: U+5FC3
日	JIS X 0213/0208: 1面31区20点 [第1水準] (`Shift_JIS=0x9053`, `EUC-JP=0xBFB4`, `ISO-2022-JP=0x3F34`) MJ文字図形: MJ011369
中	GB18030: `0xD0C4`
台	Big5: `0xA4DF` CNS 11643: 1面 `0x4540`
韓	KS X 1001: `0x637D`

四角号碼: 3300₀
倉頡入力法: 心 (P)

漢点字	六点漢字
⢭	⠸⠳⠪

字典掲載
康熙字典	375ページ, 1文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版)	10295
新潮日本語漢字辞典 (2008)	3399
角川大字源 (1992)	2731
講談社新大字典 (1993)	4721
大漢語林 (1992)	3283
三星漢韓大辞典 (1988)	700ページ, 5文字目
漢語大字典 (1986-1989)	4巻, 2267ページ, 1文字目

脚注

↑ 『常用漢字表の字体・字形に関する指針（報告）』p.156 2016年2月29日文化庁

[1] 于省吾「釈心」『甲骨文字釈林』中華書局、1979年、361-367頁。
張世超、孫凌安、金国泰、馬如森『金文形義通解』中文出版社、1996年、2519-2520頁。
季旭昇撰『説文新証』芸文印書館、2014年、787頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、27頁。

[3] Paul Benedict, Sino-Tibetan: a Conspectus, Cambridge University Press, p. 184.
Weldon South Coblin, A Sinologists Handlist of Sino-Tibetan Lexical Comparisons, Steyler Verlag, 1986, p. 93.
James Matisoff, Handbook of Proto-Tibeto-Burman, University of California Press, 2003, pp. 311, 532.
Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 538.

[2] 『常用漢字表の字体・字形に関する指針（報告）』p.156 2016年2月29日文化庁

[字源 1]

[1]

[語源 1]