日本語

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名詞

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(ゆうのう)

  1. 能力高いこと。
    • 1925年~1926年、国枝史郎「神州纐纈城」[1]
      戦国の慣いどこへ行っても矢叫びの声武者押しの音、有能の士は抱えられた。だが俺だけは駄目だった。
    • 1939年~1943年、吉川英治「三国志」[2]
      野に遺賢なしということばがありますが、いつの時代になろうが、かならず人の中には人がいるものです。ただ、それを見出す人のほうがいません。また、それを用うる組織が悪くて、有能もみな無能にしてしまうことが多い
    • 1950年、中井正一「組織としての図書館へ」[3]
      そこで彼は、副館長のもとに、整理の全組織を統一せしめる大手術を加えた。そして、事務局の理事に有能の士ベルナール・クラップ氏(現副館長)を据えて、全体を精密機械の如く組織化したのである。

発音

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用法

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主に助詞「」を伴って形容詞的に用いられ、形容動詞と比較して使用頻度は少ない。

類義語

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形容動詞

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(ゆうのう)

  1. 能力高いさま。
    • 1940年、宮本百合子「若い婦人の著書二つ」[4]
      大迫さんにしろその周囲の中では有能な一人の娘さんであることは確だし、野沢富美子という人の文筆上の才も将来に期待したい力を暗示している。
    • 1958年、柳田国男「故郷七十年」[5]
      そこは西光寺野という、開墾場になっていて、隣家の非常に有能で勤勉な夫婦者が、ちょうどそこを開墾していた。
    • 2019年、奥増夫訳、フレッド・M・ホワイト「くちなしの花」[6]
      しばらくすると、マーク・ベンモアが加わった。警部補は有能な仲間を得て、嬉しくなった。

活用

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類義語

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対義語

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翻訳

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  1. 青空文庫(2010年10月16日作成、2012年1月26日修正)(底本:「神州纐纈城」大衆文学館、講談社、1995年4月20日第2刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/1403_41259.html
  2. 青空文庫(2013年7月11日作成)(底本:「三国志(四)」吉川英治歴史時代文庫、講談社、2008年12月1日第54刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/52414_51065.html
  3. 青空文庫(2008年1月26日作成)(底本:「論理とその実践――組織論から図書館像へ――」てんびん社、1976年3月20日第2刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001166/files/46280_29566.html
  4. 青空文庫(2003年2月13日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十二巻」新日本出版社、1986年3月20日第4刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/2890_9138.html
  5. 青空文庫(2018年6月27日作成)(底本:「故郷七十年」神戸新聞総合出版センター、2010年3月25日新装版)https://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/55742_65234.html
  6. 青空文庫(2019年4月7日作成、CC BY 2.1 JP公開)(底本:Fred M. White The Slave of Silence. Little, Brown, & Company: Boston, 1906.)https://www.aozora.gr.jp/cards/002043/files/59759_67837.html
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