道

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漢字

道󠄀

部首: 辵辵 + 9 画
総画: 12画12

道󠄁

部首: 辵辵 + 9 画
総画: 13画13
旧字体

異体字 : 噵, 衜（同字）, 衟（古字）, 辺（二簡字/別字衝突）, 𨕥（古字）, 𨖁（古字）

筆順 :

字源

形声。「辵」+音符「首 /*LU/」^{[字源 1]}。「みち」を意味する漢語｛道 /*luuʔ/｝を表す字。
- 金文にある「行」+「首」+「又」の字体を根拠にして「異族の首を携えて祓い清めたところ」を指すという説がある^{[字源 2]}が、「首」を「舀 /*LU/」と入れ替えた異体字の存在^{[字源 3]}や字音が示す通り「首」は形声文字の音符であるため「首」という文字の意味とは関係がなく、さらに「又」は「止（人の足）」の崩れた形に由来するため「又」という文字の意味とも関係がなく、誤った解釈である^{[字源 4]}。

金文	簡帛文字	小篆	流伝の古文字

西周	戦国時代	《説文》（漢）	《六書通》（明）

↑ 張世超、孫凌安、金国泰、馬如森『金文形義通解』中文出版社、1996年、347-350頁。
黄徳寛主編『古文字譜系疏証』商務印書館、2007年、535-536頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、446頁。
↑ 白川静『新訂字統』平凡社、2004年、680頁。
↑ 劉釗『古文字構形学』福建人民出版社、2006年、88頁。
↑ 嚴一萍「釈𧗟」『中国文字』第7冊 1962年。
張亜初『商周古文字源流疏證』中華書局、2014年、790-794頁。

意義

みち。
- (1)とおりみち
- (2)人の守るべき条理。「道理」
- (3)行政区画の名。
いう。
- (1)いう（言）。かたる。「報道」
- (2)みちびく。
よる（由）。より（従）。

語源

派生関係は明らかではないが、チベット語 ལམ （道）、ビルマ語 လမ်း （道）、西夏語 𗯘 lo² （踏む）等と同根の可能性がある^{[語源 1]}。
- ビルマ語 လျှောက် （歩く）と関連付ける説もあるが、音の対応には問題がある。
- モン・ミエン祖語 *kləuX （道）^{[語源 2]}は同根語の可能性がある^{[語源 3]}。借用方向は説明されていない。
- 原義は「異族の首を携えて祓い清めたところ」であるという説がある^{[語源 4]}が、それを支持する証拠は無い。

↑ 龔煌城「The System of Finals in Proto-Sino-Tibetan」『漢蔵語研究論文集』北京大学出版社、2002年、98-99頁。
↑ Martha Ratliff, Hmong-Mien Language History, Pacific Linguistics, 2010, pp. 91, 117.
↑ Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 207.
↑ 白川静『新訂字統』平凡社、2004年、680頁。

日本語

教育漢字 (第2学年)

音	漢音: トウ表内[タウ] 呉音: ドウ表内[ダウ] 唐音: トウ表内[タウ]
訓	訓読み: みち表内

名詞

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みち。
（ドウ）地方行政区画のひとつ。
1. 古代中国における行政区画。
  1. 唐、遼における最上位の地方行政区画。
  2. 清、中華民国初期では、最上位の行政区画である省の下の行政区画。
2. 朝鮮、韓国における最上位の行政区画。
3. 古代日本において、畿内以外のいくつかの令制国をまとめた行政区画。
4. 現代日本における最上位の行政区画である都道府県のひとつ。北海道。
（ドウ、みち）専門化された高度な技芸。

熟語

中国語

道 *

ローマ字表記
- 普通話
  - ピンイン: dào (dao4), dǎo (dao3)
  - ウェード式: tao³, tao⁴
  - 注音符号: ㄉㄠˋ
- 広東語
  - イェール式: dou6
- 閩南語
  - POJ: tō, tǒ͘, tǒ, tō͘
- 閩東語
  - 平話字: dôܸ
- 閩北語
  - KCR: dàu
- 客家語
  - 白話字: tho, to
- 呉語
  - ピンイン: dau2
- 贛語: tau5
- 晋語: dau3
- 湘語: dau5, dau4
- チワン語
  - ラテン文字: dauh (dau33)
- 中古音: dawH, dawX
- 上古音: *lˁuʔ-s, *kə.lˁuʔ {*[kə.l]ˁuʔ}

名詞

dào

みち。
線。

動詞

dào

言（い）う。
思（おも）う。

量詞

dào

細（ほそ）長（なが）いものの数。
門や塀などの数。
命令や問題などの数。
回数。

熟語

朝鮮語

道 *

ハングル: 도
音訓読み: 길 도
- 文化観光部2000年式: do
- マッキューン＝ライシャワー式: to
- イェール式: to

名詞

みち。
道理。
国の下位にあり、市・郡・区の上位に位置する韓国と北朝鮮の行政区域。

人名

朝鮮人の姓の一つ。

熟語

ベトナム語

クオック・グー: đạo, đáo

名詞

đạo

みち。道路。
宗教。

文字情報

道	U+9053, 道 CJK 統合漢字-9053

← 遒
[U+9052]

CJK統合漢字

達 →
[U+9054]

文字コード (文字集合規格)
-	Unicode: U+9053
日	JIS X 0213/0208: 1面38区27点 [第1水準] (`Shift_JIS=0x93B9`, `EUC-JP=0xC6BB`, `ISO-2022-JP=0x463B`) MJ文字図形: MJ026058, MJ026059
中	GB18030: `0xB5C0`
台	Big5: `0xB944` CNS 11643: 1面 `0x672C`
韓	KS X 1001: `0x5433`

四角号碼: 3830₆
倉頡入力法: 卜廿竹山 (YTHU)

漢点字	六点漢字
⣇⠘	⠨⠠⠷

字典掲載
康熙字典	1262ページ, 6文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版)	39010/39010'
新潮日本語漢字辞典 (2008)	12864/12865
角川大字源 (1992)	10221/10222
講談社新大字典 (1993)	17228/17229
大漢語林 (1992)	11608/11609
三星漢韓大辞典 (1988)	1754ページ, 9文字目
漢語大字典 (1986-1989)	6巻, 3864ページ, 1文字目

[1] 張世超、孫凌安、金国泰、馬如森『金文形義通解』中文出版社、1996年、347-350頁。
黄徳寛主編『古文字譜系疏証』商務印書館、2007年、535-536頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、446頁。

[2] 白川静『新訂字統』平凡社、2004年、680頁。

[3] 劉釗『古文字構形学』福建人民出版社、2006年、88頁。

[4] 嚴一萍「釈𧗟」『中国文字』第7冊 1962年。
張亜初『商周古文字源流疏證』中華書局、2014年、790-794頁。

[5] 龔煌城「The System of Finals in Proto-Sino-Tibetan」『漢蔵語研究論文集』北京大学出版社、2002年、98-99頁。

[6] Martha Ratliff, Hmong-Mien Language History, Pacific Linguistics, 2010, pp. 91, 117.

[7] Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 207.

[8] 白川静『新訂字統』平凡社、2004年、680頁。

[字源 1]

[字源 2]

[字源 3]

[字源 4]

[語源 1]

[語源 2]

[語源 3]

[語源 4]