アイヌ語

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カナ表記 ムィ/カムイ

発音

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カ↗ムィ
  • IPA(?): /ka.múj/
  • IPA: [kamú̜ɪ, kamú̜j]

名詞

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kamuy

  1. カムイかみ超自然的試練
    • エネ ウェン カムイ ネ アアン ペ アエウタンネ ワ オラウン エネ アン……[1]
      ene wen kamuy ne aan pe a=eutanne wa oraun ene an...
      このように悪であったものと夫婦になって
    • フンタネ ネ ウェン カムイ マチヒ ネ ㇷ゚ エネ ハウェアニ[2]
      hunta ne wen kamuy macihi ne p ene hawean h_i
      なぜかその悪いの妻になったものの話。
    • カムイ オロアㇻパ ヒネ オラ ネア メノコ アコㇿ ワ[3]
      kamuy or oarpa hine ora nea menoko a=kor wa
      神様のところ(天界)へ行きました。それからは、その(年下の若い)娘を私はめとって
  2. (カムイのたましい入れ物としての)動物どうぶつ。特にくま
  3. (樺太方言) 海豹あざらし海馬とど
  4. (古語・廃語) つき
  5. (古語・廃語) 貴人きじん立派りっぱひと殿様とのさま


語源

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単独例の初見は『松前の言』(1627・28頃)で月を意味する「カモイ」[7]。『新羅之記録』(1614)の「カムイトクイ」(松前藩主を指す語)の前部にも見られ[8]、同書は15世紀から16世紀の言葉が記録されているため、さらに遡る可能性がある。

日本語「神」との借用関係があると考えられているが、借用方向には諸説ありいまだ判然としない。アレキサンダー・ヴォヴィンはアイヌ語から日本語に借用されたとしている。上代日本語「神( kamï )」のより古い形( kamu+i )を保存している可能性が議論されている[9]

関連語

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出典

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  1. 黒川てしめ (1969), “24-5 ウエペケㇾ「カネサンペアッ イワンサンペアッ」(金属の心臓の緒、六本の心臓の緒)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  2. 黒川てしめ (1969), “24-5 ウエペケㇾ「カネサンペアッ イワンサンペアッ」(金属の心臓の緒、六本の心臓の緒)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  3. 黒川てしめ (1969), “24-3 ウエペケㇾ「ケレㇷ゚ノイェ ケレㇷ゚トゥㇽセ」(トリカブトとオオトリカブト)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  4. 黒川てしめ (1969), “24-4 ウエペケㇾ「スㇽクトノ イピㇼマ」(トリカブトの女神の警告)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  5. 黒川てしめ (1969), “24-4 ウエペケㇾ「スㇽクトノ イピㇼマ」(トリカブトの女神の警告)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  6. 黒川てしめ (1969), “24-2 ウエペケㇾ「アレヘ パㇱクㇽイワ」(カラス山という名)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  7. 平山裕人 (2013), “カムイ”, アイヌ語古語辞典, 明石書店 
  8. 平山裕人 (2013), “カムイトノ”, アイヌ語古語辞典, 明石書店 
  9. Alexander Vovin (2011), “On one more source of Old Japanese i₂”, Journal of East Asian Linguistics, 20 (3) 
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