エサイの根より
『エサイの根より』(エサイのねより、ドイツ語:Es ist ein Ros'entsprungen または Rosa Mystica)は、ドイツのライン地方に伝わるカロルである。アドベントで歌われる。
歴史
編集1599年に、最初に出版された。本来は、カトリックで聖母マリアを讃える歌であったが、23節あった。
1609年にミヒャエル・プレトリウスは、自分で編纂した『Musae Sioniae』にこの曲を収録した時、ドイツ語の始めの2節だけを採用した。そして、第2節の強調点をマリヤから幼児イエスに置き換えた。その後19世紀以降、プロテスタントの歌集に収録されるようになった。英米にも伝わり、世界的なアドベントの歌になった。
聖句
編集イザヤ書11章1節
所収
編集- カトリック聖歌集 124番「ゆうやみせまる」
1.
夕やみせまる ダヴィドの村
なれぬ旅路に 疲れし身を
乙女マリア
憩いたまいぬ うまやの内
2.
灯(ともしび)消えて 里(さと)はねむり
妙なるひかり 輝き出(い)で
神のみ子の
栄え(はえ)ある母と なり給えり
3.
星かげさえて ふけゆく夜
喜び告ぐる 天使のうた
神のみ子を
羊飼いらは 拝みまつる
4.
まごころ献げ 我ら歌わん
救いのみ子を そのみ母を
いつの世にも
変わらぬ愛の み業ほめて
- 讃美歌96番「エサイの根より」(中山昌樹訳)
1.
エサイの根より 生いいでたる
くすしき花は さきそめけり。
わが主イエスの
うまれたまいし このよき日よ。
2.
イザヤの告げし すくいぬしは、
きよき母より うまれましぬ。
主のちかいの
今しも成れる このよき日よ。
3.
たえにとうとき イエスの御名の
かおりはとおく 世にあまねし。
いざやともに
よろこびいわえ、このよき日を。
歌詞
編集ドイツ語原詩 | ドイツ語からの逐語訳 | ベーカーの英語訳 | ウィンクワースの英語訳 |
---|---|---|---|
1. Es ist ein' Ros' entsprungen,
aus einer Wurzel zart. |
1. A rose has sprung up,
from a tender root. |
1. Lo, how a rose e'er blooming,
From tender stem hath sprung. |
1. A Spotless Rose is growing,
Sprung from a tender root, |
2. Das Röslein, das ich meine,
davon Jesaia sagt: |
2. The rosebud that I mean,
Of which Isaiah told |
2. Isaiah 'twas foretold it,
The Rose I have in mind, |
2.The Rose which I am singing, Whereof Isaiah said, |
3. Das Blümelein, so kleine,
das duftet uns so süß; |
3. The floweret, so small
That smells so sweet to us |
3. O Flower, whose fragrance tender
With sweetness fills the air, |
参考文献
編集- 「讃美歌略解(前編-歌詞の部)」