クロミグワ
クロミグワ(Morus nigra)は、クワ科の顕花植物である。南西アジアやイベリア半島に自生するが、長い期間栽培されてきたため、正確な自生の範囲は分かっていない[1]。英語ではblack mulberryやblackberryと言うが、キイチゴ属のブラックベリーとは異なる[2]。308本(44倍倍数体)という大きな染色体を持つことで知られている[3]。
クロミグワ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Morus nigra L. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
黒実桑 |
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 180 kJ (43 kcal) |
9.8 g | |
糖類 | 8.1 |
食物繊維 | 1.7 g |
0.39 g | |
飽和脂肪酸 | 0.27 g |
一価不飽和 | 0.041 g |
多価不飽和 | 0.207 g |
1.44 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(0%) 1 µg |
ビタミンA | 25 IU |
チアミン (B1) |
(3%) 0.029 mg |
リボフラビン (B2) |
(8%) 0.101 mg |
ナイアシン (B3) |
(4%) 0.62 mg |
ビタミンB6 |
(4%) 0.05 mg |
葉酸 (B9) |
(2%) 6 µg |
コリン |
(3%) 12.3 mg |
ビタミンC |
(44%) 36.4 mg |
ビタミンE |
(6%) 0.87 mg |
ビタミンK |
(7%) 7.8 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(1%) 10 mg |
カリウム |
(4%) 194 mg |
カルシウム |
(4%) 39 mg |
マグネシウム |
(5%) 18 mg |
リン |
(5%) 38 mg |
鉄分 |
(14%) 1.85 mg |
亜鉛 |
(1%) 0.12 mg |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
黒い果実をつけるマグワ等、クワ属の他の種と混同されることがあるが、葉の下面に均一に毛が生えていることで、区別することができる[4]。果実の色は、アントシアニンに由来する[5]。
記載
編集落葉性の木で、高さは12m、幅は15mになる。葉は長さ10-20cm、幅6-10cmで、若い芽では最大23cmの長さになる。下面は産毛で覆われ、上面は非常に短く硬い毛でが生えている。308本の染色体を持つ。
食用可能な果実は、いくつかの小さな核果が房になっている。果実は長さが2-3cmで、深紫色だが熟すとほぼ黒色になる。レッドマルベリーと同様に豊かな風味を持つ。
栽培と利用
編集メソポタミアやペルシア地域の山間部が起源であると考えられ、西はヨーロッパから東は中国まで、広い範囲で栽培、帰化している。現在は、アフガニスタン、イラク、イラン、インド、パキスタン、シリア、レバノン、ヨルダン、パレスチナ、イスラエル、トルコに広がっている。
果実を得るために長く栽培されてきた。木や果実には、ペルシア語由来の名前tootやshajarat tukkiでも知られている。この地域では、果実をしばしばジャムやシャーベットにも加工する。
ヨーロッパでは、スロバキアのプカネックにあるブドウ園に最多の470本のクロミグワの木が生えていたと記録されている[6]。
カイコの飼育のため、17世紀にイギリスに移入されたが、カイコはマグワの方を好み、上手くいかなかった。しかし、これにより、多くのカントリー・ハウスの庭に大きくて古い木が残されることとなり、2013年まで王立園芸協会のガーデン・メリット賞の候補とされた[7]。
ギャラリー
編集-
クロミグワの葉
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熟した果実と葉
-
100歳の木
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雌花
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春の古木
-
未熟な果実(イラン)
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完熟な果実(イラン)
-
果実(アルジェリア)
出典
編集- ^ RHS A-Z encyclopedia of garden plants. United Kingdom: Dorling Kindersley. (2008). pp. 1136. ISBN 978-1405332965
- ^ “Definition And Classification Of Commodities (Draft) 8. Fruits And Derived Products”. Food and Agriculture Organization of the United Nations. 1 August 2014閲覧。
- ^ Zeng, Q; Chen, H (2015). “Definition of Eight Mulberry Species in the Genus Morus by Internal Transcribed Spacer-Based Phylogeny.”. PLOS ONE 10 (8): e0135411. Bibcode: 2015PLoSO..1035411Z. doi:10.1371/journal.pone.0135411. PMC 4534381. PMID 26266951 .
- ^ Nelson, G.; Earle, C.J.; Spellenberg, R.; More, D.; Hughes, A.K. (2014). Trees of Eastern North America. Princeton University Press. p. 408. ISBN 9781400852994
- ^ “Morus alba L., Moraceae: White mulberry, Russian mulberry, Silkworm mulberry, Moral blanco”. Handbook of Energy Crops (1983年). 2012年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。8 March 2020閲覧。
- ^ Kristbergsson, K.; Ötles, S. (2016). Functional Properties of Traditional Foods. Springer. p. 211. ISBN 9781489976628
- ^ http://apps.rhs.org.uk/plantselector/plant?plantid=1295