コトネアスター
コトネアスター(Cotoneaster)は、バラ科の常緑低木。cotone はマルメロの古いラテン語表記、-aster は「-に似ているもの」であり、属名は「マルメロに似ているもの」という意味を持つ。サンザシ属と類似しているが、葉の部分に鋸歯がない、枝に棘が生えないなどの差異がある。
コトネアスター | |||||||||||||||||||||||||||
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Cotoneaster frigidus の葉と果実
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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50種近くの品種があるが、多くはインド北部、チベットを原産地とする。分布は中国にまで広がっているが、日本には自生していない。また中国でも園芸植物として扱われていた形跡は見られない。森林、岩場に自制する。葉は互生に生える。甘い樹液を出し、ハチなどを誘引する。これはホリゾンタリス種(C. horizontalis )などに顕著である。
19世紀初頭、イギリスに紹介され、カルカッタ植物園園長N・ウォリックの尽力もあって多くの品種が導入、栽培されるようになった。常緑樹や落葉樹、大きさも灌木から一般的な樹木に近いものなど、種類によって特徴は千差万別である。地面を這って伸びて行く匍匐性のコトネアスターも多く、壁に当るとよじ登って行く為、「建築家の友人」などと呼称される。
生垣やボーダー花壇での栽培に適している。匍匐性のものは、グラウンドカバーに用いられる。耐寒性は強く、栽培は比較的容易。湿潤な環境とは親和性が低く、育成するにあたっては中性土の土壌が適切とされる。いくつかの種類はアポミクシスによって繁殖する。
参考文献
編集- アリス・M. コーツ 著、白幡洋三郎、白幡節子(翻訳) 編『花の西洋史事典』八坂書房、2008年。ISBN 978-4896949056。
- 肥土邦彦(著)、植原直樹(写真)『園芸植物―庭の花・花屋さんの花(フィールド・ガイド)』小学館、1995年。ISBN 978-4092080140。
- 原色園芸植物大図鑑(北隆館)
- A-Z園芸植物百科事典(誠文堂新光社)
- 園芸植物大事典 2巻(小学館)