チャート: chert)あるいは角岩(かくがん)は、堆積岩の一種。主成分は二酸化ケイ素(SiO2石英)で、この成分を持つ放散虫海綿動物などの動物の殻や骨片(微化石)が海底堆積してできた岩石(無生物起源のものがあるという説もある)。断面をルーペで見ると放散虫の殻が点状に見えるものもある。非常に硬い岩石で、層状をなすことが多い。釘などで擦ってもほとんど傷がつかない。

チャート
角岩
堆積岩
チャート
構成物
石英
プロジェクト:地球科学Portal:地球科学
テンプレートを表示

チャートには褐色、赤色、緑色、淡緑灰色、淡青灰色、灰色、黒色など様々な色のものがある。暖色系のものは、微細な酸化鉄鉱物(赤鉄鉱など)に起因し、暗色系のものは硫化鉄(主に黄鉄鉱)や炭素化合物(石墨や不定形炭素、有機物など)に起因する[1]。緑色のものは、二価の鉄を含む緑色の粘土鉱物を含むためである[1]。これらは、堆積した環境によって変わると考えられている。

和名について

編集

かつて「角岩」(かくがん、: hornstone)と呼ばれたこともあるが、この語は定義によって示す岩石が異なるので、現在では使われない。また、「珪岩」と呼ばれたこともあるが、現在では熱変成した珪質岩を指している。

写真

編集

脚注

編集
  1. ^ a b チャート(chert) - 岩石鉱物詳解図鑑planetscope”. planet-scope.info. 2023年1月4日閲覧。

参考文献

編集
  • 都城秋穂久城育夫『岩石学II - 岩石の性質と分類』共立出版〈共立全書〉、1975年。ISBN 4-320-00205-9 
  • 黒田吉益諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年。ISBN 4-320-04578-5 
  • 豊遙秋青木正博『検索入門 鉱物・岩石』保育社、1996年。ISBN 4-586-31040-5 

関連項目

編集

外部リンク

編集
  NODES