バビアナ
バビアナ (Babiana) は、アヤメ科の属の一つである。日本では、この属のなかで、観賞用に改良された園芸植物を総称することが多い。和名は「ホザキアヤメ属」だが、現在はあまり用いられていない。
バビアナ | ||||||||||||||||||
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B. sambucina
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Babiana Ker Gawl. ex Sims (1801) nom. cons. [1][2] |
属名の由来
編集オランダ語でヒヒ(狒々、オナガザル科の霊長類の一部を指す総称、英語ではbaboon)を表すbabianerから。ヒヒがこの球根を良く掘り出して食べていたからと言う。
分布
編集現在約60 - 80種の原種が確認されている[3]。すべてアフリカ大陸南部の南アフリカ、ナミビア、ジンバブエに自生している[3]。インド洋上のソコトラ島に分布する1種は染色体数などの違いから別属Cyanixiaに分割された[3]。
特徴
編集小形の多年草で、夏の間は小さな球茎を作って休眠する。草丈は大きなものでも30cmくらい、葉は剱状で、細かい毛に覆われている。花は直径2 - 3cmの6弁花で4月ころ咲き、穂状花序または総状花序で数輪から十数輪咲き、かつてはややくすんだ藍色や牡丹色のものが多かったが、現在は水色や藤色、白、ピンク、赤に近い紅色、絞り咲きやスポットの入ったものなどなど、かなりの色の品種が作出されている。
おもな種
編集- Cyanixia socotrana (syn. B. socotrana)
栽培
編集半耐寒性の秋植え球根で、東京付近では霜よけが必要だが、房総半島や伊豆半島以西の沿岸部など強い霜の降りない地方では、露地栽培が可能である。小柄な植物なので、鉢植えにして楽しむことが多い。鉢植えの場合は、5寸鉢に7 - 10球くらい、覆土は球根が隠れるくらいにする。露地植えでは覆土を5cmくらいする。植え時は10月下旬から11月初めくらいがよい。日当たりと水はけの良いところなら、多少痩せ地でも比較的良くできる。
脚注
編集- ^ "'Babiana Ker Gawl. ex Sims". Tropicos. Missouri Botanical Garden. 40023667. 2012年8月3日閲覧。
- ^ "Plant Name Details for Babiana Ker Gawl. ex Sims". International Plant Names Index (IPNI). International Organization for Plant Information (IOPI). 2012年8月3日閲覧。
- ^ a b c Goldblatt et al (2003)
参考文献
編集- Goldblatt P, Manning JC, Davies J, Savolainen V, Rezai S (2003). “Cyanixia, a New Genus for the Socotran Endemic Babiana Socotrana (Iridaceae–Crocoideae)”. Edinburgh Journal of Botany 60: 517-532. doi:10.1017/S0960428603000398 .
外部リンク
編集- "Babiana" - Encyclopedia of Life
- The Plant List (2010年). “Babiana”. The Plant List. 2012年8月3日閲覧。