主題役割
主題役割(しゅだいやくわり、英語: thematic role)とは、言語学において、述語と項の意味関係を分類したものである。主題関係(thematic relation)、意味役割(semantic role)、θ役割 (θ-role)とも呼ばれる。フィルモアの格文法における「格」も同様の概念である。
文の解釈に重要な役割を果たすと言われるが、一体全部でいくつあるのかなど不明な点も多い。また文法格(「が」「を」)や後置詞(「で」「へ」など)と相関があるが、決して一対一に対応しているわけではない。
主な主題役割には以下のようなものがある。
- agent 動作主:太郎が次郎をなぐった。
- experiencer 経験者:太郎が悲しんだ。
- theme 主題または patient 被動者:太郎が次郎をなぐった。
- goal 目標:北へすすむ。
- source 起点:町から来た。
なお、話題の意味で用いられる「主題」とは直接関係ない。
参考文献
編集- Gruber, J. (1965) Studies in Lexical Relations. Ph.D. dissertation, MIT.
- Jackendoff, Ray S. (1972) Semantic Interpretation in Generative Grammar. Cambridge, MA: MIT Press.
- Gruber, Jeffrey S. (1976) Lexical Structures in Syntax and Semantics. Amsterdam: North-Holland.
- Stowell, Tim. (1981) Origins of Phrase Structure. Ph.D. dissertation, MIT.