原点 (数学)
数直線や座標空間の基準となる点
初等数学における原点(げんてん、英: origin)は、その周りの幾何に言及するための固定された点として用いられる、ユークリッド空間の特別な点で、ふつう O で表される。
デカルト座標系の原点
編集直交座標系において、原点はその座標系の全ての座標軸の交わる点である[1]。原点は各軸を二つの半直線に分割し、一方は正の半軸 (semi-axis)、他方は負の半軸という[2]。空間の各点は各座標の値(つまり、その点を各軸へ射影して得られる軸上の点の、その軸に(正または負の何れかの方向へ)沿った位置)を与えることにより原点に対する位置を参照することができる。原点の何れの座標もつねに零に等しく、たとえば二次元では原点は (0,0) であり、三次元では (0,0,0) になる[1]。
他の座標系
編集極座標系における原点は極 (pole) とも呼ばれる。原点自身は極座標をきちんと定義できない。これは、点の極座標は、正の x-半軸 Ox から測った、原点からその点へ結んで得られる半直線の成す角度をデータとして含むけれども、原点ではこの半直線が定まらないことによるものである[3]。
関連項目
編集出典
編集- ^ a b Madsen, David A. (2001), Engineering Drawing and Design, Delmar drafting series, Thompson Learning, p. 120, ISBN 9780766816343.
- ^ Pontrjagin, Lev S. (1984), Learning higher mathematics, Springer series in Soviet mathematics, Springer-Verlag, p. 73, ISBN 9783540123514.
- ^ Tanton, James Stuart (2005), Encyclopedia of Mathematics, Infobase Publishing, ISBN 9780816051243.
- ^ Lee, John M. (2013), Axiomatic Geometry, Pure and Applied Undergraduate Texts, 21, American Mathematical Society, p. 134, ISBN 9780821884782.
- ^ Gonzalez, Mario (1991), Classical Complex Analysis, Chapman & Hall Pure and Applied Mathematics, CRC Press, ISBN 9780824784157.