大翻訳運動
大翻訳運動(だいほんやくうんどう、中: 大翻译运动、英: The Great Translation Movement)は、中華人民共和国のニュースサイトやソーシャル・ネットワーキング・サービス等にてユーザーが投稿したコメントや画像、動画等を翻訳する運動を行っている集団である[1]。
概要
編集大翻訳運動は、2022年2月にReddit上の最大規模の中国語コミュニティで始まった[2]。2022年ロシアのウクライナ侵攻が開始された後、英語のSNS上にて、中国のSNS上等に書き込まれた戦争支持や侵略支持の言論を英語に翻訳したものを公開しており、各国に中国人や中国メディアの立場・視点を知らせるという動きが見られている[2]。翻訳は在外華人により行われているものと見られる[3]。同年3月にRedditコミュニティが閉鎖され、大翻訳運動は活動の場をTwitter等に移した[1]。
翻訳は英語をはじめ、日本語、ドイツ語、朝鮮語、フランス語、スペイン語、アラビア語等でも行われている[1]。また、上海市をはじめとする中国の都市での新型コロナウイルス(COVID-19)感染症に伴うロックダウンについての投稿も始めている[1]。
日本国内で発生した災害や事件等を用いて、日本を誹謗中傷するコメントについても、日本語に翻訳されたものが公開されている[4][5]。
メンバーは大翻訳運動を行う目的について、「より多くの国の人々が、中国人は中国共産党のプロパガンダのイメージほど『温かく、親切で、優しい』のではなく、誇り高く、傲慢で、大衆主義者として繁栄し、残酷で、血に飢え、無関心であることを理解してくれることを願っている。世界中の中国系の人々がこれらの否定的な感情を取り除き、文明社会に真に溶け込み、自分たちの無知を恥じることができることを願う。」と語っている[6]。
脚注
編集- ^ a b c d “The Great Translation Movement seeks to shine spotlight on Chinese government propaganda”. NBC News. NBC UNIVERSAL (2022年4月24日). 2022年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月24日閲覧。
- ^ a b “中国人はロシアのウクライナ侵攻をどう見ている?「大翻訳運動」が展開される―独メディア”. レコードチャイナ (2022年3月15日). 2022年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月24日閲覧。
- ^ “大翻訳運動”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2022年4月13日). 2022年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ^ “ぼくらが「日本人死ね」を翻訳する理由 習近平氏を怒らせる「大翻訳運動」、中国の国内向け宣伝を外国語に”. 共同通信. 47NEWS (2022年6月21日). 2022年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月24日閲覧。
- ^ “【安倍中槍】小粉紅幸災樂禍 大翻譯運動誓將醜行公諸於世”. 自由亞洲電台 (2022年7月8日). 2022年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月24日閲覧。
- ^ “大翻译运动:告诉世界中国人怎么看战争”. 德国之声 (2022年3月12日). 2022年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月24日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- The Great Translation Movement 大翻译运动 (@TGTM_Official) - X(旧Twitter)