屈折力
屈折力(くっせつりょく、en:optical power)とは、光学における用語で、レンズなどの(軸まわりに回転対称な)光学系の屈折の度合いのことである。計量法における物象の状態の量(物理量)としては、「屈折度(くっせつど)」という(法定計量単位#確立された計量単位のない17の物象の状態の量、82)屈折度)。パワーと言うこともある。また屈折に限らず反射光学系にも用いる。
焦点距離をメートルであらわしたとき、屈折力の計量単位は、「毎メートル」またはディオプトリー(D)である。空気中()では、屈折力は焦点距離の逆数に等しい。凹レンズならば焦点距離は負であらわすので、屈折力も負になる。
一般に、ガウス光学の仮定(軸まわりに回転対称な光学系で近軸近似が成り立つ場合)において、単一の屈折面の屈折力φは以下のようになる。
ただし、
- n, n' : (物体側・像側の)媒質の屈折率
- f, f' : (物体側・像側の)焦点距離
- r : 屈折面の曲率半径
2つの屈折面が密接しているとき、全体の屈折力はそれぞれの屈折面の屈折力の和になる。
参考文献
編集- 鶴田匡夫、『応用光学I』、培風館、1990、ISBN 4-563-02331-0。