核実験の一覧
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核実験の一覧(かくじっけんのいちらん)では、核実験の一覧を国別に示す。
1945年に初めての核実験が行われて以降、冷戦期にはアメリカ合衆国・ソビエト連邦を中心に約2,000回の核実験が行われている。
アメリカ合衆国 (実戦使用も含む)
編集1945–1963
編集年 | 計画名 | 爆発回数 | 総出力 | 場所 | 画像 | 備考 |
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1945 | トリニティ実験 (Trinity) | 1 | 20 kt | ニューメキシコ州 | 世界初の核実験。 | |
1945 | リトルボーイ (Little Boy) | 1 | 15 kt | 広島市、日本 | 世界初の実戦使用。広島市への原子爆弾投下を参照。 | |
1945 | ファットマン (Fat Man) | 1 | 21 kt | 長崎市、日本 | 20世紀最後の実戦使用。長崎市への原子爆弾投下を参照。 | |
1946 | クロスロード作戦 (Crossroads) | 2 | 46 kt | 太平洋核実験場(マーシャル諸島) | 大戦後初の実験。初の水中爆発含む。 | |
1948 | サンドストーン作戦 (Sandstone) | 3 | 104 kt | 太平洋核実験場 | ||
1951 | レンジャー作戦 (Ranger) | 5 | 40 kt | ネバダ核実験場 | 初のネバダ核実験場での実験。 | |
1951 | グリーンハウス作戦 (Greenhouse) | 4 | 398.5 kt | 太平洋核実験場 | 熱核反応に関する実験含む。 | |
1951 | バスター・ジャングル作戦 (Buster - Jangle) | 7 | 71.9 kt | ネバダ核実験場 | 兵員暴露実験含む。 | |
1952 | タンブラー・スナッパー作戦 (Tumbler - Snapper) | 7 | 104 kt | ネバダ核実験場 | ||
1952 | アイビー作戦 (Ivy) | 2 | 10.9 Mt | 太平洋核実験場 | 初の水爆実験含む。 | |
1953 | アップショット・ノットホール作戦 (Upshot - Knothole) | 11 | 252.4 kt | ネバダ核実験場 | M65 280mmカノン砲の実射試験。 | |
1954 | キャッスル作戦 (Castle) | 6 | 48.2 Mt | 太平洋核実験場 | 放射性降下物が規制エリア外に降下し、第五福竜丸事件が発生する。 | |
1955 | ティーポット作戦 (Teapot) | 14 | 167.8 kt | ネバダ核実験場 | 初のローレンス・リバモア国立研究所の設計装置による実験成功。 | |
1955 | ウィグワム作戦 (Wigwam) | 1 | 30 kt | 東太平洋 | 水中核爆発。 | |
1955 | 第56計画 (Project 56) | 4 | .01 to .1 kt | ネバダ核実験場 | ||
1956 | レッドウィング作戦 (Redwing) | 17 | 20.82 Mt | 太平洋核実験場 | 多段階核反応を含む熱核兵器の実験。 | |
1957 | プラムボブ作戦 (Plumbbob) | 29 | 343.74 kt | ネバダ核実験場 | ||
1957 – 58 | 第57、58、58A計画 (Project 57, 58, 58A) | 5 | 0.5 kt | ネバダ核実験場 | ||
1958 | チャリオット作戦 (Chariot) | キャンセル | アラスカ州 | 平和的核爆発としての一環。 | ||
1958 | ハードタックI作戦 (Hardtack I) | 35 | 35.6 Mt | 太平洋核実験場 | 拓洋 (測量船・初代) | |
1958 | アーガス作戦 (Argus) | 3 | 5.1 kt | 南大西洋 | 高層大気圏における核爆発。 | |
1958 | ハードタックII作戦 (Hardtack II) | 37 | 45.8 kt | ネバダ核実験場 | ||
1958 | A119計画 (Project A119) | キャンセル | 月面 | 月面における核実験計画。 | ||
1961 – 62 | ヌガ作戦 (Nougat) | 32 | ネバダ核実験場、ニューメキシコ州 | 初の地下核実験。 | ||
1962 – 63 | ドミニク作戦 (Dominic) | 36 | 38.1 Mt | キリスィマスィ島, ジョンストン島、中部太平洋 | タイトロープ (Tightrope) はアメリカが実施した最後の大気圏内核実験。 | |
1962 – 63 | ストラックス作戦 (Storax) | 48 | 1442.8kt[1] | ネバダ核実験場 | ||
1962 | サンビーム作戦 (Sunbeam) | 4 | 2.19 kt | ネバダ核実験場 | 戦術核兵器の試験。ネヴァダ核実験場で行われた最後の大気圏内核実験。 | |
1963 | ローラー・コースター作戦 (Roller Coaster) | 4 | 0 | ネリス試験訓練場 | プルトニウム飛散に関する実験。 |
1963–2014
編集部分的核実験禁止条約の締結により、これ以降は地下核実験が行われている。
年 | 計画名 | 爆発回数 | 総出力 | 場所 | 備考 |
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1964 – 65 | ニブリック作戦 (Niblick) | 41 | ネバダ核実験場 | ||
1964 – 65 | ウェットストーン作戦 (Whetstone) | 48 | ネバダ核実験場、ミシシッピー州 | ||
1965 – 66 | フリントロック作戦 (Flintlock) | 48 | ネバダ核実験場、アムチトカ島 | ||
1966 – 67 | ラッチキー作戦 (Latchkey) | 38 | ネバダ核実験場、ミシシッピー州 | ||
1967 – 68 | クロスタイ作戦 (Crosstie) | 48 | ネバダ核実験場、ニューメキシコ州 | ||
1968 – 69 | バウライン作戦 (Bowline) | 48 | ネバダ核実験場 | ||
1969 | マンドレル作戦 (Mandrel) | 53 | ネバダ核実験場、コロラド州、アムチトカ島 | ||
1970 | エメリー作戦 (Emery) | 16 | ネバダ核実験場 | ||
1971 – 72 | グロメット作戦 (Grommet) | 34 | ネバダ核実験場、アムチトカ島 | 米国最大の地下核実験“カニキン (Cannikin) ”[2] | |
1972 – 73 | トグル作戦 (Toggle) | 28 | ネバダ核実験場、コロラド州 | ||
1973 – 74 | アーバー作戦 (Arbor) | 19 | ネバダ核実験場 | ||
1974 – 75 | ベッドロック作戦 (Bedrock) | 27 | ネバダ核実験場 | ||
1975 – 76 | アンヴィル作戦 (Anvil) | 21 | ネバダ核実験場 | ||
1976 – 77 | フルクラム作戦 (Fulcrum) | 21 | ネバダ核実験場 | ||
1977 – 78 | クレセット作戦 (Cresset) | 23 | ネバダ核実験場 | ||
1978 – 79 | クイックシルバー作戦 (Quicksilver) | 18 | ネバダ核実験場 | ||
1979 – 80 | ティンダーボックス作戦 (Tinderbox) | 15 | ネバダ核実験場 | ||
1980 – 81 | ガーディアン作戦 (Guardian) | 16 | ネバダ核実験場 | ||
1981 – 82 | プラエトリアン作戦 (Praetorian) | 22 | ネバダ核実験場 | ||
1982 – 83 | ファランクス作戦 (Phalanx) | 19 | ネバダ核実験場 | ||
1983 – 84 | フュージリア作戦 (Fusileer) | 17 | ネバダ核実験場 | ||
1984 – 85 | グレナディア作戦 (Grenadier) | 17 | ネバダ核実験場 | ||
1985 – 86 | チャリオッティア作戦 (Charioteer) | 18 | ネバダ核実験場 | 1986年4月10日に行われた“マイティ・オーク(Mighty Oak) ”実験では、封じ込めの失敗で放射能漏れが発生[3] | |
1986 – 87 | マスケッティア作戦 (Musketeer) | 15 | ネバダ核実験場 | ||
1987 – 88 | タッチストーン作戦 (Touchstone) | 14 | ネバダ核実験場 | ||
1988 – 89 | コーナーストーン作戦 (Cornerstone) | 12 | ネバダ核実験場 | ||
1989 – 90 | アクアダクト作戦 (Aqueduct) | 11 | ネバダ核実験場 | ||
1990 – 91 | スカルピン作戦 (Sculpin) | 8 | ネバダ核実験場 | ||
1991 – 92 | ジュリン作戦 (Julin) | 8 | <460kt | ネバダ核実験場 | 米国による最後の核実験“ディバイダー (Divider) ”が、1992年9月23日に実施された。 |
1992 – 2014 | 新型核実験 | サンディア国立研究所 | 93年以降爆発をともなう実験は行われていない[4] |
ソビエト連邦
編集世界最大の核兵器保有数を誇ったソ連は少なくとも1949年から1990年にかけて715回の核実験を[5]主にセミパラチンスク核実験場とノヴァヤゼムリャ核実験場で行った。最後の核実験は1990年10月24日。主な実験は以下の通り。
- RDS-1:1949年8月29日にセミパラチンスク核実験場で行われた。ソ連初の核実験。
- RDS-6:1953年8月12日にセミパラチンスク核実験場で行われた核実験。ソ連初の水爆実験とされたが、後には強化原爆の試験と考えられるようになった。
- トツキー軍事演習 : 1954年9月14日に南ウラル・チカロフスク州のトツコエで4万5千もの兵を動員した演習も行われている。
- RDS-37:1955年11月22日実施。ソ連初の水爆実験。
- ツァーリ・ボンバ:1961年10月30日ノヴァヤゼムリャで実施。核出力50Mt。世界最大の核実験。
- チャガン核実験:1965年1月15日。セミパラチンスク核実験場で行った国家経済のための核爆発(平和的核爆発)の一環。巨大クレーターの生成。
イギリス
編集1953年以降、オーストラリアを中心に45回の核実験を行っている。
年 | 計画名 | 爆発回数 | 総出力 | 場所 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1952 | ハリケーン作戦 (Hurricane) | 1 | >25kt | モンテベロ諸島(オーストラリア) | |
1953 | トーテム作戦 (Totem) | 2 | 16.2kt | エミュー平原(オーストラリア) | |
1956 | モザイク作戦 (Mosaic) | 2 | 75kt | バロー島(オーストラリア) | |
1956 | バッファロー作戦 (Buffalo) | 4 | 41.5kt | マラリンガ | |
1957 | アントラー作戦 (Antler) | 3 | 33.53kt | マラリンガ | |
1957-58 | グラップル作戦 (Grapple) | 9 | 7,869kt | キリスィマスィ島、マルデン島 | 水爆実験。 |
1959 - 1963 | ヴィクセン作戦 (Vixen) | 43 | 0kt | マラリンガ | 核爆弾の装置の安全性実験。 |
1961 - 1991 | NTSシリーズ (NTS series) | 24 | 1,232kt | ネバダ核実験場 |
最後の核実験はネバダ核実験場で1991年11月26日に行われた。
フランス
編集1960年から1996年にかけて210回の実験を行った。
年 | 計画名 | 爆発回数 | 総出力 | 場所 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1960 | ジェルボアーズ・ブルー計画 (Gerboise Bleue) | 3-4 | アルジェリア | フランス初の核実験。アルジェリア戦争下の示威。 | |
1961 | アギャット計画 (Agathe) | >12 | アルジェリア | ||
1966- | アルデバラン計画 (Aldébaran) | >45 | フランス領ポリネシア | 水爆実験含む。 | |
1975- | アシーラ計画 (Achille) | >146 | フランス領ポリネシア | ||
1996 | クストー計画 (Xouthos) | ファンガタウファ環礁(フランス領ポリネシア) | フランス最後の核実験(地下核実験)。 |
中華人民共和国
編集中華人民共和国は45回の核実験を行っている。うち23回が大気圏内、22回が地下核実験で、それはロプノールで行われた。最初の核実験は1964年10月16日であり、1967年6月17日には水爆実験が行われている。1980年10月16日に最後の大気圏内核実験が行われ、1996年7月29日に最後の地下核実験が行われた。
→「中国の核実験」および「東トルキスタン § 中国による核実験」も参照
インド
編集インドは1974年と1998年の二度に渡り核実験を行った。
- インドの核実験 (1974年):5月18日実施。1回の爆発。
- インドの核実験 (1998年):5月11日と13日に実施。5回の爆発。
パキスタン
編集パキスタンは1998年に核実験を行った。
- パキスタンの核実験 (1998年):5月28日と30日に実施。6回の爆発。5月30日の実験はプルトニウムによる原子爆弾であるが、当時のパキスタンはプルトニウムによる核開発を行っておらず、蜜月関係の北朝鮮のプルトニウム原子爆弾の代理実験だったとされる。[6][7]
北朝鮮
編集北朝鮮は2006年、2009年、2013年、2016年1月、2016年9月、2017年に核実験を行っている。1998年に事実上の核実験を行っているとされる。
- パキスタンの核実験 (1998年):5月30日に実施。1回の爆発。北朝鮮のプルトニウム原爆の代理実験。15kt[6][7]
- 北朝鮮の核実験 (2006年):10月9日に実施。1回の爆発。0.8~2kt。
- 北朝鮮の核実験 (2009年):5月25日に実施。1回の爆発。4~12kt。
- 北朝鮮の核実験 (2013年):2月12日に実施。1回の爆発。7~40kt。
- 北朝鮮の核実験 (2016年1月):1月6日に実施。1回の爆発。同日、朝鮮中央テレビは「特別重大報道」を行い、「最初の水爆実験を実施した」と発表。
- 北朝鮮の核実験 (2016年9月):9月9日に実施。1回の爆発。
- 北朝鮮の核実験 (2017年):9月3日に実施。1回の爆発。
南アフリカ/イスラエル
編集アメリカ合衆国の早期警戒衛星ヴェラは1979年9月22日にインド洋上で閃光と電磁パルスを観測した。これは南アフリカとイスラエルによる核実験との推測が有力となっている。
→「ヴェラ事件」も参照
脚注
編集出典
編集- ^ 福島事故による放射能放出量はチェルノブイリの2倍以上――福島事故による放射性物質の放出量に関する最近の研究動向が示すものACSIR 2014年5月16日
- ^ スパルタン・ミサイルのW71核弾頭(核出力5メガトン)を使用して実施された。
- ^ Mk21再突入体を使用。漏洩した放射性物質は36,000キュリーに及び、これはスリーマイル島原子力発電所で発生した事故の2,000倍の量になった
- ^ Zマシンと呼ばれる特殊な装置を使った実験や臨界前核実験は現在まで数十回行われている
- ^ http://nuclearweaponarchive.org/Russia/Sovtestsum.html
- ^ a b http://www.nytimes.com/2004/02/27/international/asia/27NUKE.html?ex=1078462800&en=6ac34c60c5e5d2b9&ei=5062&partner=GOOGLE
- ^ a b http://www.nhk.or.jp/worldwave/marugoto/2012/05/0517m.html