鏡 (ラヴェル)
モーリス・ラヴェルが作曲したピアノ組曲
組曲『鏡』(かがみ、仏:Miroirs)は、モーリス・ラヴェルが1905年、30歳のときに作曲した、5曲からなるピアノのための組曲。
構成
編集全曲で約30分である。各曲が単独で演奏されることもしばしば行われており、とりわけ第4曲「道化師の朝の歌」は演奏の機会が多い。各曲は、それぞれラヴェルが所属していた「アパッシュ」のメンバーに献呈されている。
- 蛾(Noctuelles):詩人のレオン=ポール・ファルグに献呈。クロスリズムが目立つ曲で、曲名である蛾は娼婦を暗示していると考えられる。
- 悲しげな鳥たち(Oiseaux tristes):初演者リカルド・ビニェスに献呈。
- 海原の小舟(Une barque sur l'océan):画家のポール・ソルドに献呈。
- 道化師の朝の歌(Alborada del gracioso):批評家のミシェル・ディミトリー・カルヴォコレッシに献呈。この曲のみスペイン語の題名。他はフランス語。
- 鐘の谷(La vallée des cloches):作曲家のモーリス・ドラージュに献呈。
管弦楽版
編集第3曲「海原の小舟」と第4曲「道化師の朝の歌」は作曲者自身によって管弦楽編曲が行われている。本人は前者の出来を好んでいたが、余り評判がよくなかったため封印してしまった。出版が彼の死後になったのはそのためである。
海原の小舟
編集- 編曲:1906年
- 初演:1907年2月3日パリにて、ガブリエル・ピエルネ指揮、コロンヌ管弦楽団による。
- 出版:1950年(ラヴェルの生前には出版されなかった)
- 編成:
道化師の朝の歌
編集外部リンク
編集- 鏡の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト