業

漢字

業

象形。楽器などをかけるぎざぎざのついた台を象る^{[字源 1]}。「楽器を架ける横板」を意味する漢語｛業 /*ng(r)ap/｝を表す字。のち仮借して「わざ」を意味する漢語｛業 /*ng(r)ap/｝に用いる。

金文	小篆	流伝の古文字

西周	《説文》（漢）	《六書通》（明）

↑ 張世超、孫凌安、金国泰、馬如森『金文形義通解』中文出版社、1996年、534頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、105-106頁。

音	漢音: ギョウ表内[ゲフ] 呉音: ゴウ表内[ゴフ] 唐音: ネ
訓	訓読み: わざ表内、すで-に名乗り: なり、のぶ

（ギョウ　法律　「業として」の形で）対価を得る目的で、反復的・継続的に行う行為。
- 類義語:業務上;但し、「対価を得る目的で」の意は薄れる。
- 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。（労働基準法第6条）
（ゴウ　仏教）仏語。人間の身・口・意によって行われる善悪の行為。行為。所作。カルマの訳。業から逃れることを解脱という。
（ゴウ）前世の行為によって受ける報い。
（ゴウ）不合理であることはわかりつつも、行ってしまうふるまい。
- 思えばこの屋敷は化物屋敷に違いない、この神尾主膳と、あの藤原の娘のお銀とが落ち合って、睨み合っているのさえ空怖ろしい悪戯であるのに、業の尽きない机竜之助という盲目が、あれが難物じゃ。（中里介山『大菩薩峠黒業白業の巻』）

ローマ字表記
- 普通話
  - ピンイン: yè (ye4), zhū (zhu1)
  - ウェード式: yeh⁴, chu¹
  - 注音符号: ㄧㄝˋ
- 広東語
  - イェール式: yip6
- 閩南語
  - POJ: gia̍p
- 閩東語
  - 平話字: ngiĕk
- 閩北語
  - KCR: ngiè
- 客家語
  - 白話字: ngia̍p
- 呉語
  - ピンイン: nyih4
- 贛語: nyiet6
- 晋語: ieh4
- 湘語: nyie6
- 中古音: ŋɨɐp̚
- 上古音:
  - 白一平-サガール: *[m-qʰ](r)[a]p, *[ŋ](r)[a]p
  - 鄭張: *ŋab

業	U+696D, 業 CJK 統合漢字-696D

文字コード (文字集合規格)
-	Unicode: U+696D
日	JIS X 0213/0208: 1面22区40点 [第1水準] (`Shift_JIS=0x8BC6`, `EUC-JP=0xB6C8`, `ISO-2022-JP=0x3648`) MJ文字図形: MJ014227
中	GB18030: `0x9849`
台	Big5: `0xB77E` CNS 11643: 1面 `0x6446`
韓	KS X 1001: `0x6576`

漢点字	六点漢字
⢵⢎	⠨⠆⠄