- 「我らの道」
- ―同胞に対し、アーマラー[出典]
アーマラー(The Armorer)は新共和国時代に“民族”のアーマー職人を務めた女性のマンダロリアンである。銀河帝国によるマンダロアの大粛清の後、このマンダロリアン・アーマラーは同胞とともに惑星ネヴァロの隠れ家に移り住み、そこで同胞のために武器や防具を鍛造した。9 ABY頃、彼女はマンダロリアンの賞金稼ぎであるディン・ジャリンのために、彼が入手してきたベスカーを使って新しい装甲服一式を製作したが、この時ジャリンと同胞パズ・ヴィズラの間で口論が起こると彼女はそれを仲裁し、自分たちマンダロリアンが従うべき教義を思い出させた。
帝国による隠れ家への襲撃の後、アーマラーは襲撃により犠牲となったマンダロリアン達が身に着けていたベスカーを回収することを自らの使命とした。仲間を連れたジャリンが彼女の元に現れると彼女はジャリンの物資補充を手伝い、彼の“印”を作って彼の氏族の結成を宣言した。彼女は一緒に行こうと言うジャリンの誘いを断り、ベスカーの回収を続けるため、そしてジャリン達の逃亡の援護をするため、ひとり隠れ家に残った。
生い立ち
アーマーの製作
- 「これは大粛清の際に集められたものだ。“民族”の元に戻ったのは良いこと」
- ―ディン・ジャリンに対し、ベスカーについて、アーマラー[出典]
アーマラーは新共和国時代、“民族”のアーマー職人を務めた女性のマンダロリアンである。他のマンダロリアンの生き残り達同様、銀河帝国によるマンダロアの大粛清後に惑星ネヴァロの隠れ家に身を潜め暮らすことを余儀なくされていた。9 ABY頃、マンダロリアンの賞金稼ぎであるディン・ジャリンの訪問を受けた彼女は、彼からベスカーのインゴットを受け取り、この鋼が大粛清の頃の製品だと判断した。そしてジャリンに自分の“印”は判明したかと尋ね、彼がまだだと答えると「すぐに明らかになるだろう」と告げた。彼女はその後ベスカーを用いてポールドロンを製作すると、余りのベスカーをジャリンの要望に従って孤児たちのために取っておいた。[1]
ジャリンは任務を完遂し報酬としてベスカーが詰まったカムトノを手に入れ、後日再びアーマラーの元を訪れた。彼女がこのベスカーの量なら完全な胸当てが作れると言うと、ジャリンはその製作を依頼した。アーマラーがベスカーを精査していた時、同胞がゆっくりと彼女の部屋へ入ってきた。彼女はジャリンにそのベスカーは人目を惹くと警告した。“民族”の一人であるパズ・ヴィズラはこのベスカーが帝国の持ち物であったことを指摘し、帝国の行った大粛清こそがマンダロリアンを日陰暮らしに追い込んだ原因だと言った。アーマラーはこのような状況で生き残ることが我々の強さの源であると告げたが、ヴィズラはその帝国と取引を行ったとしてジャリンを嘲笑い、彼を辱めようとヘルメットを脱がせようとして掴み合いになった。[2]
アーマラーは「帝国はもはや存在せず、ベスカーは正当な持ち主の元に戻った」と彼らに伝え諍いを終わらせると、同胞たちに“マンダロアの道”を説き、ジャリンがどのようにして教義を守ってきたかを語ると、これまで一度もヘルメットを脱いだり誰かに脱がされたりしていないかとジャリンに確認し、彼がそれを肯定すると教義が守られていることを皆に再認識させた。皆が落ち着くとアーマラーはジャリンに装甲服の具合を尋ね、彼はマッドホーンとの戦いで傷ついたと答えたが、その戦いは誇れる戦いではなかったと言ってマッドホーンを“印”にすることを拒んだため、彼女は代わりにホイッスリング・バードを作ってジャリンに与えた。その武器はマンダロリアン・ヴァンブレイスの中に備えられる爆発性の小型誘導弾であった。彼女は装甲服を完成させると、ジャリンの要望により前回同様、ベスカーの一部を孤児のために取っておいた。[2]
生存者
暫く後、ザ・チャイルドを狙うモフ・ギデオンの軍隊から逃れるために、ジャリンは仲間のキャラ・デューン、グリーフ・カルガ、IG-11、ザ・チャイルドと共に下水道へと降りた。彼はそこにマンダロリアンのヘルメットが山積みになっているのを見ると、賞金稼ぎギルドにより同胞たちがジャリンの逃亡を助けたことへの報復をされたものだと思い込み、カルガに猛然と掴みかかった。更に驚くべきことに、アーマラーはまだこのトンネルで暮らしており、持ち主に放棄されたり遺体から引き剥がされたりしたアーマーを集めていた。彼女はジャリンの逃亡後まもなく帝国がこの隠れ家を発見したと説明し、それはカルガを擁護することにもなった。[3]
アーマラーはジャリンに同胞の中に脱出できた者がいるといいが、と希望を語り、彼から自分達と一緒にここから立ち去ろうと提案されると「全てのベスカーを回収するまではここに残る」と言ってそれを断った。また彼女はザ・チャイルドと同じ能力を持つ生き物を知っていると言い、それはかつてマンダロリアン達の敵だったがこの個体はそうではなく孤児として育てるべき存在だと語った。彼女はジャリンのザ・チャイルドに対する愛情を感じ取り、彼とザ・チャイルドをデザインした「クラン・オブ・ツー」の“印”を与えると、ザ・チャイルドを元々の彼の一族に届けるよう命じた。その直後、ストームトルーパーの部隊が彼女の部屋に突入してきたが、そこにはアーマラーがひとり炉の前でハンマーとトングを抱え跪いているだけであった。彼女はストームトルーパー達への攻撃を開始し、自分の工具だけで全ての敵を倒した。[3]
人物
- 「隠れることは生き延びること。生き延びることが我らの強さ」
- ―パズ・ヴィズラに対し、アーマラー[出典]
アーマラーは賢明かつ冷静で落ち着いた人物であり[1]、同胞のマンダロリアン達との駆け引きが上手かった。マンダロリアンがごく少数しか生き残っていない現状を鑑み、ディン・ジャリンとパズ・ヴィズラとの間で起きた諍いを彼らの教義を思い出させることで仲裁もした。[2] また彼女は合理的な思考の持ち主でもあり、隠れ家に残されている殺害されたり脱出したりした同胞たちの大量のアーマーを放棄することを拒み、ベスカーを回収し切るまでは隠れ家に残ると言っていた。[3]
力と能力
- 「この量があれば様々なものが作れる。《中略》 完全な胸当ても作ることができる」
- ―アーマラーは完全なベスカー・アーマー一式を作ることができた[出典]
アーマラーはべスカーを溶かし、装甲服や武器など様々な形に鍛造した。武器の製作だけでなく、アーマラー自身の戦闘力も優れており、鍛造用の工具であるハンマーとトングだけでストームトルーパーの小隊をせん滅する実力を持っていた。[3]
装備
- 「お前への餞別がもうひとつある」
- ―ディン・ジャリンにジェットパックを与えながら、アーマラー[出典]
アーマラーは金色のマンダロリアン・ヘルメットを着用し、茶色の胸当てのついた毛皮のコートを纏い、ダークブラウンのキルトと緑のパンツを身に着けていた。彼女は武器やアーマーの製作に様々な工具を用いたが[1]、戦闘においても同様に工具を使用した。[3] 彼女の炉は同胞にアイテムや武器を提供するため使われたが、それらはホイッスリング・バード[2] やジェットパックまで多岐にわたった。[3]
制作の舞台裏
アーマラーは2019年に動画配信サービス Disney+ でスタートした実写TVシリーズ『マンダロリアン』で初登場を果たした。俳優はエミリー・スワロー[1]、スタントはローレン・メアリー・キムが務めた。[3] このキャラクターはシリーズ放送日の前日に公開されたトレーラーで初めて登場した。[4]
スワローがこの役のオーディションを受けた際、彼女はアーマラーに関して「リーダー」「強く、禅の精神を持つが、威厳もある」という情報程度しか知らなかった。彼女はシリーズの監督の一人であり、スター・ウォーズの実写化作品を監督した初めての女性監督でもあるデボラ・チョウからインスピレーションを受けた。彼女の衣装はマンダロリアン達への権威が伝わるようデザインされた。[5]
登場作品
- マンダロリアン – チャプター1:マンダロリアン (初登場)
- マンダロリアン – チャプター3:罪
- マンダロリアン – チャプター8:贖罪
- マンダロリアン – チャプター9:保安官 (言及のみ)
- ボバ・フェット – チャプター5:マンダロリアンの帰還
- マンダロリアン – チャプター17:背教者
- マンダロリアン – チャプター19:改心
- マンダロリアン – チャプター20:孤児
- マンダロリアン – チャプター21:海賊
- マンダロリアン – チャプター23:スパイ
- マンダロリアン – チャプター24:帰還
参考資料
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 マンダロリアン – チャプター1:マンダロリアン
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 マンダロリアン – チャプター3:罪
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 マンダロリアン – チャプター8:贖罪
- ↑ The Mandalorian | Special Look | Disney+ スター・ウォーズ公式YouTube チャンネル
- ↑ Breznican, Anthony (2019-11-22). The Armorer: Unmasking The Mandalorian's Mysterious Blacksmith. Vanity Fair - Actor Emily Swallow tells the Still Watching podcast about the perils of playing the enigmatic leader.